エコキュートの水抜き掃除で寿命を伸ばそう!メリットや手順を解説
この記事の要約はこちら
・エコキュートは省エネ型給湯器で、水抜きが重要なメンテナンス作業となります。
・水抜きしないと不純物が溜まり、エコキュートが故障しやすくなります。
・水抜きを定期的に行うことで寿命が延び、清潔なお湯が使えます。
・手順はメーカーごとに異なるため、取扱説明書を確認して実施する。
▼ 目次
「エコキュートの水抜きは、自分でもできるの?」「エコキュートで水抜きするときは、どんな手順でやるべきなんだろう?」という不安を抱えているのではないでしょうか。
エコキュートは省エネかつ毎日のお風呂を快適にしてくれるものの、しっかりと自分でも行える水抜きなどのメンテナンスをしないと寿命が短くなる可能性があります。そのためエコキュートの水抜きについて理解を深め、実践していくことが大切です。
今回の記事では、エコキュートで水抜きが必要な理由やメリット、具体的な手順、ポイント、そのほかのメンテナンス方法まで解説しています。本記事を読めばエコキュートの水抜きが行えるようになるため、少しでも長く使えるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
エコキュートの仕組みから水抜き掃除が重要な理由を知ろう
エコキュートは、貯湯タンクとヒートポンプユニットという2つの設備を利用した「貯湯式」の給湯器です。
※引用元:ダイキン
ヒートポンプユニットは空気熱を取り込みます。取り込まれた空気熱は冷媒によって運ばれたあとコンプレッサーによって、さらに高温化。高温化した冷媒の熱は熱交換器によって、貯湯タンクで給水された水に伝えられお湯に沸き上げます。
沸き上げられたお湯は貯湯タンクへ送られたあと保温しながら貯められ、必要なときに利用することが可能です。このような仕組みでは、配管や貯湯タンク内に不純物が溜まりやすくなります。
不純物はエコキュートの故障につながるだけではなく、お湯の清潔さが欠けてしまうでしょう。このようにエコキュートの水抜きは、メンテナンスのなかでも重要な作業といえます。
エコキュートで水抜き掃除しないリスク
エコキュートで水抜き掃除をしないリスクは2つあります。これらのリスクを放置すると、エコキュートの寿命が短くなったり、清潔なお湯に入れなくなる可能性があるでしょう。それぞれのリスクを解説するので、水抜きをする意識を高めるきっかけにしてみてください。
不純物や汚れで故障しやすくなる
水抜きを行わないと不純物や汚れで、エコキュートが故障しやすくなるでしょう。エコキュートに使用する水道水や井戸水には、カルシウムやマグネシウムなど少量の不純物が含まれています。
また水道水や井戸水に含まれる不純物だけではなく、配管に使われている劣化したゴムパッキンの細かい欠片が混入することもあるでしょう。
不純物はエコキュートを長期間使用していくと、徐々に貯湯タンクの底に沈殿します。これらの不純物を放置しておけば、配管や循環口フィルターの目詰まりを起こしてエコキュートが故障する可能性が高くなるでしょう。
お湯に不純物や汚れが混ざりやすい
貯湯タンクの底に不純物が沈殿するということは、お湯にも不純物が混ざりやすくなるということでもあります。お湯に不純物が混ざった状態で追い焚きやたし湯などを行えば、浴そうに汚れが浮いてしまうでしょう。
水抜きしないと汚れを落としてお風呂に浸かっても、不純物が混ざったお湯に入ることになってしまう可能性があります。特に給水するのが井戸水の場合は、水道水よりも不純物が多く含まれているため、より貯湯タンクに溜まりやすくなるでしょう。
定期的に水抜きをしなければ、常に清潔なお湯でお風呂に入っているとはいいきれません。
エコキュートを水抜き掃除するメリット
エコキュートを水抜き掃除するメリットは3つあります。メリットを知っておけば、よりエコキュートの水抜きの重要性が理解できるでしょう。それぞれのメリットを解説するので、ぜひ学んでみてください。
寿命が伸びやすくなる
エコキュートの水抜きをすることで、寿命が伸びやすくなるといわれています。エコキュートの一般的な寿命は10〜15年といわれているものの、メンテナンスを行った場合の数字です。
水抜きを含む定期的なメンテナンスを怠っていれば、一般的な寿命よりも短くなってしまう可能性もありえるでしょう。水抜きのメンテナンス1つとっても、行っておくだけで寿命が伸びることも考えられます。
