太陽光発電を今よりも有効活用したかったり、電気自動車の電気料金を削減したいと思っている人はいるのではないでしょうか?
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hを組み合わせて活用することで、節電効果や利便性などのアップに貢献してくれます。ただし、それぞれの設備の特徴などを理解していないままでは、導入しても後悔したり十分な効果が得られないかもしれません。
今回の記事は、太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hについて以下の内容を解説します。
- 太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hのメリット
- 太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hのデメリット
- おすすめの太陽光発電メーカー
- おすすめのV2Hメーカー
- 太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hの導入ポイント
太陽光発電や電気自動車を有効活用できれば、節電効果がアップする可能性が高いため、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hは相性抜群
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2H(電気自動車の充放電設備)は相性が良く、連携して活用すれば様々なメリットがあります。太陽光発電はCO2を排出しない再生可能エネルギーとして、国が普及を進めている設備です。太陽光という自然エネルギーを活用して電気を作り出せるため、大きな節電効果が得られます。そして電気自動車もまたCO2を排出しない環境に優しい車であり、ガソリン車よりも燃料コストが安いことが魅力的です。
そんな太陽光発電と電気自動車は、2つだけでも大きな節電効果が得られます。しかし、ここにV2Hが加わることで、さらに節電効果や利便性がアップします。それでは、太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hの相性が抜群だといえるメリットを、具体的に見ていきましょう。
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hのメリット
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hのメリットは以下のとおりです。
- 電気自動車へ無料で充電できる
- 家庭用の蓄電池よりもコスパが良い
- 停電時などでもお得に自宅へ給電できる
- 電気自動車の充電時間が減る
- 減税や補助金で費用が抑えられる
それぞれ解説します。
電気自動車へ無料で充電できる
太陽光発電の電気は自宅の家電製品に使用できるだけではなく、電気自動車の充電コンセントなどを介して無料で充電できます。太陽光発電は自然エネルギーで電気を生み出しているため、電力会社から買電しなくても無料で充電ができる可能性があります。「可能性がある」というのは、自宅の電力使用量が太陽光発電の電力を上回れば、その限りではないからです。電気自動車の充電に使用できるだけの電力が残っていれば、無料または節電しながら充電できます。ガソリン車よりも燃料コストが安いとはいえ、値上がりしつつある電気料金は家計の負担になるため、太陽光発電と電気自動車の相性は良いといえるでしょう。
家庭用の蓄電池よりもコスパが良い
電気自動車に搭載されている「リチウムイオン電池(バッテリー)」は、家庭用の蓄電池と比較すればコスパが良いといえます。このリチウムイオン電池は、家庭用で多く使用されている蓄電池と同じものですが、大きな違いは容量にあります。家庭用の蓄電池は消防法で「4800Ah(17.76kWh)※1」までと規制されているため、4〜16kWhといった容量が主流です。価格はニチコンのESS-U4X1(16.6kWh )で「税込4,152,500円(希望小売価格)※2」です。一方、電気自動車は日産のリーフ(グレードX・40kWh)は「税込400万〜580万円(希望小売価格) ※3」ほどです。希望小売価格なので一概には比較しづらいものの、金額から見ればコスパが良いといえるでしょう。さらにコスパの良さに加えて、太陽光発電から電気自動車へ無料で充電できるため相性は抜群です。
※1 参考:蓄電池の規制
※2 参考:nichicon
※3 参考:NISSAN
停電時などでもお得に自宅へ給電できる
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hが最大限に相性が良いといえるのは、停電時などでも大容量の電気を自宅へ「お得」に給電できるためです。太陽光発電があれば停電時でも、日照量があれば無料で電気を作り出すことができます。その電気を電気自動車へ無料で充電できますし、V2Hを介して自宅へ給電することが可能です。停電時は太陽光発電だけでも自宅で電気を使用できるものの「1500W/100V」までとなっており、給電できる家電製品が限られます。しかしV2Hの200V対応モデルなら、エアコンなどの消費電力が多い家電製品も稼働できます。しかもバッテリー容量が多いため、例えばリーフの40kWhであれば満充電で約2日ほど(※4)の電気を使用できるでしょう。太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕V2Hの組み合わせは、電気料金の削減だけではなく、いざという時の安心も得ることができます。
※4 参考:NISSAN
電気自動車の充電時間が減る
