「日立製エコキュートで修理が必要なエラーはどれ?」「できる限り修理回数を減らして、エコキュートを長く使う方法はあるの?」という不安を持っている人はいるのではないでしょうか。
日立製エコキュートは電気代の節約効果があったり、日々の生活を豊かにしてくれたりするものの、劣化や損傷で修理が必要なエラーコードが出ることがあります。エラーコードには業者の修理が必要なもの、自分で解決できるものがあるため把握しておくと良いでしょう。
今回の記事では、日立製エコキュートで修理が必要なものと不要なもの、修理業者の選び方、費用相場、長く使うためのポイントまで解説しています。本記事を読めば日立製エコキュートのエラーコードや修理業者に関して理解が深まるため、問題の早期解決ができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
日立製エコキュートの修理が不要なエラーコードと対処法
日立製エコキュートには修理の必要性が低く、自分で対応できる可能性が高いエラーコードがあります。エラーコードとともに対処方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
※対応してもエラーが表示される場合は、メーカー・販売店・修理業者へ問い合わせてください。
【修理の必要性が少ない自分で対処できるエラーコード】
エラーコード | エラー内容 | 原因 | 対処方法 |
C23 | 浴そう栓抜け異常 | ・浴そうの排水栓を閉じていない・循環口フィルターの目詰まり | ・浴そうの排水栓を閉じる・循環口フィルターの掃除をする |
自動運転中のたし湯異常 | ・ふろ自動運転中に浴そうの栓を抜いた・ふろ自動運転中に、お湯を多量にくみ出した | ・ふろ自動運転中に排水栓を抜かない・ふろ自動運転中に、お湯を多量にくみださない | |
追い焚き異常 | ・ふろ配管内に空気が溜まっている・半身浴湯はりの自動保温中に、水位がふろアダプター付近まで下がった | ・足し湯や差し湯を行い空気抜きを行う・半身浴湯はりの自動保温中に、浴そうからお湯を排出しない | |
Er07 | 高温水遮断装置付アダプター作動 | ふろ電磁弁、ふろ接続アダプター、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 | ・浴そう内のお湯が出てくる所を水で冷やす・エラーが再表示されなければ使用可能 |
Er09 | 17時間以上通電なし | ・貯湯タンクユニットの電源スイッチが切れている・ヒーターブレーカーが切れている | 貯湯タンクユニット、ヒーターブレーカーの電源が切れていたら入れる |
Er15 | ふろ(注湯)流量異常 | ・断水している・止水栓の閉まり、配管の詰まりなどで、貯湯タンクへ水が供給できていない・流量センサー、ふろ(注湯)電磁弁、貯湯タンクユニット制御基基板の不具合 | ・断水が終わるまで待つ・貯湯タンク専用止水栓を全開にする |
Er23 | ふろ配管異常(ポンプON時の水流スイッチOFF異常) | ・追い焚きができていない・ふろ配管に空気が溜まっている・浴そうの排水栓が抜けている・ふろ循環アダプターの詰まり・ふろ循環ポンプ、水流スイッチ等の不具合 | ・足し湯や差し湯を行い配管内の空気抜きを行う・循環口フィルターの掃除をする・浴そうの排水栓を閉じる |
※参考:日立
日立製エコキュートの修理が必要なエラーコード
日立製エコキュートには、自分では対応しにくいエラーコードもあります。ここでは修理の必要性が高く、メーカー・販売店・修理業者に連絡したほうが良いエラーコードを紹介しているので、参考にしてみてください。
【修理や点検の必要性が高く自分で対処しにくいエラーコード】
エラーコード | エラー内容 | 原因 |
C05 | 給湯循環ポンプ空運転 | 給湯循環ポンプのエア噛み等 |
C09 | 沸き上げ動作異常 | ヒートポンプ配管の接続誤り、又はエア噛み等 |
Er01 | タンク温度センサー(下部75L)異常 | ・温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er02 | タンク温度センサー(上部75L)異常 | |
Er03 | タンク温度センサー(150L部)異常(560Lは240L部) | |
Er04 | 無給水検知異常 | タンクが満水ではない等 |
Er05 | ふろ温度センサー(ふろ戻り温度センサー)異常 | 温度センサー配線の断線、短絡、接触不良等 |
Er06 | 給湯温度センサー異常 | 給湯センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er08 | タンク温度センサー(上部 75L 100℃以上))異常 | 温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er10 | 空焚き | 貯湯タンクユニットに水が入っていない等 |
Er11 | 台所リモコン通信異常 | 台所リモコンの不具合等 |
Er12 | ふろリモコン通信異常 | ふろリモコンの不具合等 |
Er13 | サブリモコン通信異常 | サブリモコンの不具合等 |
