停電したらどうする?知っておくべき対処法と事前対策まとめ!
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・停電の際は、まず部屋ごとの停電か家全体かを確認する ・自宅のみの停電は、アンペアブレーカーの切れが原因かも ・周囲も停電なら電力会社の設備故障が原因の可能性あり ・ブレーカーが切れていないのに停電なら、電力会社へ連絡を
▼ 目次
「停電したときは、どんな対応をすればいいの?」「停電に備えて準備できることはあるのか知りたい」といった疑問を持っているのではないでしょうか。
停電は予期せぬタイミングで起きたり、いつまで続くのかわからなかったりします。そのため停電時や事前にできる対策を知っておくこと、実践することが大切です。
今回の記事では、停電時に確認することから知っておくべき対策、事前に備えておくべき対策を解説しています。本記事を読めば停電時や事前にすべきことがわかるため、突然の停電でも焦らず対処できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
停電になったら初めに確認したいこと
停電時には初めに確認しておきたいことがあります。それぞれの状況を確認しておけば、停電後に適切な対処ができるようになるでしょう。
一部の部屋のみ停電しているか
停電は家全体ではなく、一部の部屋のみ起こる場合があります。一部の部屋のみ停電する主な理由は「電気の使い過ぎ」か「部分的な配線の不具合」です。
分電盤で管理されている部屋で電気を使いすぎると、その部屋のブレーカーだけが切れる可能性があります。ブレーカーが原因ではない場合は、電柱から家につながっている配線の一部が切れているなどの不具合も考えられるでしょう。
自分の家だけ停電しているか
まずは自宅だけ停電しているのかを確認してください。停電といっても、一概に周りの家も同時に停電するとは限らないからです。
自宅だけ停電している主な原因は、家中の電気を使いすぎている可能性があることです。契約しているアンペア数を超えてしまうと、それ以上の電気が使えないように自動でブレーカーが切れて停電になります。
周りの家も停電しているか
一部または自宅のみが停電しているわけではなく、周辺一帯も停電している可能性もあります。周辺一帯も停電してる場合は、自宅だけが原因ではないと判断できるでしょう。
主な原因としては、落雷・地震・台風・大雪などの天災による電力会社の設備の故障が考えられます。また車両事故による電柱の破損や電線の断線も原因の1つです。
なお周りの家も停電している場合は、復旧に関する直接的な対処法はありません。
停電時の対処法を知る前に理解すべきブレーカーの種類
停電時の対処法を知る前にブレーカーの種類と役割を理解しておきましょう。それぞれブレーカーの種類と役割を理解しておけば、適切かつスムーズに対処できるようになります。ぜひ覚えておいてください。
家全体の電気を管理するアンペアブレーカー
アンペアブレーカーとは家全体の電気を管理するブレーカーです。自宅だけが停電している場合は、アンペアブレーカーが切れている可能性が高いといえるでしょう。一般的にアンペアブレーカーは分電盤の左端にあります。
契約しているアンペア数が記載されているため、どれがアンペアブレーカーなのか判断しやすいでしょう。なおアンペアブレーカーは、電力会社によっては「サービスブレーカー」と呼ばれることもあります。
機器やコンセントごとに管理する安全ブレーカー
安全ブレーカーとは、部屋・コンセント・機器などの回路につけられているブレーカーです。一部の部屋だけ停電している場合は、安全ブレーカーのなかで問題のあるブレーカーが切れている可能性が高いといえます。
安全ブレーカーは主に分電盤の右側にあり、それぞれの部屋・コンセント・機器などに応じたブレーカーが複数並んでいます。
安全ブレーカーは、それぞれの部屋・コンセント・機器などが記載されていることが多いため、原因の特定がしやすいでしょう。なお、まれに機器の故障によって電気配線がショートすることでも、安全ブレーカーが切れる可能性もあります。