電気自動車とV2Hを組み合わせることで、自宅での充電時間を約半分に減らすことができます。例えば、日産のリーフ(60kWh)を200V普通充電器(3kW)で満充電にする場合、約23時間もの時間が必要です。しかしV2H(6kW)であれば約12時間で満充電になります。(※5)特に通勤で使用する際は注意が必要です。普通充電ではバッテリー容量が少ない状態で仕事から帰宅して、次の日の出勤までに満充電にしようとしてもできません。V2Hであれば約12時間と半分の時間なので、帰宅後から翌朝までには満充電に近づけることができます。通勤以外でも電気自動車の弱点である充電時間が約半分になることは、大きなメリットだといえるでしょう。
※5 参考:NISSAN
減税や補助金で費用を抑えられる
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hは、減税や補助金対象になっているため費用を抑えられます。通常、これだけの設備を導入するには高額な費用が必要です。しかし国や地方自治体が普及させようと推奨しているため、負担を減らすための減税や補助金を実施しています。例えば以下のような補助金があります。
- 電気自動車:「CEV補助金」:最大85万円/台(※6)
- V2H:「CEV補助金」:個人宅 最大115万円/基(※6)
- 太陽光発電:「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(東京都)」:10万~15万円/kW(※7)
また電気自動車の減税では、日産のリーフe+ G(2WD)の場合は「4.85万円(※8)」となっています。これらを活用すれば費用を抑えて導入できます。減税や補助金は応募要件などが異なるため、必ず事前に確認しましょう。
※6 参考:令和4年度クリーンエネルギー自動車導入促進補助金交付規程
※7 参考:東京都環境局
※8 参考:NISSAN
太陽光発電✕電気自動車✕V2Hのデメリット
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕V2Hのデメリットは以下のとおりです。
- 導入費用が高額になる
- 生活スタイルや環境次第で効果が減る
- 電気自動車のバッテリーの劣化が減る
- 電気自動車を使用している間は給電できない
- V2H対応の電気自動車は限定されている
それぞれ解説します。
導入費用が高額になる
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕V2Hの3つを導入しようとすれば、確実に数百万円レベルの費用になります。長い目で見れば費用を回収できる可能性があるものの、やはり躊躇してしまいがちです。しかし国や地方自治体が普及に力を入れているため、補助金などを活用すれば費用を抑えることができます。
環境次第で効果が減る
太陽光発電は日照量や周辺環境の影響で、発電効率が落ちてしまう可能性があります。発電効率が悪くなると発電量が減ってしまうため、自宅や電気自動車で使用できる電気が減ってしまいます。せっかく導入しても、期待通りに電気料金を削減できないかもしれません。導入する際は、自宅の環境に合う太陽光発電を導入しましょう。
電気自動車のバッテリーの劣化が早まる
太陽光発電からの充電や自宅へ給電する回数が増えるほど、電気自動車のバッテリーは劣化していきます。使用されているリチウムイオン電池の寿命は、約6,000〜12,000サイクル(1サイクル=残量0%→100%→0%)です。1日1回のペースなら6,000サイクルで約16年、12,000サイクルで約32年となります。ただし1日2サイクルなどハイペースで使用しない限りは、電気自動車メーカーのバッテリー保証(日産の場合は「8年間または16万km」※9)もあるため安心して乗れるでしょう。
※9 参考:NISSAN
電気自動車を使用している間は給電できない
当然ですが電気自動車を使用している場合は、自宅への給電は行えません。特に停電時には電気自動車からの給電は200V対応の家電などにも、長時間使用できるためデメリットといえます。ただし、太陽光発電があれば稼働できる家電製品に限りはあるものの、電気自動車がなくても停電時に電気を使用することは可能です。
V2H対応の電気自動車は限定されている
電気自動車の普及は進んでいますが、現状では8メーカー18車種ほどにしかV2Hに対応している車種はありません。そのためV2Hの利用を考えると、乗りたい車種の範囲が限定されてしまいます。しかしV2Hに対応する車種が少しづつ増えているため、将来的には対応車種が増えて選択の幅も広がることが予想されます。
おすすめの太陽光発電メーカー
おすすめの太陽光発電のメーカーは以下のとおりです。
- シャープ
- パナソニック
- 東芝
- 長州産業
- 京セラ
- Qセルズ
- ソーラーフロンティア
- カナディアンソーラー
- エクソル
それぞれ解説します。
シャープ
シャープは1959年から太陽光発電の開発を行っており、累計設置実績85万軒で国内販売実績No.2の大手メーカーです。屋根の形状に細かくフィットする「ルーフフィット設計」や、黒を基調としてデザイン性の高い「ブラックソーラー・ゼロ」などがあります。
パナソニック
パナソニックは40年以上の歴史を誇る太陽光発電メーカーです。日本の環境に合わせた厳しい耐久試験を行っており、耐久性の高さが魅力的な製品を開発しています。また業界トップクラスの発電量を実現している「HITシリーズ」というパネルが注目されています。
東芝
東芝もまた日本を代表する世界的な大企業であり、太陽光発電メーカーです。アメリカのサンパワー社のOEMに、独自の技術である「バックコンタクト方式(電極をパネル背面に設置)」を用いた太陽光パネルを販売しています。この技術によって業界トップの「22.1%」という発電効率を実現しています。
長州産業