Er14 | 給湯温度異常 | 給湯流量センサー、給湯温度センサー、給湯混合弁、給湯循環ポンプの不具合等 |
Er16 | 注水電磁弁異常 | 断水や止水栓の閉まり等 |
Er17 | 給湯混合弁ロック | 異物の噛み込み、配線の断線、コネクターの接触不良等 |
Er18 | ふろ(注湯)電磁弁異常 | 異物の噛み込み等 |
Er19 | 注水電磁弁異常 | 量センサー、注水電磁弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er21 | ふろ往き(湯はり・注湯)温度センサー異常 | 温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er22 | ふろ配管異常(ポンプOFFで水流スイッチON) | 循環電磁弁、水流スイッチ、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er24 | 水位センサー異常 | 水位センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er25 | ふろ循環三方弁(三方切替弁)異常 | ふろ循環三方弁(三方切替弁)、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er26 | ふろ温度異常 | 配管が細い、または詰まっている等 |
Er27 | 給水電磁弁異常 | 異物の噛み込み等 |
Er28 | 中温水温度異常 | 温水混合弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er29 | 補給水電磁弁異常 | 給水配管の詰まり、又は補給水電磁弁の詰まり等 |
Er30 | 給水圧低下 | 給水元圧が低い等 |
Er31 | HP(ヒートポンプユニット)通信異常 | タンク〜HP 配線の極性誤り、配線の断線等 |
Er32 | 凍結防止三方弁異常 | 凍結防止三方弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er33 | 給湯三方弁異常 | 給湯三方弁異常、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er34 | 給水電磁弁異常 | ・給水元圧が低い・給水電磁弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er35 | シスターン水位異常 | ・オーバーフロー排水管、補給水電磁弁の詰まり・補給水電磁弁、レベルスイッチ、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er37 | 給湯循環ポンプ異常 | 給湯流量センサー、給湯循環ポンプ、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er38 | ふろ(湯はり)混合弁ロック | ふろ混合弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er40 | 熱回収三方弁(熱交三方弁)異常 | 熱回収三方弁(熱交三方弁)、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er41 | 熱回収混合弁ロック | 熱回収混合弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er42 | 補助熱交三方弁異常 | 補助熱交三方弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er43 | 熱交出口温度センサー異常 | 温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er44 | 浴暖往き温度センサー異常 | |
Er45 | I/O基板通信異常 | I/O基板の不具合等 |
Er48 | 床暖往き温度センサー異常 | 温度センサー、暖房基板、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er49 | 中温水混合弁ロック | 中温水混合弁の異物の噛み込み等 |
Er50 | 貯湯タンクユニット制御基板異常 | 貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er52 | タンク温度センサー(225L)異常 | 温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er54 | タンク戻り温度センサー、暖房戻り温度センサー異常 | |
Er55 | 付加機能基板(暖房用基板)異常 | 付加機能基板・暖房用基板の不具合 |
