エコキュートのメンテナンス方法9つを紹介【参考動画付き】
この記事の要約はこちら
・エコキュートの定期メンテナンスは必須で、10年以内に故障の可能性もある ・自分でできるメンテナンス方法を紹介し、故障防止に役立つ。 ・メンテナンスを怠ると効率低下や高額な修理費用につながる可能性がある ・半年ごとに点検し、定期的な手入れで長寿命を確保。
▼ 目次
「エコキュートを購入したけど、普段から自分でメンテナンスをした方がいいのかな?」
上記のような悩みをお持ちではありませんか?
エコキュートの寿命は10年〜15年とされていますが、定期的なメンテナンスをしなければ10年も経たないうちに故障して、新しく交換する事になる可能性が高いです。
ですが、具体的にどのような作業をすればいいか分からずにお困りだと思います。
そこで本記事では、
- エコキュートのメンテナンスが必須である理由
- 自分でできるメンテナンス方法(参考動画付き)
- メンテナンスを怠るとどうなるのか?
- 業者による定期メンテナンスは必要なのか?
上記のようなことを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、また日頃からできる簡単なセルフメンテナンス方法を理解でき、エコキュートの急な故障を防げるようになるので、ぜひ参考にしてください。
エコキュートのメンテナンスの必要性
エコキュートで使用する水道水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分、水を消毒するための塩素(カルキ)、そして浄水過程で使用されるアルミニウムなどが入っています。
それらの不純物やお湯を循環する過程で人の皮脂などが原因で、エコキュートのタンク内に汚れが付着し、またフィルターの目詰まりなどが起きるのです。
ですから、エコキュートのメンテナンスを定期的に行わなければ、貯湯タンクや配管が劣化し、さらにはお湯を沸かす効率の低下や故障を招くでしょう。
エコキュートの寿命は10年〜15年とされていますが、これは取扱説明書に記載されている通りにメンテナンスを行った場合の寿命であり、メンテナンスを怠ると10年以下で不具合が起きるかもしれません。
そのため、エコキュートの定期的なメンテナンスは必須であり、半年に一回程度を目安にメンテナンスを行うようにしましょう。
エコキュートの仕組みを分かりやすく解説
引用:エコキュートとは?仕組みやガスとの違いを分かりやすく解説|evdays
エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンクユニット」の2つで構成されています。
仕組みを簡単に解説すると、空気中に存在する熱をヒートポンプユニットが取り込んで大きな熱エネルギーへを生み出し、その熱エネルギーで貯湯タンク内に給水している水を温め、お湯にして貯めておくことで台所やお風呂などで使用できるわけです。
エコキュートが水をお湯に変換する過程を分かりやすく解説しましょう。
- 空気中の熱(CO₂)をヒートポンプ内の「冷媒(熱を移動させる熱媒体)」へ取り込む
- 冷媒は「熱交換器(空気側)」を通じて「コンプレッサー(圧縮機)」で圧縮される
- 圧縮された冷媒は、さらに高温・高圧になる
- 高温・高圧化した冷媒を「熱交換器(水加熱側)」で水に伝えてお湯を沸かす
- 熱交換器で熱を失った冷媒は膨張弁に移動することで低温・低圧に戻る
- 沸かしたお湯は設定温度になるよう水を加えて調整する
エコキュートで使用されるヒートポンプ技術は、エアコンの室外機や冷蔵庫、洗濯乾燥機などの身近な家電でも使用されているものです。
エコキュートの仕組みについて、さらに詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。
エコキュートのメンテナンス方法9つ【今すぐ自分でできる】
では、日頃から自分でできるエコキュートのメンテナンス方法を解説していきます。
複雑で分かりにくいものについては、参考動画も併せて紹介するので参考にしてください。
- 貯湯タンクの水抜き
- 風呂配管の清掃
- 浴槽フィルターの清掃
- 給水口ストレーナーの清掃
- 漏電遮断器の点検
- 逃し弁の点検
- 配管接続部の点検
- ヒートポンプユニットのエア(空気)抜き
- 凍結防止ヒーターの動作確認
貯湯タンクの水抜き
エコキュートのメンテナンスで最も重要なのが、貯湯タンクの水抜きです
貯湯タンクの水抜きを怠ると、タンク内に不純物が堆積し不具合の原因になってしまうので、汚れを排出するためにも定期的な水抜きが必要になります。
手順が少し多いので、これから解説する方法でわかりにくいときは上の動画を参考に作業を進めましょう。
- カバーを外し、漏電遮断器の電源を「OFF」にする
- 給水専用止水栓を閉じる
- 逃し弁操作カバーを外し、逃し弁のレバーを上げる
- 排水栓を開く
- 1〜2分ほど排水し、排水に汚れが確認できないようになったら排水栓を閉じる
- 給水止栓を開け、タンク内に水を貯める
- 逃し弁レバーを元に戻し、漏電遮断器を「ON」にする
以上の手順で貯湯タンクの水抜きが完了ですが、以下の注意点を必ず守るようにしてください。
- 排水時は熱湯が出る可能性があるため、お湯に触らないようにする
- 感電の原因になるため、漏電遮断器を濡れた手で触らない
メンテナンスの頻度としては、年に2回程度を目安として行うようにしましょう。
風呂配管の清掃
エコキュートの追い焚き機能でお湯を循環させるときなどに、皮脂や湯垢が配管へと入り込んでしまいます。
普段から浴槽の掃除をしっかりしていても、配管の内部までは洗えないため、定期的な風呂配管の清掃を行わなければいけません。
