灯油ボイラーの買い替え費用の相場は?工事の流れや注意点まで解説
この記事の要約はこちら
・灯油ボイラーの買い替え費用は15万〜30万円程度が目安です。
・交換のタイミングは寿命や頻繁な故障、環境配慮の時期です。
・業者選びは給湯器専門の業者がおすすめで、複数見積もりを比較します。
・工事の流れは見積もり→スケジュール調整→工事→点検→支払いです。
▼ 目次
「灯油ボイラーを買い替えたいけど、費用の相場ってどれくらいだろ?」
灯油ボイラー(石油給湯器)の調子が悪く、そろそろ買い替えようと思っている方は、どれくらいの費用が必要になるか不安に思っているでしょう。
そこで本記事では、
- 灯油ボイラーを買い替える費用の目安
- 買い替えるべきタイミング
- 業者の選び方
- 買い替えるときの工事の内容や流れ
- 買い替えるときの注意点
上記のようなことを解説します。
この記事を読めば、「灯油ボイラーを買い替えるときに何をすればいいか?」が全て理解でき、ご家庭に最適な給湯器を買い替えるコツも紹介するので、ぜひご一読ください。
灯油ボイラーの買い替え費用は?
では、さっそく灯油ボイラーを買い替える時の費用の目安について紹介します。
灯油ボイラーを買い替える際の費用は、本体費用と工事費用の2つから出されますが、このうち費用の大半を占めるのは本体費用です。
そして、灯油ボイラーの本体費用は、給湯方式や機能によって価格が大きく変わります。
まず、給湯方式には、水道直圧式・貯湯式の2つがあり、直圧式の方が値段は高くなる傾向があります。
- 水道直圧式…水道の圧力を利用し、お湯を使うときに瞬間的に沸かす給湯方式
- 貯湯方式…ボイラー内の貯湯タンクに貯めておいたお湯を使用する給湯方式
また、機能としては、フルオートタイプ・オートタイプ・給湯専用の3つの種類があり、それぞれ以下のように機能の差があります。
- 給湯専用…蛇口からお湯を供給するだけのシンプルな機能
- オート…ボタン1つで浴槽にお湯を貯め、保温、追い焚きまで自動でする機能
- フルオート…オートの機能に、さらに足し湯まで自動でする機能
では、上記を踏まえた上で、灯油ボイラーの本体価格の費用の目安は下記表のようになります。
直圧式 | 貯湯式 | |
給湯専用 | 20万円〜22万円 | 12万円〜16万円 |
オート | 22万円〜24万円 | 19万円〜22万円 |
フルート | 24万円〜30万円 | 21万円〜23万円 |
この本体費用に、施工業者への工事費用が3万円から5万円ほど必要になります。
つまり、灯油ボイラーを買い替えるときには、最低で15万円〜、高くとも30万円〜ほどを目安にしておくようにしましょう。
ただし、この金額は同じタイプの灯油ボイラーに買い替えた場合の話であり、今使用しているタイプと異なるものに変更する際は、浴槽に穴を開けたり、配管を新しくするなど別途工事費がかかる可能性があるので注意しましょう。
灯油ボイラーを買い替えるタイミング
灯油ボイラーを買い替えるタイミングについて解説します。
主なタイミングは、以下の通りです。
- 灯油ボイラーの寿命が近いとき
- 不具合・故障が頻発するとき
- 環境へ配慮したいとき
灯油ボイラーの寿命が近いとき
灯油ボイラーの寿命は一般的に、8年から10年程度だとされています。
この寿命は、8年〜10年の間、全く性能が変わらずに使用できるわけではありません。
寿命が近づくにつれて、修理が必要な不具合が多発したり、給湯効率が低下してくる可能性があります。
そのため、「まだまだ修理すれば使える。」と思っていても、早めに買い替えを行った場合の方が結果的に金銭的に得をするケースもあるので、長年使用しているのであれば買い替えを検討してみてもいいでしょう。
不具合・故障が頻発するとき
灯油ボイラーの不具合や故障が頻発しているときも、買い替えを考えるタイミングです。
ちょっとした故障で修理費用があまりかからない場合でも、それが何度も重なるとコストも大きくなり、また灯油ボイラーを使用できない時間が増えてストレスになる可能性があります。
「最近、ボイラーの調子が悪い日が増えたな…。」と思うようになったら、早めに買い替えるといいかもしれません。
特に、以下のような不具合の症状が出る場合は要注意です。
- お湯の温度が安定しない
- 給湯器から黒い煙が出ている
- 給湯器から燃料が漏れ出している
- リモコンのエラーコードが頻発する
- 運転音がうるさくなった
- 運転時に異臭がする(点火時、消火時を除く)
環境に配慮したいとき
最新の灯油ボイラーは、古いタイプに比べてエネルギー効率が高くなり、同じ使用頻度で合っても少ない燃料でお湯を沸かすことができます。
使う燃料が少なくなれば、当然環境に与える負荷も少なくなるため、環境に配慮したエコな生活をしている場合は、灯油ボイラーを買い替えるべきでしょう。
また、使用する燃料が減ることで、燃料代を削減できて家計に余裕ができる可能性があります。