Er56 | 湯はり温度異常 | ふろ温度センサー又はふろ混合弁、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er57 | ふろ往き・戻り温度センサーの温度不一致 | ふろ往き・戻り温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er58 | 中温水温度センサー異常 | 中温水温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er61 | タンク出口温度センサー異常 | タンク出口温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er62 | 熱交換器出口温度センサー異常 | 熱交換器出口温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er63 | 水温センサー異常 | 水温センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er64 | 給湯循環ポンプ異常 | 給湯循環ポンプ、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er67 | 補給水異常 | 給水圧が低い等 |
Er68 | 水温異常 | 水温センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er70 | タンク最下部温度センサー(最下部)異常 | タンク最下部温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er71 | 追いだき混合水異常 | 循環調整弁の異物噛み込み、不具合等 |
Er72 | 循環調整弁ロック | 貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er73 | 追いだき温度センサー異常 | 追いだき温度センサー、貯湯タンクユニット制御基板の不具合等 |
Er74 | 上部温度過昇防止器作動 | タンク上部温度センサー、上部温度過昇防止器、ヒーター、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er75 | 下部温度過昇防止器作動 | タンク下部温度センサー、下部温度過昇防止器、ヒーター、貯湯タンクユニット制御基板の不具合 |
Er76 | タンク温度センサー(最頂部)異常 | タンク最頂部温度センサー等の不具合等 |
Er82Er83 | ふろ循環ポンプ異常 | ふろ循環ポンプなどの不具合 |
Er84 | 流量調整弁ロック | 流量調整弁の異物の噛み込み等 |
Er85Er86 | ふろ機能ポンプ異常 | ふろ循環ポンプ等の不具合 |
Er88Er89 | ふろ加圧ポンプ異常 | ふろ加圧ポンプ等の不具合 |
Er90Er91 | 中温水流量異常 | 中温水電磁弁等どの不具合 |
Er99 | タンク内漏水検知 | 貯湯タンクユニット内の漏水等 |
HE01 | 冷媒漏れ異常 | 冷媒ガス漏れの不具合 |
HE02 | 冷媒圧力高圧異常 | ヒートポンプ配管のエア噛み等 |
HE04 | 冷媒出口サーミスタ異常 | サーミスターの断線や短絡、コネクターの接触不良等 |
HE05 | 給水(水熱交入口)サーミスタ異常 | |
HE06 | 給水(水熱交出口)サーミスタ異常 | |
HE07 | 空気熱交(蒸発器)出口サーミスタ異常 | |
HE08 | 空気熱交(蒸発器)入口サーミスタ異常 | |
HE09 | 外気温サーミスタ異常 | |
HE10 | 水熱交出口冷媒温度サーミスタ異常 | |
HE11 | 圧縮機出口温度サーミスタ異常 | |
HE14 | インバーター基板~制御基板間の通信異常 | ヒートポンプユニット基板の不具合等 |
HE15 | ファンモーター異常 | ヒートポンプユニット内への雪等の異物侵入等 |
HE16 | 循環ポンプ異常 | 循環ポンプの不具合、またはヒューズ切れ等 |
HE19 | 冷媒吐出温度異常 | ヒートポンプ配管のエア噛み等 |
HE22 | 水系循環異常 | 循環ポンプ、沸き上げまたは冷媒吐出サーミスターの不良等 |
HE23 | インバーター過電流異常 | 圧縮機の不具合等 |
HE24 | インバーター入力電流異常 | ヒートポンプユニット内部品の不具合等 |
HE25 | 力率改善回路異常 | ヒートポンプユニット基板の不具合 |
HE26 | 圧縮機始動不良 | 圧縮機の不具合等 |
HE27 | 電源電圧異常 | ヒートポンプユニット内部品の不具合等 |
HE28 | インバーター異常 | 圧縮機の不具合等 |
HE29 | インバーター過負荷検知 | ヒートポンプユニット内部品の不具合等 |
HE31 | 圧力センサー異常 | 冷媒のガス漏れ等 |
HE32 | 除霜電磁弁異常 | 除霜電磁弁の不具合等 |
HE40 | コントロール部EEPROM異常 | ヒートポンプユニット基板の不具合 |
HE41 | インバーター部EEPROM異常 | |
HE44 | その他のインバーター異常 | |
H17H20H21 | 沸き上げサーミスタ温度異常 | 沸き上げサーミスターの断線や短絡、コネクターの接触不良等 |
HP46 | 貯湯タンク・ヒートポンプユニット組合せ違い | 貯湯タンクと、ヒートポンプユニットの組合せ間違い等 |
【メーカー別】エコキュートのエラーコードと対処法を徹底解説!