長州産業は1999年から、単結晶シリコン系の太陽光パネルの全工程を自社で行っている、国内唯一のメーカーです。大手メーカーと比べると聞き慣れないメーカーですが、主力商品である「Gシリーズ PREMIUM BLUE」は、国内製造で初めて発電効率「20.3%」を達成しています。
京セラ
京セラは1994年から日本で初めて住宅用の太陽光パネルを販売し、耐久性の高さが魅力的なメーカです。1984年に京セラ佐倉ソーラーセンターに設置された太陽光パネルは、現役で活躍しています。様々な屋根の形状に対応する「ルーフレックスシリーズ」が主力商品です。
Qセルズ
Qセルズは一度、経営破綻しているものの2012年に韓国のハンファグループにより買収され再建されたメーカーです。元々はドイツ生まれのメーカーであり、日照量の少ない環境でも効率よく発電できる「Q.ANTUMテクノロジー」を採用しています。またコスパが良いメーカーとしても知られています。
ソーラーフロンティア
ソーラーフロンティアは、宮崎県の自社工場で太陽光パネルを製造している国内メーカーです。「CIS太陽電池」という化合物系のパネルを採用しており、高温や悪天候でも効率よく発電できる独自技術を持っています。
カナディアンソーラー
カナディアンソーラーは、2001年にカナダで設立された全世界で150カ国以上の導入実績がある太陽光発電メーカーです。海外メーカーで安価ながらも、発電効率「20.03%」を超える「UNITYシリーズ」があります。
エクソル
エクソルは、2001年に設立された京都の太陽光発電メーカーです。通常の太陽光パネルも販売していますが、小さな屋根でも設置可能な「ジャストコンパクト」があります。1枚から設置できるシングルタイプと、2枚から設置できるマルチタイプを選べます。
おすすめのV2Hメーカー
おすすめの太陽光発電のメーカーは以下のとおりです。
- ニチコン
- デンソー
- 東光高岳
それぞれ解説します。
ニチコン
ニチコンは世界で初めてV2Hを開発・販売し、2012年から2022年の間に10,000台という販売実績を持つトップメーカーです。主力商品は「EVパワーステーション」で、スタンダードとプレミアムモデルがあります。プレミアムモデルは倍速充電や全負荷対応で200Vのエアコンなども使用できるようになっています。
デンソー
デンソーは大手の自動車部品メーカーです。デンソーは、ニチコンのOEMである「V2H-充放電器」を販売しています。基本的な性能は同じですが、違う点はデンソーのHEMSと連携できる点です。HEMSと連携させるならデンソーのV2Hがおすすめです。
東光高岳
東光高岳は、東京の電子機器メーカーです。「Smaneco V2H」を販売しており、ニチコンやデンソーと違う点は、非系統連系だということです。太陽光発電や電力会社の電気と電気自動車からの電気を同時に使用できないため、切り替えるために瞬間的に停電します。性能面では全負荷で200V対応しており、太陽光発電の電気で充電することが可能です。
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hの導入ポイント
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hを導入する際に、意識したい導入ポイントは以下のとおりです。
- 相見積もりをして相場を知る
- 自宅の環境に合う設備を選ぶ
- 補助金を活用して初期費用を抑える
それぞれ解説します。
相見積もりをして相場を知る
電気自動車よりも太陽光発電やV2Hは、価格の相場が分かりづらい設備なので相見積もりは必須です。業者によって本体価格や工事費などがピンキリなので、導入する際は必ず複数社から相見積もりを取って相場の費用を確認しましょう。
自宅の環境に合う設備を選ぶ
太陽光発電は自宅の環境に合う設備を選ばないと、期待通りの節電効果が得られません。影ができやすい環境や日照量が少ない地域の場合は、十分な発電量を得られない可能性があります。その環境下に対応した太陽光発電を導入することで、効率よく発電することが可能です。
補助金を活用して初期費用を抑える
太陽光発電や電気自動車、V2Hを全て揃えようとすると初期費用は高額です。すでに解説した通り、それぞれに対応した補助金があるため活用すれば初期費用を抑えられます。補助金はインターネットで検索すれば金額や応募要件など見れますが、申請するには時間と手間がかかる上に、細かい注意点も多々あります。業者に補助金の詳細を聞いた上で、申請の代行もしてもらうようにしましょう。
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hがおすすめな人
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hの導入が、おすすめな人は「電気料金を削減しながら、停電対策も万全にしたい人」です。太陽光発電で電気を作りながら、自家消費すれば電気料金が削減できます。また停電時でも太陽光発電や電気自動車の電気で給電できるため、安心して普段どおりの生活を送れるでしょう。
まとめ
太陽光発電 ✕ 電気自動車 ✕ V2Hの組み合わせは、電気料金を削減したい人や停電対策をしたい人にとっては、最適な相性だといえます。太陽光発電の電気を自家消費すれば、電気自動車への充電を含めて電気料金を削減できます。停電時でもV2Hがあれば電気自動車から自宅へ給電でき、全負荷で200V対応なら全ての家電をカバーすることが可能です。蓄電池よりも容量が多いため数日間、普段どおりに生活することもできます。気になる点はありますが、対応次第ではそれほど問題にならないでしょう。補助金を活用すれば高額な初期費用も抑えられます。電気料金を削減したい、停電時に備えたいという思いが強いのであれば、ぜひ当記事を参考に導入を検討してみてください。