海外の太陽光発電メーカーのなかでも人気な「Qセルズ」について気になる人は多いのではないでしょうか?
人気だということは分かっていても、高額な導入費用を考えると本当にQセルズで製品を購入してもいいのか不安になっているかもしれません。
そこで今回の記事ではQセルズという会社のことや扱っている太陽光発電や蓄電池に関して、以下の内容を解説します。
- Qセルズの特徴や評判
- Qセルズの倒産について
- Qセルズのメリット・デメリット
- Qセルズ製品の特徴や価格
- Qセルズで失敗しないポイント
- Qセルズの蓄電池がおすすめな人
Qセルズについて詳細に解説していますので、気になる人は参考にしてみてください。
Qセルズの特徴
Qセルズは太陽光発電メーカーとして1999年にドイツで創業しました。2007〜2008年にはシェア世界一になるほどの人気メーカーで、日照量が少なくても発電効率が高い製品を製造しているのが特徴です。さらに低価格ながらも高品質な製品を扱っていることで知られています。
2011年からは日本でも太陽光発電事業を開始し、太陽電池モジュールの開発、生産、販売などを行っています。全国に5ヶ所の営業所、9ヶ所の物流拠点、1000社以上の販売店、450ヶ所以上のサービスネットワークという販売インフラが構築されており、国内の海外メーカーでは一番多いのが強みです。
Qセルズは過去に倒産しているけど大丈夫?
Qセルズは、日本へ参入してきた翌年の2012年に倒産しています。ライバル増加による価格競争に勝てなかったことが要因で、2011年12月期の決算で約960億円(当時のレート)の赤字を出しています。世界的に市場規模が拡大するなかで、特に低価格な中国メーカーが欧州に参入したことでシェアを落としていきました。
そこで再建するために人件費の削減に取り組みました。これまでメインだった生産拠点をドイツからマレーシアに移管させリストラなども含めて対策をしたものの、法的な問題により倒産しています。一度は倒産したものの、韓国でも有数の大企業「ハンファ・グループ」に買収され「ハンファQセルズ」と名称が変更されました。
その後は、ハンファ・グループの元で経営再建に取り組んだ結果、2020年末には日本での住宅用太陽光発電システムの累計設置数が80,000棟を超える実績を残しています。一度は倒産したものの母体の大きさや実績を見ても大丈夫といえるでしょう。
Qセルズを選択するメリット
Qセルズの製品を選ぶメリットを解説します。
国内メーカーよりも安め
Qセルズの製品は国産メーカーよりも低価格な製品が多いです。倒産後に生産拠点をドイツから人件費の安い中国やマレーシアなどに移したことで、他メーカーとの価格競争において有利になりました。国産メーカーよりも安い割にドイツで培ってきた技術力の高さが高品質な製品を生み出しています。そのため信頼性が高くコスパの良い海外メーカーです。
天候に左右されない発電効率の高さ
Qセルズは日照時間が短いドイツで創業されたことで、悪天候でも発電効率が高くなるように「Q.ANTUM(クアンタム)」が採用されています。少ない日照量でも極限まで活用するためセルの裏面に「アルミ裏面コンタクト」と「エネルギー反射層」を形成し、太陽光を逃がさずに効率よく電力を生み出せます。
0円設置プランがある
Qセルズは2020年から初期費用0円の「ソーラーメイト蓄電使い放題プラン」を提供しています。狭い住宅でも対応可能な6.5kWhの太陽光発電モジュール8枚と蓄電池を利用できるプランです。このプランを利用する条件はセルファQセルズの子会社である「レネックス電力合同会社」へプランを変更し月額料金を支払います。さらに発電した電気は使い放題で10年3ヶ月後には太陽光発電システム譲渡、契約期間中の故障修理費が無料で譲渡後の出力保証15年とシステム保証5年がついています。
長期保証がある
業界でも最長レベルの長期保証があるため安心です。15年のシステム保証は「パワコンの出力が50kW未満の太陽光発電を対象」とし、製造上の不具合などが発見された場合に無償で修理や部品の交換を行ってくれます。さらに他社では見かけない25年の出力保証では「初年度98%・25年経過後90%以上」を保証してくれるもので、下回った場合は無料の修理などを行ってくれます。
Qセルズを選択するデメリット
Qセルズの製品を選ぶデメリットを解説します。
倒産した過去がある
2012年に一度、倒産している事実があるため経営体制や保証などに不安を覚える人が多いかもしれません。ですが現在は韓国有数の大企業であるハンファ・グループに買収されており、人件費削減や営業力強化などの経営再建を行ったことで復活し国内の導入実績を伸ばしています。ドイツで培った確かな技術と発電効率の高さに加えて、ハンファ・グループの後押しで高品質の割に低価格という信頼性を得ているため倒産した過去を気にする必要はないでしょう。