灯油ボイラーを買い替える時の業者の選び方
灯油ボイラーを買い替えるときに、主な依頼先は以下のようなものがあります。
- ホームセンター
- 給湯器メーカー
- 家電量販店
- 給湯器事業者
上記のうち、もっともオススメできるのが給湯器事業者です。
給湯器事業者であれば、専門的な技術力からの信頼性、豊富な施工実績から最適な提案を出せる経験など、多くのメリットがあります。
とはいえ、給湯器事業者と一口に言っても、技術力や実績に差異があるため注意しなければいけません。
ですから、灯油ボイラーを買い替えるときは、複数の給湯器事業者から見積もりを出してもらい、それぞれを比較しながら慎重に検討するようにしましょう。
見積もりが複数あることで、他方の施工業者と価格交渉する際にも有利になります。
また、施工業者によっては業者独自の保証を用意してある場合があるので、しっかりとチェックしましょう。
灯油ボイラーを買い替える時の工事の流れ
灯油ボイラーを買い替える時の工事の流れについて解説します。
- 見積もり
まずは、複数の業者から見積もりを取り、提案された内容を比較しましょう。
価格だけでなく、給湯器のタイプや種類が自身の家庭に合っているか、また保証内容についてもしっかりと検討してください。 - 工事のスケジュール調整
見積もりに納得できたら、業者と工事のスケジュールを調整します。
事前に候補日をいくつか決めておくことで、調整がスムーズに進みやすいでしょう。 - 工事開始
古いボイラーを撤去し、新しいボイラーを設置します。
必要に応じて、配管や配線の追加、または既存の配管や配線の調整が必要になる場合があります。 - 試運転及び点検
新しいボイラーが問題なく運転するか、動作テストや点検を実施し、問題がないことを確認します。 - 説明と支払い
業者から新しい灯油ボイラーの使い方や注意事項などについて説明を受けます。
そして最後に、料金の支払いをして終わりです。
上記が一般的な工事の流れですが、場合によっては工事の前に既存の配管や配線の更新が必要になる可能性があります。
給湯専用タイプの灯油ボイラーであれば、2〜3時間程度で工事が完了し、多機能タイプの場合は5〜6時間程度の作業時間になるので注意しましょう。
灯油ボイラーを買い替えるときの注意点
灯油ボイラーを買い替えるときの注意点について解説します。
主な注意点は以下の通りです。
- 給湯タイプを選ぶ
- 家庭に合わせた給湯能力にする
- 灯油ボイラー以外の給湯器も選択肢に入れる
給湯タイプを選ぶ
灯油ボイラーの給湯タイプには、主に以下の3つがあり、それぞれ機能が違います。
- 給湯専用タイプ…蛇口をひねってお湯を出すのみ
- オートタイプ…湯はり、追い焚き、保温を自動で行う
- フルオートタイプ…湯はり、追い焚き、保温、足し湯、配管の自動洗浄を行う
上記のように、灯油ボイラーはタイプによって機能が様々です。
機能が豊富であればあるほど、値段も上がる傾向にあるので、ご家庭のライフスタイルによって選びましょう。
家庭に合わせた給湯能力にする
灯油ボイラーには、給湯能力というものがあり、これは「一度にどれだけの量のお湯を作れるか」というものです。
給湯能力が低いと、1人がお風呂でシャワーを浴びているときに、台所で洗い物をするときにお湯があまり出なくなってしまう、といったことが予想されます。
ですから、1〜2人暮らしであれば、同時に多量のお湯を使うことが少ないため、あまり給湯能力を気にする必要はありませんが、4〜5人家族ほどになってくると同時にお湯を使うシーンが増えるので給湯能力を増やした方がいいでしょう。
ちなみに、灯油ボイラーの給湯能力は、「kcal(キロカロリー)」という単位で表されます。
灯油ボイラー以外の給湯器も選択肢に入れる
灯油ボイラーを買い替える際には、他の給湯器も選択肢に入れるようにしましょう。
最近では、ガス給湯器や電気温水器、エコキュートなどの高効率な給湯器が多く、燃料コストの高い灯油ボイラーよりも、ランニングコストが安くなる可能性があります。
また、他の給湯器は石油給湯器に比べて多機能なものが多く、生活スタイルや使用状況に応じて、選択肢を広げることができるでしょう。
エネルギー効率の向上:石油給湯器は従来型のタイプではありますが、最近ではガス給湯器や電気温水器などの高効率な給湯器もあります。そのため、エネルギー効率を重視する場合には、他の給湯器を選択肢に入れることができます。
コスト面でのメリット:石油給湯器の場合、燃料コストが高いことがあるため、他の給湯器を選択することで、ランニングコストを抑えることができます。
そのため、他の給湯器も選択肢に入れることで、よりご家庭に合った給湯器を選ぶことができるのです。
ただし、設置場所や使用状況など、様々な条件を考慮して、選択することが重要なので注意しましょう。
灯油ボイラー以外の給湯器の種類