※参考:日立
※参考:ecotec
メーカー保証切れ・対応外の修理は業者へ依頼しよう
メーカーや販売店の保証切れや保証対象外の場合は、修理業者に依頼するしかありません。修理業者に依頼する際は、覚えておくと良いポイントがあります。ぜひ参考にしてみてください。
エコキュートの修理・交換は自宅で可能
エコキュートが故障してしまった場合は、自宅で気軽に修理を行えます。修理業者に依頼する際の主な流れは以下のとおりです。
- 優良な修理業者を探す(選び方は後述)
- 複数の修理業者に問い合わせ相見積もりを取る
- 問題がないと判断した業者に修理を依頼する
- 修理業者が自宅でエコキュートの修理や本体・部品交換を行う
このように修理業者は自宅まで来てくれるため、自宅に居ながらエコキュートの修理が行えます。また修理が突発的に必要になった場合でも、修理業者のなかには24時間365日対応してくれる業者がいるため安心です。
エコキュートを修理するときの費用相場
エコキュートの修理費用はメーカーや修理業者などで異なります。そのためエコキュートの修理費用の相場がわかりにくいことから、不安に思う人が多いのではないでしょうか。今回は参考までに、大手メーカーである以下の三菱電機の修理費用をご紹介します。
- 見積もり診断:数千円~1万円前後
- 部品交換を行わない点検等の作業:約1~1.5万円
- 部分的な修理や配管などの部品交換:約1~7万円
- ヒートポンプ内の冷媒回路の修理や交換:約5~19万円
- 貯湯タンク・ヒートポンプユニット交換:約20~50万円
エコキュートの修理費用の相場は、基本的にメーカーよりも修理業者のほうが安くなる傾向があります。そのため保証切れや保証対象外の場合は、修理業者の見積もりを取ってみると良いでしょう。
しかし相場よりも修理費用が高すぎる業者は、悪質業者の可能性があります。また安すぎる業者もトラブルの元になる可能性があるため、依頼を控えたほうが良いでしょう。
※参考:三菱電機
修理業者を選ぶときに意識したいポイント
トラブルが起きにくい優良な修理業者を選ぶためには、どんな特徴があるのかを知っておく必要があります。優良な修理業者の特徴を以下で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 良い口コミが多い
- 施工実績が豊富にある
- 丁寧な接客対応をしてくれる
- 質問に対して的確に答えてくれる
- 24時間365日で修理対応してくれる
- 会社のホームページが更新されている
- 見積金額が相場よりもかけ離れていない
- 修理後の保証やアフターサービスが充実している など
問い合わせの際は1つのポイントがあります。それは「メールではなく電話で問い合わせる」ということです。メールよりも電話のほうが、修理業者の雰囲気や対応力などを確かめることができます。
修理業者は「新日本エネックス」がおすすめ
エコキュートの修理業者で、おすすめなのは新日本エネックスです。新日本エネックスは福岡を拠点としているものの、修理は全国対応しています。主な特徴は「迅速な対応・安心のアフターサービス・スタッフの対応力・良心的な価格」です。
以下は実際に修理を依頼された、お客さまの声になります。
「給湯器の交換の作業に来ていただきましたが、ほかの気になるところも一緒に見てもらえて助かりました。担当者の方の対応も良かったです。」 「変な音がするので不安になって連絡しました。スタッフの方はとても親切で、故障の原因や機会について、とても丁寧に教えて下さいました。お願いして良かったです。」 「急に給湯器の調子が悪くなり、困っていました。でもスタッフさんのテキパキとした段取りで、すぐに直してもらえたので本当に助かりました。」 |
また修理以外にも、買い替えやガスからエコキュートの置換なども対応可能です。無料で相談や見積もりができるため、お気軽に新日本エネックスへ問い合わせてみてください。
エコキュートの寿命を縮めないためのポイント
エコキュートは8つのポイントを意識して実践することで、劣化や故障の頻度を減らして長く使用することができます。今回ご紹介するポイントを意識していただき、できることから実践してみてください。
水漏れや保温材などを目視で点検する
自分でもできる簡単なメンテナンス方法は、日常的な水漏れ・保温材の点検です。これらの点検を定期的に行っておくだけでも、故障を早期解決できる可能性があります。
点検の際にエコキュートの配管や接合部、ヒートポンプユニット・貯湯タンクの下あたりが常に濡れてる、ポタポタと水が垂れているときは要注意です。修理費用が高くなるヒートポンプユニット・貯湯タンク内外の配管から、水漏れしている可能性があるでしょう。