太陽光パネルの種類が少なめ
Qセルズの公式サイトに掲載されている住宅用太陽光パネルは2023年時点で4種類です。他メーカーよりも種類が少なめな点はデメリットになるかもしれません。ただしドイツでは日々の研究が行われており種類が少ないながらも需要に合う太陽光パネルが開発されています。狭い屋根にも対応可能な「Q.PEAK DUO S-G11」「Q.PEAK DUO MS-G9」を販売しているため、屋根の大きさや形状で諦めていた人にも選択肢が広がっています。
海外メーカーで撤退の不安もある
国内メーカーではないため状況によっては日本から撤退する可能性があります。撤退することになれば保証が最後まで受けられるのかといった不安が出るでしょう。ですが現状は日本での導入実績や売上を伸ばしており、すぐに撤退する可能性は少ないといえます。
Qセルズの評判
人気の海外メーカーであるQセルズの評判をご紹介します。まずは良い評判です。
「比較的他社メーカーより安く設置できてコスパが良い」
引用元:太陽光発電メリットとデメリット
「自然災害に関する保証が10年間もあるので、安心感を得やすいです。パネルだけだと25年もの長期保証があり、国内メーカーにはない魅力だと思います。」
次は少し気になる評判です。
「国内での知名度が低いので、あまり選択の対象にはなりませんでした。」
「一度倒産したことがあるため不安」
引用元:太陽光発電メリットとデメリット
気になる点についてですが、日本への参入後は導入数と売上を着実に伸ばしてきているため以前より知名度は上がっているでしょう。さらに一度は倒産しているという過去から不安になるかもしれませんが、現在は日本全国に営業所やサービスネットワークなどがあり不安を解消してくれるインフラが整っています。
Qセルズの太陽光パネルの特徴
Qセルズの太陽光パネルの特徴は以下のとおりです。
高出力と高効率を実現する技術
Qセルズの太陽光発電にはドイツで研究開発された高効率かつ高出力を実現する最先端技術が採用されています。例えば「Q.ANTUM(クアンタム) DUO Z」という技術は「Zero-Gap(ゼロギャップ)」というセル同士の隙間を埋めて多くのセルを搭載できるため、同じ大きさのセルよりも高出力で高効率を実現しています。さらに日照量が少なくても高い発電量を確保できる「Q.ANTUM」、セルを半分にすることで発電ロスを減らす「ハーフセル技術」などもあります。
世界最高レベルの品質
Qセルズは業界初認定となる世界最高レベルの「QCPV」を取得しています。QCPVは「長期信頼性・生産モニタリング・部材試験」を評価し、一般的な規格や試験よりも厳しい評価基準を設けているのが特徴です。具体的には600回の温度サイクル試験、2000時間の高温多湿試験、専門家による現場検査やモニタリング、部材のランダムサンプリング検査など多岐にわたる検査を行います。QCPV取得は高品質な製品であることの証明です。
組み合わせ次第で臨機応変に設置可能
Qセルズの製品を組み合わせることで、狭い屋根への設置や新型の製品を設置することで同じ面積でも高効率・高出力を実現可能です。例えば限られた屋根の広さでもコンパクトで高効率な「Q.PEAK DUO S-G11」と、大きく高出力な「Q.PEAK DUO M-G11」を組み合わせることで発電効率をアップさせて設置することができます。また同じ面積でも旧型より新型のほうがコンパクトで高効率なため高出力な発電が可能です。
Qセルズの太陽光パネルのスペックや価格相場
Qセルズで扱われている最新の太陽光パネルとスペック、価格相場も含めて解説します。
最高レベルの発電力「Q.PEAK DUO M-G11」
設置できる屋根面積が広く、より多くの発電力を重視する場合は「Q.PEAK DUO M-G11」がおすすめです。Q.ANTUM DUO Zテクノロジーが採用されているモデルでモジュール変換効率が20%超えという高効率を実現し、悪天候でも効率よく発電量をアップさせるQ.ANTUMが採用されています。高出力・高効率を実現している最高レベルの効果を発揮してくれる製品を求める人に、おすすめの太陽光パネルです。
「Q.PEAK DUO M-G11」のスペックと価格
Q.PEAK DUO M-G11のスペックと価格は以下のとおりです。
最大出力 | 400W |
サイズ | 横幅1134mm × 高さ1692mm × 奥行32mm |
モジュール変換効率 | 20.6%(395W) 20.8%(400W) |
重量 | 20.9kg |
希望小売価格(税込) | 286,770円(395W) 290,400円(400W) |
さまざまな形の屋根にフィットする「Q.PEAK DUO S-G11」
