福岡市で太陽光発電の導入を検討するにあたり、少しでも導入費用を抑えたいと思っている人は多いのではないでしょうか?
太陽光発電を導入する際は、太陽光パネルや設置工事などで数十万円〜数百万円ほどの導入費用が必要になるため、何もしなければ金銭的負担が大きくなってしまいます。ですが補助金を活用することで導入費用を抑えることが可能です。
今回の記事では、福岡市などで利用できる太陽光発電の補助金について以下の内容を解説します。
- 近年の太陽光発電事情
- 福岡市で活用できる補助金
- 福岡県で活用できる補助金
- 国で活用できる補助金
- 補助金を活用するポイント
補助金について詳細に解説していますので、太陽光発電の導入を検討している人は参考にしてみてください。
太陽光発電の導入は年々安くなっている
太陽光発電といえば「導入費用が高い」というイメージがありますが、実は以前よりも導入費用が安くなっています。主な理由は三つあります。一つは「太陽光発電が普及してきたため量産できるようになり単価が下がってきた」こと、二つ目は「技術の進歩により低価格でも高品質が維持できるようになった」こと、三つ目は「補助金制度が作られた」ことが挙げられます。普及と技術の進歩によって以前より太陽光発電は導入しやすくなっています。
では実際に過去と比較して初期費用が安いかどうかを見てみましょう。どれだけ安くなったのかを判断するために「1kWあたりの費用相場」を元に比較してみます。
年代 | 1kWあたりの費用相場 | 4kWの費用(一般住宅の平均) |
1993年頃 | 370万円/kW(太陽光発電スタート時) | 1,480万円 |
2006年頃 | 約66万円/kW | 約264万円 |
2012年頃 | 約50万円/kW | 約200万円 |
2016年頃 | 約36万円/kW | 約144万円 |
2022年頃 | 約25万円/kW | 約100万円 |
太陽光発電が始まった頃は370万円/kWで非常に高額でした。ですが補助金制度により普及してきたことや技術の進歩による低価格が実現します。8年前と比較しても約44万円ほどの差があることからも太陽光発電の導入費用は下がっているといえるでしょう。
福岡市では太陽光発電とHEMSを組み合わせれば補助金を利用できる!
福岡市で太陽光発電の補助金を受ける際は「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」を組み合わせることが条件となります。
HEMSは太陽光発電や家電製品などをネットワークで接続して電気使用量や接続機器の状況を一元管理し、モニターなどで見やすくしたシステムです。ガスや水道なども対応しており、電気使用量はコンセント単位で確認することができます。またインターネット接続できる「クラウド型HEMS」を設置することで、外出先でも家電製品のオンオフが操作できるようになるなどのメリットもあります。HEMSはエネルギーの無駄が分かりやすくなるため、節電効果が高まることで注目されています。
福岡市で活用できる太陽光発電の補助金
福岡市で活用できる太陽光発電の補助金の詳細を解説します。
福岡市住宅用エネルギーシステム導入促進事業
福岡市では補助金の名称どおり「住宅用エネルギーシステムの導入を推進」しているため、太陽光発電などの再生可能エネルギー関連機器の補助金を出しています。上限40万円まで補助してもらえるため、少しでも導入費用を抑えたい人は活用しましょう。
対象条件
補助金の対象条件は以下のとおりです。
補助対象住宅 | 集合住宅 ・「住宅用太陽光発電システム(集合住宅のみ・敷地内駐車場を含む)」または「家庭用燃料電池」のどちらかを導入すること。 ・集合住宅および戸建住宅「家庭用燃料電池・リチウムイオン蓄電システム・V2Hシステム」のなかから一つ、もしくは組み合わせて導入すること。(太陽光発電+HEMSの設置が必須) |
補助対象者 | 補助対象者 ・補助金を受ける際に税金の滞納がないこと ・福岡市内の自宅や住む予定の家に太陽光発電とHEMSの設置、または設置されている家を購入すること暴力団員、その関係者とつながりがないこと ・補助金交付前に太陽光発電とHEMSの設置工事をしていないこと、または設置された住宅に入居していること ・「申請者=契約者=代金支払い者=補助金受給者」であること集合住宅の共用部分が主な使用場所である管理組合または建築主 |