水漏れを発見した場合は、できる限り水漏れしている場所を特定したうえで、修理業者に依頼すると修理がスムーズです。
なお水漏れの症状に似ているのが、冬の寒い時期に多い結露です。結露で濡れている場合は、外気温との気温差なので特に問題はありません。結露であれば時間が経つと濡れている部分は乾きます。
また配管を凍結から守ってくれる保温材の点検も行いましょう。保温材が外気の気温差や紫外線などにより劣化して剥がれてしまうと、エコキュートの故障や保温効率の低下につながります。
保温材は配管の取り回しが単純な場合は、自分でも巻くことが可能です。ホームセンター等に行けば、数千円ほどで保温材が購入できます。もし自分で保温材を巻けないときは、無理に行わず業者に依頼すると良いでしょう。
浴槽・循環口フィルター・配管掃除をこまめにする
日々、使用するお風呂の浴そう・循環口フィルター・配管は、こまめに掃除するようにしてください。エコキュートを定期的に掃除しないと、内外部の配管や部品の劣化・汚れの堆積などによって故障する可能性が上がります。定期的に掃除するメリットは、以下のとおりです。
【浴そう・循環口フィルター・配管を掃除するメリット】
浴そう | 循環口フィルター | 配管 |
・浴そうを洗い流すことで循環口フィルターや配管への、入浴剤の成分や水アカなどの不純物を侵入させない・不純物を洗い流し、お風呂やお湯を清潔に保てる | ・循環口フィルターの目詰まりを解消すれば、温度センサーの誤作動を防止して正常な温度で追い焚きできる・目詰まりを解消できるため、お湯の出が良くなる | ・配管内に入浴剤の成分や水アカなどの不純物が溜まらなくなり、劣化防止や損傷、詰まりなどを解消してくれる・配管の劣化や損傷による水漏れや、エコキュート本体の故障を防ぎやすくなる |
掃除する頻度は浴そうが毎日、循環口フィルターは週1ペース、配管掃除は2〜3か月に1度(自動配管掃除機能がない場合)がおすすめです。
配管掃除をする際は、エコキュートのフルオートタイプであれば自動配管洗浄機能が活用できるでしょう。自動配管洗浄機能は、浴そうのお湯を抜く度に残り湯で配管を洗浄できます。
また自動配管洗浄機能に加えて、半年に1度の頻度でジャバ(1つ穴用)を利用した洗浄もすると良いでしょう。日立製エコキュートの場合は、主に以下の流れで配管洗浄が行えます。
- 浴そうのお湯を循環口フィルターよりも5cm以上残す
- 浴そうのお湯にジャバを入れる
- リモコンのメニューから「運転→循環洗浄実行」を選択して決定ボタンを押す
- 配管循環洗浄が約10分、すすぎが約3分間行われる
- すすぎまで終わったらお湯を排水する
- 浴そうを掃除して完了
ジャバの使用による手動の配管洗浄方法は、機種ごとに操作方法が異なることがあるため、それぞれの取扱説明書の確認を行ってください。
※参照:日立
ヒートポンプユニット周りを遮らない
ヒートポンプユニットの周りを、もので遮らないようにしてください。ヒートポンプユニットには、空気中の熱を取り込む給気口や排出のためのファンが付いています。
ヒートポンプユニットの周りをもので遮ってしまった場合、吸気や排気ができなくなる可能性があるでしょう。このような状況になった場合のデメリットは、以下のとおりです。
- エコキュートの効率が悪くなってしまい性能低下につながる
- 効率よくエコキュートでお湯が沸かせない状態になり、故障の原因になってしまう可能性がある
- 強風や地震などの自然災害によって転倒してしまい、周りのものだけではなく、ヒートポンプユニットや貯湯タンク自体の損傷や故障につなる
- 逆に周りにあるものがヒートポンプユニットや貯湯タンクへぶつかり、破損や故障する可能性もある
このような状況をメーカーは推奨していないため、基本的には貯湯タンクやヒートポンプユニットが故障しても保証対象外になります。ただし火災保険で対応できる可能性があることを知っておきましょう。
また火災保険でも対応できる場合と、できない場合があります。保証対象外になるケースは「経年劣化・地震・一定基準以下の水災」の場合です。エコキュートを購入した際は、保険会社へ確認しておくことをおすすめします。
凍結防止対策で故障や損傷を防ぐ
エコキュートを少しでも長く使用できるようにするには、凍結に備えて対策することも重要です。凍結によって配管内の水が凍ってしまえば、故障する可能性があります。