漏電を確認できる漏電ブレーカー
漏電ブレーカーとは、家のなかで「漏電」が起きている際に検知してくれるブレーカーです。漏電とは、電気が漏れている危険な状態のことを指します。主な原因は家電製品のコードの劣化や、ネズミなどによってコードがかじられる獣害などです。
漏電ブレーカーがある位置は、一般的に分電盤の中央部分です。
漏電している部分は電気が漏れている状態なので、触ってしまうと感電してしまう可能性があります。また漏電によって近くの可燃物に引火して、火災を起こしてしまうことも考えられるでしょう。人的・物的被害の防止に必須といえるのが漏電ブレーカーです。
【パターン別】停電時に知っておくべき対処法
停電には主に5つのパターンがあります。それぞれの対処法を知っておけば、実際に停電が起きたときでも慌てることなく対処できるでしょう。ぜひ学んでみてください。
一部の部屋だけ:原因である電化製品の電源プラグを抜く
一部の部屋だけ停電していることがわかったら、まずは分電盤を確認しましょう。安全ブレーカーが切れていれば、どの部屋や機器に対応しているのかを把握します。
その後、原因となる家電製品の電源プラグを抜いてください。安全ブレーカーが切れる原因の多くは、割り振られた回路で許容されている電力量を超えているからです。
そのため特定した部屋や家電製品の電源プラグを抜いて、電力量を抑えなければいけません。電源プラグを抜いたあとに、安全ブレーカーを上げれば解決するでしょう。
自分の家だけ:消費電力の多い家電製品の電源プラグを抜く
自宅だけ停電していることがわかった場合も、分電盤を確認しましょう。アンペアブレーカーが切れていれば、消費電力が多い家電製品の電源プラグを抜いてください。
消費電力の多い家電製品には「エアコン・IHクッキングヒーター・ドライヤー・電子レンジ・電気ストーブ・テレビ」などが挙げられます。アンペアブレーカーが切れる原因は、家中の電力量が契約しているアンペア数を超えたときです。
思い当たる家電製品の電源プラグを抜いたら、アンペアブレーカーを上げれば停電が解消されるでしょう。頻繁にアンペアブレーカーが落ちる場合は、契約アンペア数を見直して増やすことも検討してみてください。
周りの家ごと:家電製品の電源プラグを抜いてブレーカーを切る
自宅だけではなく周辺の家も停電している場合は、家電製品の電源プラグを抜いてブレーカーを切ったままにしておいてください。
理由は2つあります。1つは熱を扱うアイロンやヒーターなどの家電製品は、停電が復旧した際に火災や火傷などの事故を防ぐためです。2つ目は停電が復活した際に、家電製品に多くの負担がかかってしまい故障することを避けるためでもあります。
電源を抜いたあとは、スマホなどで電力会社のホームページを確認したり電話で問い合わせたりして原因を確認しましょう。周辺一帯も停電してしまう主な原因は電力会社側にあります。
落雷や台風などの天災により電力会社の設備の故障、電力需要を調整するための計画停電などが要因です。自分たちでできることは電源プラグを抜いて停電復帰後の事故を防ぐことくらいなので、情報を確認しながら普及を待ちましょう。
どのブレーカーも切れていない:ブレーカーを切って電力会社へ連絡
すべてのブレーカーが切れていないにも関わらず停電している場合は、ブレーカーを切って電力会社へ連絡しましょう。
ブレーカーが切れていないということは、自宅の電気の使い過ぎが原因ではない可能性が高いといえます。例えば、天災や事故などにより電柱から自宅への配線が断線していたり、自宅の電気系統の設備が故障していたりすることが主な原因です。
また電力会社による計画停電の可能性もあります。ブレーカーがきれていないのに停電になっている際は普段とは違う異常事態なので、必ず電力会社へ連絡して対処してもらいましょう。
漏電ブレーカーが切れている:漏電箇所を把握して電力会社へ連絡
停電後に分電盤を確認して漏電ブレーカーが切れている場合は、漏電箇所を特定して電力会社へ連絡してください。