補助対象システム・要件 | 対象システムの共通要件 ・未使用品であること 住宅用太陽光発電システム発電で得た電力を共用部分や各住戸で主に使用すること停電などの非常時に共用部分(各住戸の場合は各居住部分)で電力使用ができること ・HEMS「ECO NET Lite」規格が搭載されていること太陽光発電およびHEMSを導入した住宅で各機器の電力使用量が分かること ・家庭用燃料電池FCA(一般社団法人燃料電池普及促進協会)指定のシステムを使用すること ・リチウムイオン蓄電システムSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が行っている「令和3、4年度戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」の対象機器であることSIIに登録されている保証年数が15年以上、パッケージ型番の範囲の蓄電池やパワコンなどの費用が、1kWhあたり13.5万円以下であること ・V2Hシステム補助金交付申請までに電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車を所有していること電気自動車やプラグインハイブリッド自動車と住宅が分電盤で電力を共有するシステムがあることNeV(一般社団法人次世代自動車振興センター)が行っている「令和3,4年クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の補助対象機器であること |
補助金額
補助金額については以下のとおりです。
住宅用太陽光発電システム | 上限20万円 |
家庭用燃料電池 | 定額5万円(単体導入は300件まで) |
リチウムイオン蓄電システム | 上限40万円 |
V2Hシステム | 上限20万円 |
申請期間
申請期間は「令和4年5月6日~令和5年1月27日(郵送の場合は必着)」までとなっています。また予算2億3,250万円がなくなり次第、終了になることに注意しましょう。
必要書類
必要書類は以下のとおりです。
補助金交付対象申請(工事前・入居前)
申請書以外に必要な書類もありますので以下を参照してください。
補助金交付申請(工事後・入居後)
請求書以外に必要な書類もありますので以下を参照してください。
必要書類表1 必要書類表2
申請の流れ
申請の流れは以下のとおりです。
申請 | 補助金交付対象申請と必要書類を「福岡市住宅用エネルギーシステム導入促進事業補助金交付事務局(以後、事務局)」へ提出。提出期限は工事の着手日の前日から30日前まで(郵送の場合は必着)事務局が受付後に不備などの確認をし書類審査問題がなければ補助金交付対象が決定 |
工事・入居 | 補助金交付対象決定通知書が届いたら工事着手 |
完了 | 工事完了後、補助金交付請求と必要書類を事務局へ提出。提出期限は工事完了日または入居日の、どちらか遅い日から30日まで(郵送の場合は必着)事務局が受付後に不備などの確認をし書類審査問題なければ補助金交付決定通知書が郵送され補助金が振り込まれる |
問い合わせ先
福岡市住宅用エネルギーシステム導入促進事業補助金交付事務局
TEL:092-692-7117
公式サイト:令和4年 福岡市住宅用エネルギーシステム導入促進事業
福岡県で活用できる太陽光発電の補助金
福岡市だけではなく福岡県からの補助金も受けることができますので詳細を解説します。
ふくおか県産材家づくり推進助成制度
福岡県では環境に配慮した県産木材の活用を推奨しており、一定基準を満たした木造住宅を新築、または購入する方に補助金を交付しています。木造住宅の新築や購入が最低条件であり、その住宅に設置する太陽光発電などの補助金は最大30万円まで含まれています。福岡県内で木造住宅を検討している方は、ぜひ活用してみてください。
対象条件
対象条件は以下の通りです。
対象者 | 福岡県内で自ら住むために、県が定めた一定基準の木造住宅を新築または購入する方 |
対象機器 | 熱交換換気システム(住宅全体)太陽光発電システム(3kW以上)エネファーム(0.4kW以上) |
申請条件 | 基本タイプ(木造住宅の補助金)を申請していること |
補助金額
補助金額は20万円以内です。(2タイプ以上の場合は上限30万円)
申請期間
申請期間は「令和4年4月1日~12月28日」までとなっています。注意点として、認定通知や承認通知を受ける前に工事を着工すると申請できません。また募集枠が終了次第、補助金も終了します。
必要書類
必要書類は「注文住宅」と「建売住宅」の場合で異なります。専用ページからダウンロードする書類もありますので、こちらから確認してみてください。
申請の流れ
申請の流れは以下のとおりです。
建売住宅 | 承認申請(必要書類提出)承認通知書送付竣工確認申請(必要書類提出)内容審査竣工確認通知書送付交付申請(必要書類提出)内容審査助成金交付決定および通知書送付助成金支払い |
注文住宅 | 認定申請(必要書類提出)認定通知書送付交付申請(必要書類提出)内容審査助成金交付決定および通知書送付助成金支払い |
問い合わせ先
福岡県建築都市部住宅計画課民間住宅係
TEL:092-643-3731
公式サイト:ふくおか県産材家づくり推進助成制度
国の太陽光発電の補助金