清掃の手順はエコキュートのメーカーによって少し変わるため、ここではコロナ製品を例に解説します。
- 浴槽循環口から10cm以上のお湯があることを確認する
- 洗浄剤をお湯に溶かす ※市販のもので可
- 浴槽に水が貯まっていることを確認し、「さし水」または「ぬるめ」のスイッチを3秒以上長押しする
- 「クリーニング」または「配管洗浄」が消灯したら、お風呂のお湯を排水する
- 浴槽循環口のカバーを取り外し、歯ブラシ等でゴミや湯垢などの汚れを清掃する
- お風呂に水が残っていないことを確認し、「さし水」または「ぬるめ」スイッチを3秒以上長押しする ※配管内をすすぐため
正しい手順で最後まで清掃しなければ、洗浄剤が配管内に残ったままになるので注意しましょう。
風呂配管の清掃を行う頻度は、半年に1回程度を目安にしてください。
浴槽フィルターの清掃
浴槽フィルターは、浴槽の壁にある汚れやゴミを湯船に通さないためのフィルターです。
この浴槽フィルターの清掃を行わないと、お湯の出が悪くなり、配管詰まりの原因にもなります。
頻度としては週に1回程度、お風呂から上がる前などにフィルターを取り外して歯ブラシ等で簡単な清掃をしましょう。
給水口ストレーナーの清掃
給水口ストレーナーは、お湯が排水管へと通るときの入り口です。
そのため、メンテナンスを怠るとゴミが詰まり、お湯の出が悪くなる可能性があります。
清掃の手順は以下の通りです。
- カバーを外し、漏電遮断器を「OFF」にする
- 給水止栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げ、1分ほど待つ
- 給水口ストレーナーを外し、ブラシ等で掃除する
- 再び給水口ストレーナーをつける
- 給水止水栓を開き、水漏れがないか確認する
- 逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「ON」にする
- お湯側の混合水栓を開き、お湯が出るかのテストをする
注意点として、感電を防ぐために作業を始める前に漏電遮断器をOFFにすることを忘れないようにしましょう。
また、給水口ストレーナーの清掃頻度は、年に2回程度を目安にして、貯湯タンクの水抜きのタイミングで掃除すると効率がいいです。
漏電遮断器の点検
漏電遮断器は、漏電が起こった際に火災や感電などの事故を防止するための、いわば安全装置のようなものです。
漏電遮断器が正常に作動していないと、家全体のブレーカーが落ちたまま上がらなくなってしまうので、定期的な動作確認をするようにしましょう。
以下の手順で問題ないかのテストをしてください。
- カバーを外し、漏電遮断器の「テスト」ボタンを押す
- 電源レバーが「ON」から「OFF」になるか確認をする
- 電源レバーを「ON」に戻し、元通りにカバーを付け直す
注意点は、感電を防ぐために濡れた手で操作しないようにすることです。
万が一の事故を防ぐためにも、漏電遮断器の点検は年に2回程度は実施するようにしましょう。
逃し弁の点検
逃し弁とは、水をお湯に変換するときに体積が膨張し、エコキュート内部が高圧にならないように調整してくれる装置のことです。
この逃し弁が正常に作動していないと、タンクの変形により水漏れなどの故障につながる可能性があります。
点検の手順は以下の通りです。
- 逃し弁操作カバーを外し、逃し弁のレバーを2〜3回上下に動かす
- レバーを上げたときのみ、水(お湯)が出るかを確認する
- 逃し弁のレバーを下げ、逃し弁操作カバーを元通りの取り付ける
注意点として、沸き増しを行っていないときに作業し、やけどの危険があるため内部の配管には触れないようにしましょう。
また、逃し弁の点検は月1回を目安に行うようにしてください。
配管接続部の点検
エコキュートと浴槽をつなぐ配管の接続部は、シリコンやゴム製のパッキンが使われており、経年劣化により水漏れが起きる可能性があります。
点検方法としては、タンクのカバーを外し、配管の接続部から水漏れが起きてないか、また異常が見られないか目視するだけで大丈夫です。
この配管接続部の水漏れを早期に発見できれば簡単な部品の交換ですみますが、もし長期間放置してしまった場合、エコキュート全体の故障につながり、本体を買い替えなければいけない事になる可能性があるので注意しましょう。
年に2回程度を目安に、他のメンテナンス項目のついでに行うと効率がいいですね。
ヒートポンプユニットのエア(空気)抜き
エコキュートのヒートポンプユニット内の配管は基本的には水で満たされていますが、使い続けるうちに空気が混ざります。
ヒートポンプ内の配管に空気が混じると水の循環が悪くなり、蛇口からお湯が出にくくなる、もしくはお湯が出なくなる可能性があります。
以下を参考に空気を抜きましょう。
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を軽く開く
- 1分ほど水と空気が抜けるのを待つ
- 水だけ出てくるのを確認して、全ての栓を閉める
ヒートポンプユニットの水抜き栓の場所などはメーカーによって変わるため、取扱説明書を参考にし、半年に1回程度を目安に作業を行いましょう。
凍結防止ヒーターの動作確認
エコキュートは寒さに弱く、外気温が氷点下を超える場合には配管が凍結し、お湯が出なくなるトラブルが多発します。
そのため、冬になり凍結が予想されるときには、凍結防止ヒーターの電源を「ON」にし、しっかりと動作しているかを確認するようにしましょう。
もし、配管が凍結している場合は、配管に熱湯をかけるのではなく、タオルなどを巻いてぬるま湯で少しずつ解凍するのがオススメです。
エコキュートのメンテナンスを怠るとどうなる?