凍結対策を行うタイミングは、翌日の気温が0度以下になりそうな日の前日です。天気予報で翌日の天気を確認し、取扱説明書などをもとに以下の対策を行ってください。
- フルオートタイプで凍結防止運転があればONにしておく
(循環口よりもお湯を5~10cm[説明書要確認]ほど残しておく) - お湯の温度を「水」または「低温」にし、蛇口から水を1分間に200cc(コップ1杯程度・9時間流し続けても水道代100円以下)ほど流し続ける
- 降雪対応ファンがあれば「入」にしておく
- 凍結防止ヒーターがあれば電源を入れる
(付いていない場合は業者に取り付けてもらうことも可) - 各配管に保温材を巻いておく
- 風が強いときは脚部化粧カバー(別売)を取り付ける
- 防雪カバーを取り付ける
基本的に凍結対策は自分でも行えるものばかりです。しかし凍結防止ヒーターの設置は自分で設置するのが難しいことがあるため、業者へ依頼すると良いでしょう。
凍結対策が間に合わずに凍結してしまった場合は、解凍するまで待つのが安全といえます。しかし少しでも早く解凍したい場合は、「配管にタオルをかけて、ぬるま湯をゆっくりかけて解凍する」という対処法があります。
早く解凍したいからといって、絶対に熱湯をかけてはいけません。冷え切った配管に熱湯をかけると収縮している配管が膨張し、亀裂が入ってしまう可能性があります。
また外気温が低すぎると、タオルごと凍結する可能性があることも考慮すべきです。急いでいない場合は、自然解凍させるのが一番良い対策といえるでしょう。
定期的な貯湯タンク・ヒートポンプユニットの水抜きを行う
エコキュートの寿命を延ばす方法の1つに、貯湯タンクやヒートポンプユニットの水抜きを行うという方法もあります。水抜きをするのは、貯湯タンクの場合はタンク内に不純物や汚れが溜まる可能性があるからです。
多くの家庭では水道水を使用しているため、水道水に含まれるナトリウムやカルシウムなどの不純物が貯湯タンクに溜まります。そのほか水アカ等の汚れも溜まる可能性があるでしょう。
不純物や汚れは配管を通じて流れるため、配管の劣化や詰まりにも影響していきます。水抜きを長期間しなければ、お湯を清潔に保てないばかりか、故障の原因にもつながるでしょう。
基本的な貯湯タンクの水抜き方法は、以下のとおりです。
※水抜き方法は各メーカーで方法が異なる可能性があるため、必ず取扱説明書の確認もしてください。
- 脚部化粧カバーを外す
- 漏電遮断器を「切」にする
- 給水元栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水栓を開く(約2分間)
- 排水栓を閉じる
- 給水元栓を開けてタンクに水を貯める
- 排水口から水が出たら満水
- 逃し弁のレバーを戻す
また貯湯タンクだけではなく、ヒートポンプユニットの水抜きも行っておくこともおすすめします。基本的なヒートポンプユニットの水抜き方法は、以下のとおりです。
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を1回転させる
- 1~2分ほど水を排水する
- 排水後は水抜き栓を閉める
水抜きは半年に1回のペースで行うと良いでしょう。ただし購入してから長期間、一度も水抜きをしていない場合は、1回の水抜きで汚れを排水しきれないことがあります。そのため溜まった汚れをきれいにするには、業者に依頼して清掃してもらうと良いでしょう。
漏電遮断器や逃し弁が正常に動作するか確認する
年に2〜3回は漏電遮断器と逃し弁の動作確認も行ってください。漏電遮断器と逃し弁の動作確認を行う理由は、安全性の向上と故障を事前に防止するためです。
漏電遮断器はエコキュートが漏電している場合に、自動的に電気を切ってくれます。漏電遮断器によって電機が切れない場合は、感電するリスクが上がったりエコキュートの故障につながったりするでしょう。
漏電遮断器は分電盤または貯湯タンクに設置されています。メンテナンスするときのために、あらかじめ場所を確認しておきましょう。基本的な動作確認方法は、以下のとおりです。
- 貯湯タンクについている漏電遮断器のテストボタンを押す
- 電源レバーが「切」になれば正常に動作している
- 漏電遮断器を「入」に戻す
逃し弁は貯湯タンク内の水をお湯にしたときに、膨張した分を排水するための安全装置です。水は温度が上がってお湯になるときに膨張して体積が増えます。
膨張した分が逃し弁によって排水されなければ、貯湯タンク内の圧力が変化して変形する可能性があるでしょう。貯湯タンクが変形してしまうと、水漏れ等の故障につながります。