国からも太陽光発電に関する補助金が交付されていますので解説します。
ZEH支援事業
令和5年度に関してはまだ発表されておりませんので、参考に令和4年度の情報を記載します。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)とは、年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目的とした住宅のことです。高い断熱性能や太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムの導入をして、省エネ基準比20%以上の省エネを実現することなどが条件です。戸建ZEH補助金は、ZEH住宅やZEH+(ZEH住宅よりも省エネ性能が高い住宅)住宅の新築費や購入費を補助してくれる補助金です。省エネ戸建ての新築や購入を検討しているのであれば、ぜひ活用してみてください。
対象条件
対象条件は以下のとおりです。
対象者 | 新築戸建住宅を建築または購入する個人新築住宅を販売する法人 |
対象住宅 | ZHE住宅 (高断熱・再生可能エネルギーシステムなど導入済みの住宅)Nearly ZEH住宅 (寒冷地・低日射地域・多雪地域の住宅)ZEH Oriented住宅 (都市部狭小地の二階建以上または多雪地域の住宅)ZHE+住宅 (エネルギー消費量25%以上かつ高度エネルギーマネジメントなどを導入した住宅)Nearly ZEH+住宅 (寒冷地・低日射地域・多雪地域の住宅)※全てZEHの定義を満たしていること |
対象要件 | ・戸建の所有者が居住する住宅であることSIIに登録しているZEHビルダーまたはプランナーが関わっている住宅であること |
補助金額
補助金額は以下のとおりです。
ZEH住宅 | 55万円/戸 |
ZEH+住宅 | 100万円/戸 |
※指定設備導入で追加補助額あり
申請期間
申請期間は下記のとおりです。
一次公募 | 令和4年5月13日~令和4年6月17日 |
二次公募 | 令和4年7月4日~令和4年8月12日 |
三次公募 | 令和4年8月29日~令和4年10月7日 |
四次公募 | 令和4年11月21日~令和5年1月6日 |
公募期間中に申請を行うことと、交付決定後に工事を着工しないと対象外になります。また予算額に達した場合は早期終了になるため注意しましょう。
必要書類
必要書類は以下のとおりです。
- 役員名簿
- システム構成部材一覧
- システム構成図
それぞれ公式サイトからダウンロードできます。
申請の流れ
令和4年から申請は「ZEHポータル」から行うことになりました。登録の詳細は公式サイトの「解説動画」をご覧ください。大まかな流れは下記のとおりです。
- 公募要領を確認する
- ZEHポータルでユーザー登録をする
- 交付申請をする(必要情報を記入し必要書類のアップロード)
問い合わせ先
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 市場メカニズム室
TEL:03-3581-3351
公式サイト:ZHE支援事業 公募情報
次世代ZEH+実証事業
次世代ZEH+とは、ZEH+以上の省エネ環境を有している住宅のことです。ZEH+の要件を満たしていることに加えて、蓄電システムなどの設備を導入していることが条件です。より一次エネルギーゼロを目指した省エネ住宅を求める方は、ぜひ活用してみてください。
対象条件
対象条件は以下のとおりです。
対象者 | 新築戸建住宅を建築する個人 |
対象住宅 | ZHE+住宅Nearly ZEH+住宅※全てZEHの定義を満たしていること |
対象要件 | 戸建の所有者が居住する住宅であることSIIに登録しているZEHビルダーまたはプランナーが関わっている住宅であること以下のシステムを1つ以上導入すること「蓄電システム・V2H充電設備・燃料電池・太陽熱利用温水システム・太陽光発電システム10kw以上」 |
補助金額
補助金額は「100万円/戸」となっています。蓄電システムなど指定の設備を導入することで追加補助額がプラスされます。
申請期間
申請期間は下記のとおりです。
一次公募 | 令和4年5月20日~令和4年8月12日 |
二次公募 | 令和4年8月29日~令和4年11月18日 |
公募期間中に申請を行うことと、交付決定後に工事を着工しないと対象外になります。また予算額に達した場合は早期終了になるため注意しましょう。
必要書類
必要書類は以下のとおりです。
- 役員名簿
- システム構成部材一覧
- システム構成図
それぞれ公式サイトからダウンロードできます。
申請の流れ
令和4年から申請は「ZEHポータル」から行うことになりました。登録の詳細は公式サイトの「解説動画」をご覧ください。大まかな流れは下記のとおりです。
- 公募要領を確認する