漏電は感電や火災などの危険性があるため、自分たちで解決しないようにしましょう。漏電箇所を特定するには、次の順番で確認してみてください。
- すべてのブレーカーを「切」にする
- アンペア&漏電ブレーカーを「入」にする
- 安全ブレーカーを1つずつ「入」にしていく
- 漏電ブレーカーが「切」になったら問題の箇所
- 問題の安全ブレーカーを「切」にする
- 漏電ブレーカーを「入」にすれば問題の箇所以外は電気が復旧する
※参考:東京電力パワーグリッド
念のため問題の箇所が見つかったら、その部分の安全ブレーカーを切ったまま家電製品の電源プラグを抜いておきましょう。ほかの安全ブレーカーは、漏電していない限りは使用することが可能です。
漏電の原因が家電製品やコードにあれば買い替えることで解決します。しかし、家の配線やブレーカーなどの電気系統の設備が原因の場合は、専門家に連絡して対応してもらわなければいけません。
停電に備えて行うべき事前対策
停電に備えて行っておくべき事前対策は主に9つあります。それぞれの事前対策を実践しておけば、停電に備えることができるでしょう。
家電製品の電源コードやプラグを確認する
漏電による停電を事前に防ぐためには、家電製品の電源コードやプラグを日頃から確認しておきましょう。
例えばペットを飼っていて家電製品のコードがかじられてしまい、絶縁部分が剥がれて配線がむき出しになってしまうと漏電する可能性があります。そのほか人や物によって踏まれたり、はさまれたりすることで、コードが傷ついて劣化する恐れもあるでしょう。
またキッチンなどの水回りではプラグ部分に注意が必要です。電気ポットのようにコンセントにコードが差してある状態で、先端のプラグがマグネット式のプラグが水で濡れている金属などに触れれば漏電する可能性もあります。
電源コードの確認やプラグの扱い方を意識するだけでも、漏電による停電を防ぐことができるでしょう。
懐中電灯を常備する
突然の停電時でも明かりを確保するために、必ず部屋に懐中電灯を常備させておきましょう。停電は、ほとんどの場合に予期せぬタイミングで起こります。
特に夕方以降で暗くなる時間帯に停電が起った際に、明かりがなければ暗闇のなかを手探りで移動しなければいけません。自宅であっても暗闇のなかを階段を降りたり、物を探したりするのはリスクがあります。
特に時間帯に地震が起きた際は、物が散乱している可能性があるため非常に危険です。そのため必ず生活している部屋には懐中電灯を常備させておき、暗がりでも明かりを確保できるようしておきましょう。
懐中電灯を置く場所は目につきやすい、または取りやすい場所に置いておくのがベストです。
長期間の停電に備えて水や非常食を用意する
停電時は状況によって復旧時間が異なるため、長時間の停電に備えて水や非常食を用意しておいてください。停電が災害によるものであれば、いつ電気が復旧するのか予測が難しい場合があります。
災害時に電気はガスや水道といったライフラインのなかでは、一番早く復旧するといわれています。例えば東日本大震災のときは電気が6日、水道が30日、ガスが55日でした。このように復旧は早いほうとはいえ、大規模な災害では1週間ほど復旧までに時間を要しています。
そのため1週間ほどの水や非常食があれば安心といえるでしょう。これだけの水と食料を用意するのが困難な場合は、最低でも3日ほどの水と非常食を準備しておいてください。軽微な災害であれば、一般的に3日もあれば多くのエリアで電気が復旧するといわれています。
停電時に役立つグッズを買っておく
停電時に役立つグッズを購入しておくことも対策として有効です。停電時に用意しておきたいグッズをいくつか紹介します。
真っ先に用意しておくべきはモバイルバッテリーです。停電時はすべての家電製品が使用できなくなるため、連絡や情報源の取得ができるのは、スマートフォンやノートパソコンなどバッテリーで動くものに限定されます。
そのためモバイルバッテリーは停電時の必需品といえるでしょう。モバイルバッテリーのなかにはソーラー充電ができたり、LEDライトがついていたりするものがあります。予算に余裕があれば多機能なモバイルバッテリーを用意しておくと安心です。