エコキュートのメンテナンスを怠った場合に、「どのようなトラブルがあるのか」を紹介します。
主なトラブル事例は以下の通りです。
- エコキュートの寿命が短くなる
- 給湯効率が下がり電気代・水道代が高くなる
- 汚染されたお湯が出る
- 消耗品が壊れやすくなり修理・交換費用が発生する
エコキュートの寿命が短くなる
エコキュートの寿命は10年〜15年ほどだとされていますが、これは定期的なメンテナンスをしていた場合の数字です。
つまり、エコキュートのメンテナンスを怠ると、10年以下で故障して交換が必要になる可能性があります。
エコキュートの本体を買い替える費用は、30万円〜70万円ほどが目安なので、余計な出費を減らすためにも定期的なメンテナンスで長持ちさせるようにしましょう。
給湯効率が下がり電気代・水道代が高くなる
エコキュートのメンテナンスを怠ると、フィルターの目詰まりや内部に異常をきたし、給湯効率の低下を招きます。
そして、その結果として電気代や水道代が高くなるのです。
エコキュートは他の給湯器に比べると、電気代が大幅に安くなるのが最大のメリットですが、定期的なメンテナンスをしないと、高い初期費用を払ったにもかかわらず、思うような効果が出ずにがっかりするかもしれません。
汚染されたお湯が出てくる
エコキュートのトラブルとして最もよくあるのが、ゴミや汚れたお湯が出てくることです。
貯湯タンク内の清掃をせずに内部のゴミや不純物を放置していると、新しいお湯を出しても異臭やゴミの浮いた水が出てくる可能性があります。
そのため、この記事で解説したようにタンクの清掃は必ずするようにしましょう。
消耗品が壊れやすくなり修理・交換費用が発生する
エコキュートの消耗品として壊れやすいものが、逃し弁やストレーナーです。
逃し弁やストレーナーは消耗品であり、劣化したり壊れた場合は単体で交換できますが、メンテナンスを怠ることで磨耗するスピードが早くなり、最悪の場合には他の箇所にまで不具合が起きる可能性があるため注意しましょう。
消耗品のように小さな部品は点検時に見落としやすい項目でありますが、余計な修理・交換費用が発生しないように定期的なメンテナンスと点検をしてください。
エコキュートを長持ちさせるためには業者による定期メンテナンスも必要
ここまで自分でできるエコキュートのメンテナンス方法を解説してきましたが、どうしても簡易メンテナンスだけでは補いきれない箇所があります。
そのため、この記事で紹介した清掃・点検と併せて業者による定期メンテナンスを依頼するようにしましょう。
業者による定期メンテナンスの頻度は、3年に1回ほどがベストになります。
というのも、逃し弁やストレーナーといった消耗品は、寿命が約3年ほどで自然劣化するため、その消耗品の交換に合わせた時期に業者に依頼すると無駄を省けるからです。
また、定期メンテナンスの費用の相場としては、約1〜2万円ほどになっており、交換が必要な部品に関しては別途費用が発生します。
エコキュートのメンテナンスで困ったら、ぜひ相談を!
自分でお手軽にできるエコキュートのメンテナンス方法を9つ解説してきましたが、
「メンテナンス項目が多くてめんどくさい…。」
と思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、メンテナンスを怠ると最悪の場合、本体が故障し10年も経たないうちに交換しなければいけない状況になってしまうかもしれません。
日頃のちょっとしたお手入れをしなかったばかりに、30万円〜70万円ほどの交換費用が発生するなんて嫌ですよね…。
もし、エコキュートのメンテナンス依頼や不具合でお困りでしたら、ぜひ新日本エネックスへとご相談ください。
新日本エネックスはエコキュートをはじめとした様々な省エネ設備への豊富な施工実績から、プロの目線でお客様に最適なご提案をさせていただきます。