逃し弁は主に貯湯タンクの上部に設置されているため、あらかじめ場所を確認しておくと良いでしょう。逃し弁が見つかったら、以下の方法を参考に動作確認を行ってみてください。
- 逃し弁のカバーを開ける
- 逃し弁のレバーを動かして排水を確認する
- 逃し弁のレバーを戻す
なお排水場所は各家庭で異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。漏電遮断器と逃し弁の位置や動作確認の方法についても方法が異なる可能性があるため、取扱説明書を読んでおくことをおすすめします。
入浴剤はメーカー推奨品を使う
エコキュート(フルオートタイプ)では、推奨されている入浴剤を使用するようにしてください。非推奨の入浴剤を使用することで給湯や追い焚き機能時に配管・エコキュートの損傷や劣化、循環口フィルターの目詰まりが起こる可能性があります。
たとえば日立の場合は、以下の入浴剤が推奨・非推奨となっています。
【日立推奨・非推奨の入浴剤】
推奨されている入浴剤 | 非推奨の入浴剤 |
・バブシリーズ ・バブ 和漢ごこち・バスクリンシリーズ ・バスクリンクール・きき湯(冷泉炭酸湯スパリフレッシュを除く)・きき湯 アロマリズム・バスロマンシリーズ・バスロマンクール | ・乳白色系・にごるタイプ・推奨品以外の発泡タイプ・硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの・とろみ系・固形物が溶けないタイプ※複数の入浴剤を混ぜて使用しないこと※ステンレス・クリーン自動洗浄システムを搭載していない機種(フル オート[スリムタンク])は、発泡しない中性の透明タイプのみ使用可。また推奨品のなかでは、バスクリンおよびバスロマンの透明タイプが使用可 |
※参考:日立
エコキュートのフルオートタイプで入浴剤が限定されている理由は、追い焚き機能が付いているからです。追い焚きは、ぬるくなったお湯を配管を通して貯湯タンク内に送り、再加熱後に浴そうへ戻します。配管内に非推奨の入浴剤が含まれたお湯が流れると、成分や固形物が原因で劣化したり不純物が溜まったりして故障する可能性があります。
また循環口フィルターが成分や固形物で目詰まりしてしまうと、温度センサーが誤作動を起こすことも考えられるでしょう。温度センサーが誤作動を起こした場合、お風呂の温度が上がらない等の不具合が起きてしまいます。エコキュートを故障させないためにも、非推奨の入浴剤の使用はしないようにしてください。
不安ならプロの業者に任せる
エコキュートを長く使うためには、業者による点検・メンテナンスが必須です。3年に1度はメンテナンスを依頼するようにしましょう。なおエコキュートの点検や掃除には、以下のように自分でできることもあります。
- 浴そう、循環口フィルター、配管掃除
- 貯湯タンク、ヒートポンプユニットの水抜き
- 配管の損傷や水漏れなどの点検 など
ただし自分では対処できない部分の点検やメンテナンスは、プロの業者に任せるほうが安全で確実です。自分で行なえる日常的なメンテナンスに加えて、プロの業者による詳細なメンテナンスも行えばエコキュートの寿命を伸ばしやすくなるでしょう。
プロの業者によるメンテナンスの費用相場は約1〜2万円ほどです。部品の劣化や故障が見つかった場合は、プラスで費用が発生します。またお住まいの地域によっては追加で出張費用が掛かる場合もございます。詳細な費用については相見積もりしましょう。
エコキュートでおすすめのメンテナンス業者は新日本エネックスです。全国対応・レスポンスの早さ・安心のアフターサービス・対応力の高さ・良心的な価格に定評があります。相談・見積もりは無料なので、気になる人は気軽にお問い合わせください。
まとめ
日立製エコキュートには自分で対応しやすい、メーカーや販売店、修理業者に問い合わせたほうが良いエラーコードがあります。
エコキュートの保証期間が残っていれば、メーカーや販売店が修理対応してくれるでしょう。しかし保証期間切れや保証対象外の修理に関しては、プロの修理業者に依頼することも検討してみてください。優良な修理業者であれば確かな知識と経験を持つプロにより、メーカー等よりも安い費用で修理してくれる可能性があります。
修理業者を選ぶ際は、当記事で解説した費用相場や優良な修理業者のポイントを参考にしてみてください。エコキュートを長く使うためのポイントも実践しておけば、故障の頻度を減らして修理費用を節約することも可能です。
定期的なプロのメンテナンスを考えている人は、無料で相談・見積もりができる新日本エネックスにお問い合わせください。