コンパクトでも発電効率を最大限にアップさせたい場合は「Q.PEAK DUO S-G11」がおすすめです。コンパクトで複雑な形状の屋根でも設置しやすく、M-G11と同等のQ.ANTUM DUO Zテクノロジーなどが採用されています。フレームはハイテク合金を用いており軽量かつ高強度な設計です。これまで屋根の形状で太陽光パネルの設置を諦めていた人に、おすすめの太陽光パネルです。
「PEAK DUO S-G11」のスペックと価格
Q.PEAK DUO S-G11のスペックと価格は以下のとおりです。
最大出力 | 265W |
サイズ | 横幅766mm × 高さ1692mm × 奥行32mm |
モジュール変換効率 | 20.1%(260W) 20.4%(265W) |
重量 | 14.8kg |
希望小売価格(税込) | 191,620円(260W) 195,305円(265W) |
Qセルズの蓄電池の特徴
Qセルズの蓄電池の特徴は以下のとおりです。
ハイブリッド&トライブリッド蓄電システム
Qセルズの蓄電池は「ハイブリッド蓄電システム」が利用できます。通常は太陽光発電と蓄電池それぞれにパワーコンディショナーが必要になるため、設置機器の数が多くなりエネルギーロスが発生します。ハイブリッド蓄電システムは太陽光モジュールと蓄電池のパワーコンディショナーが1台になっており、エネルギーロスを抑えられるシステムです。また「トライブリッド蓄電システム」にも対応しており、V2Hスタンドを導入することで電気自動車への供給も可能です。これらを組み合わせることで効率よく蓄電や電力の活用ができるようになります。
状況に応じて選べる蓄電池
Qセルズで扱っている蓄電池は12.8kWhの「POWER DEPO H」という大容量のものから、5.6kWhの「SAVeR-H」コンパクトなものまで一通り揃っています。蓄電池は電気使用量やライフスタイルなどにマッチしたものを選ぶことで、初期費用を抑えて節電効果が得やすくなります。ユーザーにとって自分の環境に合った選択肢があるというのは嬉しいポイントです。
全負荷型で停電時も安心
Qセルズで扱っている蓄電池のなかには「全負荷型」に対応しているものがあります。全負荷型とは停電時に家中の家電製品に電力を素早く供給してくれるシステムです。急な災害で停電になったときに蓄電容量分を使用することができます。ただし全ての家電製品に電力を供給するため、蓄電容量が小さければ電力消費が早くなることは覚えておきましょう。全負荷型を重要視する人は容量が大きめのものか、増台できる蓄電池を選択するのがおすすめです。
Qセルズの蓄電池のスペックや価格相場
Qセルズで扱われている太陽光発電との併用がおすすめなハイブリッド蓄電池とスペック、価格相場も含めて解説します。
大容量を求めるなら「POWER DEPO H」
POWER DEPO Hは蓄電容量が「12.8kWh」という大容量の蓄電池です。パワーコンディショナーや各種機器が内蔵されている一体型のため、大きさの割に見た目はスマートです。太陽光パネルとの併用により余剰電力を蓄電池に貯めることができるため、ピーク時に蓄電した電力を使用することで節電効果が得られます。15年間無料で見守ってくれる「見守りサービス」が無料でついているため、トラブルが起きても迅速に解決しやすいのが魅力です。
「POWER DEPO H」のスペックと価格
POWER DEPO Hのスペックと価格は以下のとおりです。
型番 | PDH-6000S01 |
サイズ | 幅840mm × 高さ1,200mm × 奥行き380mm |
重量 | 約230kg |
定格容量 | 12.8kWh |
充電時間 | 約2時間 |
動作温度 | -20℃~+45℃ |
希望小売価格(税抜) | 4,180,000円 |
容量と大きさのバランスを求めるなら「EIBS7」
EIBS7は大きさと容量のバランスが取れた蓄電池です。1台で容量不足に感じる場合は増台することで「14.08kWh」になるため「POWER DEPO H」よりも蓄電容量が増えます。増台すれば停電時でも大容量の電力を安心して使用できるでしょう。一体型ではないもののカラーは白でデザインがスッキリしています。4つの「スマートモード・節エネモード・ノーマルモード・蓄電モード」があり、より最適な蓄電や売電ができます。1日2サイクルの充放電も可能なため節電効果も高いのが特徴です。
「EIBS7」のスペックと価格
POWER DEPO Hのスペックと価格は以下のとおりです。
型番 | EOF-LB70-TK |
サイズ | 幅580mm × 高さ1,070mm × 奥行き370mm |
重量 | 約130kg |
定格容量 | 7.04kWh |
充電時間 | 不明 |
動作温度 | -10℃~+45℃ |