ほかにも充電式の人感センサーライトや、多機能な防災ラジオ、懐中電灯、ローソクなどがあります。防災グッズはたくさんあるため、必要だと思うものをピックアップして準備しておきましょう。
電力会社の連絡先をスマートフォンに登録しておく
電力会社の連絡先をスマートフォンに登録しておくと、停電時に素早く連絡できます。自分では対処できない停電が起きた場合は、電源が必要なデスクトップパソコンで電力会社の連絡先を調べられません。
スマートフォンに電力会社の連絡先を登録しておけば、検索することなくスムーズに連絡が行なえます。停電時はスマートフォンのバッテリー消費を減らすためにも、事前に登録しておくと良いでしょう。
節電意識を持って生活する
普段から節電意識を持って生活していれば、電気の使い過ぎによる停電を減らすことができます。例えば夕方以降に家族が集まりやすい時間帯は、なるべく1つの部屋で過ごすようにすれば消費電力を抑えられるでしょう。
また早寝早起きすることで夜間の電力使用量が抑えられるため、電気を使い過ぎる可能性も少なくなります。節電意識を持つことで電気の使い過ぎによる停電を抑えられるだけではなく、電気代の削減にも期待できるでしょう。
このように節電意識を持って生活することは、一石二鳥なので実践してみてください。
契約アンペア数を上げる
意識してもアンペアブレーカーが頻繁に切れるのであれば、契約アンペア数を上げてみましょう。普段から電気の使い過ぎを意識していても、ふとした瞬間に契約アンペア数を超えてしまう可能性はあります。
また、そもそもの契約アンペア数が低すぎるという問題も考えられるでしょう。アンペア数を低くすれば電気代は安くなりますが、その分はアンペアブレーカーが切れやすくなります。価格と利便性を天秤にかけて、自宅にとってどちらが良いのかを検討してみてください。
停電時でも安心!太陽光発電や蓄電池を導入しよう
停電の事前対策に加えて停電中でも安心できるのは、太陽光発電や蓄電池を導入することです。太陽光発電と蓄電池のメリット・デメリットを解説するので、ぜひ導入を検討してみてください。
太陽光発電のメリット・デメリット
停電時における太陽光発電のメリットは、太陽光により生み出した電気を利用できることです。太陽光発電には停電時に発電した電気が使えるように、自立運転機能が備わっています。
デメリットは夜には発電できないこと、自立運転用のコンセントは100V・1500Wまでしか電気が使えないことです。太陽光発電なので夜は発電できないのは仕方ありません。また使用できる家電製品の数や種類が限られるのは、少し不安な点といえるでしょう。
しかし、日中だけでも電気が使用できるのは安心できます。そして、これらのデメリットを解消する方法は蓄電池を導入することです。
蓄電池のメリット・デメリット
停電時における蓄電池のメリットは、太陽光発電の電気を溜めておくことで、夜でも家電製品を使用できることです。また全負荷型・200V対応の蓄電池であれば、家中の家電製品が使えます。
デメリットは電気を生み出せないこと、初期費用が高額になることです。蓄電池単体では電気は生み出せないため、太陽光発電との併用が必須といえます。また太陽光発電と導入すれば初期費用が高額になりがちです。
しかし停電時において太陽光発電と蓄電池の併用ほど、安心できる設備はないといえるでしょう。また補助金を活用すれば初期費用を抑えて導入できるため、検討する価値は十分といえます。
まとめ
停電は事前にできる対策と停電時に行うべき対処法を知っておくことで、慌てることなく適切な対処を行えるようになるでしょう。
停電は自分の家だけなのか、周辺一帯で起こっているのかで対処法が異なります。状況によっては危険を伴う可能性があるため、それぞれに合った対処法を実践することが大切です。
停電に備えて行うべき事前対策も意識しておくと、より安心といえるでしょう。特に太陽光発電と蓄電池の導入は停電対策として効果的です。停電は予期せぬタイミングで起こるため、当記事を参考に事前知識の蓄えと準備をしておくことをおすすめします。