灯油ボイラーの買い替えを検討している方には、ぜひ他の給湯器も選択肢に入れて欲しいので、どのような給湯器が主に使われているのかを紹介します。
主な給湯器は以下の通りです。
- ガス給湯器
- エネファーム
- 電気温水器、エコキュート
ガス給湯器
都市ガスやプロパンガスを燃焼してお湯を沸かすガス給湯器は、日本の家庭の80%以上で使用されています。
瞬間湯沸かし器や省エネタイプのエコジョーズなど、キッチン用から高効率なものまで種類が豊富です。
メリットとして、ガス給湯器は比較的低価格で導入できます。
また、取り付けや交換費用もそれほど高額ではないため、予算を抑えたい人にはおすすめです。
燃料制御が簡単で故障が少なく、エコジョーズを選択すれば省エネで高効率なので、旧型のガス給湯器よりもガス料金を節約することができます。
一方、気になる点としては運転音が大きいため、隣家との距離が近いと騒音問題に発展する可能性があるということです。
そのため、設置場所には隣家との距離を考慮する必要があります。
また、導入費用は比較的安価ですが、ガスのランニングコストが高いため、今後導入を検討している人にはエコジョーズの選択をおすすめします。
また、使用量に合わせた製品の選択や、冬場には配管の凍結対策が必要になることなど、注意すべき点もあるので気をつけましょう。
エネファーム
エネファームは、通常のガス給湯器に燃料電池を組み合わせた給湯器です。
仕組みは、ガスから水素を取り出して酸素と反応させ、熱と電気を発生させます。
そのため、エネファームを使用すると発電が可能で、自家消費に利用できるのが特徴です。
メリットとしては、発電した電気をそのまま使用できるため、高効率な電気が利用でき、停電時でもガスさえ止まらなければ発電が可能で、非常時にも役立ちます。
また、お湯を貯めておける貯湯タンクが付いているため、災害時や断水時にも水やお湯を使用できることもメリットの一つです。
一方、デメリットとしては、ガスをメインに使用するためガス料金が高くなることがあり、特に都市ガスではなくプロパンガスを使用する場合は注意しましょう。
また、導入費用が高くなることや、お湯の使用量が少ない場合には発電効率が下がることがあります。
とはいえ、毎日お湯を沸かす家庭であれば、ガス料金を抑えつつ発電した電気を自家消費に回せるため、光熱費を節約できる可能性があります。
また、ガス会社によってはエネファームの導入でお得になるガス料金プランがあったり、補助金が出る場合もあるので調べてみるといいでしょう。
電気温水器、エコキュート
電気温水器には、電熱ヒーターとヒートポンプ式の2つの給湯器があります。
電気温水器は、金属に電気を流して発熱させる電熱ヒーターを使用して熱を生み出し、エコキュートは空気中の熱を利用したヒートポンプ式です。
お湯は貯湯タンクに貯めることができます。
最近では、より省エネなエコキュートの需要が増加してるため、ここではエコキュートについてメリットやデメリットを説明します。
エコキュートのメリットは、従来の電気温水器よりも省エネ性能が高く、太陽光発電との併用で電気代を大幅に削減できることです。
フルオートタイプでは、自動でお湯はり・保温・追い焚き・足し湯、さらに、お風呂の栓を抜くだけで配管を自動的に掃除する機能や、AIやセンサーによるお湯の有効活用ができる機能など、様々な便利機能があります。
また、停電時でも貯湯タンク内の水やお湯を非常用水として利用できます。
そして、エコキュートのデメリットは、従来の電気温水器よりも導入費用が高額であることです。
ヒートポンプや貯湯タンクを置くスペースが必要になるため、ある程度の設置スペースも必要になります。
また、水圧が低くなってしまうタイプやお湯が切れる可能性があるタイプもあり、お湯が切れた場合は必要に応じて昼間に沸かすと電気代が高くなってしまいます。
ただし、太陽光発電を活用すれば、昼間でもお得に利用できるでしょう。
最近では、エコキュートの省エネ性能の高さから、国や自治体から補助金が出ているケースが多いため、気になる方はチェックしましょう。
灯油ボイラーよりもエコキュートがオススメ!
灯油ボイラーを買い替える費用は、タイプや給湯能力などによって異なりますが、工事費用を含めて15万円〜ほどを目安にしておきましょう。
また、買い替えの依頼先としては、専門的な知識を持っている給湯器事業者を選び、複数の見積もりを比較検討して、自身のご家庭に最適な提案を選ぶのが最善です。
ただ、最近では省エネ性能が高く、高効率なエコキュートが注目を集めており、灯油ボイラーよりもランニングコストが安く、光熱費を大幅に削減できる可能性があります。
エコキュートのデメリットである初期費用の高さも、国や地方自治体から支給される補助金でカバーできるので、これから給湯器を買い替えようとしている方は、ぜひエコキュートも選択肢に入れてみましょう。
ご家庭にエコキュートを導入すると、どれくらいの節約になるか気になる方は、ぜひ新日本エネックスにご相談ください。