希望小売価格(税抜) | 不明(インターネットの価格相場は「約100~200万円」) |
コンパクトさを求めるなら「SAVeR-H」
SAVeR-Hはコンパクトな蓄電池です。これまで大きさを気にして設置できなかったスペースに設置できる可能性があります。シングルバッテリータイプとダブルバッテリータイプを選ぶことができ、後者を選べば小スペースでも大容量の蓄電池導入が実現可能です。高耐食性能とアルミキャビネットが採用されているため塩害地域でも安心して設置できます。停電時でも自動で電力供給を行い、全負荷型のため家中の電力を補ってくれます。
「SAVeR-H」のスペックと価格
POWER DEPO Hのスペックと価格は以下のとおりです。
型番 | EOF-LB70-TK |
サイズ | 幅552mm × 高さ596mm × 奥行き200mm |
重量 | 約75kg |
定格容量 | 5.6kWh |
充電時間 | 不明 |
動作温度 | -25℃~+60℃ |
希望小売価格(税抜) | 不明(インターネットの価格相場は「約150万円」) |
大見出し:Qセルズの太陽光発電と蓄電池で失敗しないポイント
Qセルズの太陽光発電と蓄電池を導入に関して後悔しないためのポイントを解説します。
複数の業者から相見積もりを取る
必ず複数社から相見積もりを取りましょう。太陽光発電も蓄電池も業者によって価格がバラバラです。良心的な価格で提供してくれる場合もあれば、意図的に高額な価格で提供しているケースもあります。特に初めて導入する人は価格相場を調べていないことがあり、業者の言うとおりに購入してしまう可能性があります。ですから相見積もりを取って適正価格の業者を探しましょう。ただし価格が安ければ安いほど良いというわけではなく、口コミなどの評判も調べて総合的に判断することをおすすめします。
自身の環境に合った製品を選ぶ
現在の電気料金や電気使用量、ライフスタイルなどを把握しておきましょう。高額な太陽光発電や蓄電池を導入しても期待した効果が得られなければ意味がありません。例えば電気使用量が少ないのに大容量の蓄電池を購入しても、導入費用の回収に時間がかかってしまいます。さらに設置できるスペースがあるのかを調べることも大切です。場合によっては設置できない場合もあるため、適切な太陽光発電や蓄電池を選びましょう。
太陽光パネルが設置できる屋根か調べる
屋根の形状によっては設置できない可能性があるため事前に確認が必要です。屋根の形状が複雑で面積が少ない場合は、コンパクトな製品を選択することで設置できる可能性が高くなります。また設置する屋根の角度が緩勾配または急勾配の場合は、専用の設置工事が必要になり初期費用が高くなることがあるので設置できるかも含めて事前に確認しておくのがベストです。
補助金を活用する
高額な太陽光発電や蓄電池を導入する際は、金銭的負担を減らすために補助金を活用しましょう。補助金は国や地方自治体によって金額や条件などが異なります。どんな補助金があるのか自分で調べておくことや、補助金について理解のある業者を探すことが大切です。補助金の申請は業者が代行をしてくれることが多いため、事前に確認して依頼するほうがいいでしょう。
Qセルズがおすすめな人
Qセルズがおすすめできる人を解説します。
コスパを重視する人
コスパを重視するなら候補に入れても良いでしょう。Qセルズの太陽光パネルは低価格な割に高品質な製品であり、業界最長レベルの保証なども含めて国産メーカーよりもコスパがいいといえます。知名度の低さや過去の倒産が不安に思うかもしれませんが、着実に導入実績を伸ばしています。コスパを第一に考える人にとってQセルズは最良の選択肢の一つかもしれません。
日照量が少ない地域の人
雨や雲が多く日照量が少ない地域に住んでいるならおすすめです。Qセルズの製品はドイツという日照量が少ない地域で研究開発されてきたため、少ない太陽光エネルギーを最大限に活かせる技術が詰まっています。天気が悪くても効率よく発電したいと思うのであれば、Qセルズを候補に入れても損はないでしょう。
まとめ
Qセルズはドイツで生まれた太陽光発電メーカーであり、日照量が少なくても効率よく発電できる技術が特徴です。高品質ながらも国産メーカーより安く業界最長レベルの保証がつくなどコスパの良い製品を販売しています。また初期費用が0円になるプランもあり、ユーザーにとっては嬉しいポイントです。
一時期はシェア世界一になるものの倒産した過去があるため不安に思うかもしれません。ですが韓国の大企業であるハンファ・グループによって経営再建され、今では世界や日本で着実に実績を伸ばしています。
低価格ながらも高品質を求める人や日照量が少なくても効率よく発電したい人は、ぜひQセルズを候補に入れてみてください。
新日本エネックスでもQセルズを取り扱っており、多くの施工実績がございます!