- ZEHポータルでユーザー登録をする
- 交付申請をする(必要情報を記入し必要書類のアップロード)
問い合わせ先
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 市場メカニズム室
TEL:03-3581-3351
公式サイト:次世代ZHE+(注文住宅)実証事業 公募情報
こどもみらい住宅⽀援事業
子育て世代や若い夫婦を対象に、ZEHなどの高い省エネ性能を持つ住宅の取得費用や省エネリフォーム費用に対する補助金です。子育て支援とカーボンニュートラルの実現に向けて若い世代の省エネ化への負担を軽減させる目的があります。子育て世代や若い夫婦の方は、ぜひ活用してみてください。
対象条件
対象条件は以下のとおりです。
対象者 | 注文住宅の新築・新築住宅の購入子育て世帯または若者夫婦(申請時に2003年4月2日以降に生まれた子がいる・申請時に夫婦でどちらかが1981年4月2日以降に生まれていること)こどもみらい住宅事業者と契約して新築する方 リフォームこどもみらい住宅事業者と契約してリフォーム工事をするリフォームする住宅の所有者または関係者 |
対象住宅 | 注文住宅の新築・新築住宅の購入建築主または購入者が居住している土砂災害特別区域外に建てる未完成または完成から1年以内で居住用に作られた住宅床面積が50㎡以上証明書などで「ZHE住宅・高い省エネ性能等を有する住宅・一定の省エネ性能を有する住宅」に該当すること交付申請時に基礎工事の完了など一定以上の出来高の工事完了を確認できること リフォーム(下記のリフォーム工事をすること) どれか1つは必須開口部の断熱改修外壁、屋根、天井、床の断熱改修エコ住宅設備の設置 上記の3つのうち、どれか1つと同時に行う場合のみ対象子育て対応改修耐震改修バリアフリー改修空気清浄機、換気機能付きエアコンの設置リフォーム瑕疵保険等への加入 |
補助金額
補助金額は以下のとおりです。
注文住宅の新築 新築住宅の購入 | ZEH住宅:100万円高い省エネ性能等を有する住宅:80万円一定の省エネ性能を有する住宅:60万円 |
リフォーム | 子育て世帯または若者夫婦世帯+既存住宅を購入する場合上限60万円 子育て世帯または若者夫婦世帯+既存住宅を購入しない場合上限45万円 上記に該当しない一般世帯+既存住宅を購入する場合上限45万円 上記に該当しない一般世帯+既存住宅を購入しない場合30万円 |
申請期間
申請期間は以下のとおりです。
戸建住宅 | 交付決定~2023年10月31日 |
共同住宅等で10階以下 | 交付決定~2024年7月15日 |
共同住宅等で11階以上 | 交付決定~2025年5月31日 |
必要書類
必要書類は段階ごとに異なり、公式サイトからダウンロードする書類もありますので、こちらから確認してみてください。
申請の流れ
申請の流れは以下のとおりです。
- こどもみらい住宅事業者を探す(公式サイトからも探せます)
- 要件の確認
- 契約(共同事業実地規約も併せて締結する)
- 工事着手
- 補助金の交付申請(2022年3月28日~2023年3月末まで)
- 補助金の交付・還元
- 新築のみ完了報告
問い合わせ先
こどもみらい住宅支援事業事務局
TEL:0570-033-522
公式サイト:こどもみらい住宅支援事業
福岡市で補助金を活用する際のポイント
福岡市で補助金を活用するために知っておきたいポイントを解説します。
早めに応募する
補助金には申請期間があり、過ぎてしまうと応募できなくなったり次回まで待たなければいけません。また多くの補助金には予算上限が決められており、なくなり次第終了してしまいます。申請したい補助金を見つけたら早めに応募しておくといいでしょう。
補助金概要を理解する
それぞれの補助金には対象者や対象条件など細かく異なります。よく調べないまま申請すると「実は対象外だった」という状況になりかねません。しっかりと自分が対象であるかどうかを確認しましょう。
業者に代行してもらう
補助金申請は知識や経験のある業者に代行してもらうのが一般的です。慣れていないと分からなくなってミスをする可能性があります。専門的なことは専門家に任せるのが確実といえます。
まとめ
太陽光発電の導入は高額なイメージがあったものの、実際のデータを見ると安くなってきていることが分かります。エコ意識の高まりで太陽光発電が普及し、設備の性能が向上したことにより低価格で導入できるようになりました。国や地方自治体からの補助金もプラスになり導入しやすくなっています。
福岡市をはじめ福岡県や国から交付される太陽光発電の補助金は、さまざまな種類があります。福岡市では1つの補助金のみですが、福岡県や国からの補助金も検討してみるといいでしょう。福岡市で省エネな住宅を検討している人は、自分に合う補助金の概要を確認して申請してみてください。