エコキュートはガス給湯器よりも価格が高いため、月々のランニングコストが安いといえど長期間使用しなければ元が取りにくい給湯器です。そのため少しでもエコキュートの寿命を延ばしてお得に使い続けるためにも、水抜きを行っておくことが大切です。
清潔なお湯が使える
水抜きを定期的に行っておけば、常に清潔なお湯でお風呂を楽しむことができるでしょう。エコキュートを購入してから数年経っているのに、一度も貯湯タンクの水抜きをしていなければお湯が清潔とはいいきれません。
水抜きをしていなければ目に見えてゴミが浮いていなくても、カルシウムやマグネシウムなど少量の不純物が混ざっています。これらの不純物は水垢の原因になることもあり、人体に直接影響がないとしても細菌の繁殖や黒カビなどの原因になる可能性があるでしょう。
そのため水抜きを行うことは、お湯の清潔さを保つうえでも重要な役割を持っています。
凍結防止に役立つ
水抜きは外気温が0℃以下になる冬場において、長期間使用しないときに配管や貯湯タンク内の水が凍結するのを防止する役割もあります。エコキュートが凍結しやすくなる冬場の時期に水抜きしないまま長期間放置したまま凍結すると、配管の破損につながる可能性があるでしょう。
水は凍結すると体積が約9%増えてしまいます。水の凍結によって体積が増える力は、大きな岩を砕いてしまうほどです。そのため配管や貯湯タンク内に水が残っている状態で長期間使用しない場合、凍結によって配管や貯湯タンクが圧迫されて損傷する可能性が十分に考えられます。
冬場でも日常的に凍結防止対策を行っていれば、凍結する可能性が少なくなるでしょう。しかし冬場に長期間使用しない場合は、エコキュートを守るためにも水抜きは必要です。
エコキュートの水抜きは自分でできる
エコキュートの水抜きは「難しそう…」だと思う人がいるかもしれません。しかし水抜きはプロの業者に任せなくても、自分で行えるメンテナンス方法です。ただし各メーカーごとに水抜きの手順が異なります。そのため購入したメーカーの正しい手順に従って水抜きを行えば、自分でも水抜きを行うことが可能です。
しかし訪問営業でエコキュートの水抜きを勧められる場合があります。その際は即決せずに自分で行う、もしくは信頼できる業者に任せるようにしてください。訪問営業は自分で行なえる水抜きだけでも、高額な費用を請求される可能性があるため注意が必要です。
【メーカー別】エコキュートの水抜き掃除の手順
エコキュートで水抜きする際は、メーカーごとに手順が異なる場合があります。今回は大手エコキュートメーカー6社の手順を紹介するので、自宅に設置しているエコキュートで水抜きする際の参考にしてみてください。
※同じメーカーでも機種によって手順が異なる可能性があるため、必ず取扱説明書も確認するようにしましょう。
パナソニックの水抜き掃除の手順
パナソニック製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 脚部化粧カバーが付いていれば外す
- 貯湯タンクの湯量が満タンではないことを確認する
- 漏電遮断器を「切」にする
- 給水元栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水栓を開いて排水管から約2分排水する
- 2分後に排水元栓を閉じる
- 給水元栓を開けて貯湯タンクを満水にする
- 逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「入」にする
※参照:パナソニック
三菱電機の水抜き掃除の手順
三菱電機製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 給水専用止水栓を閉じる
- 逃し弁の操作窓を開けて逃し弁レバーを手前に起こす
- 排水栓を約1~2分開く
- 約1~2分後に排水栓を閉じる
- 給水配管専用止水栓を開く
- 排水口から水が出たら逃し弁レバーを戻す
※参照:三菱電機
ダイキンの水抜き掃除の手順
ダイキン製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 脚部化粧カバーが取り付けてある場合は外しておく
- 漏電遮断器を「OFF」にする
- 給水配管の途中に設置されている給水止水栓を閉める
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水栓を「排水」側に合わせて約2分間排水する(薄型の排水栓は2か所)
- 排水栓を「通常」側に戻す(薄型の排水栓は2か所)
- 給水止水栓を開ける
- 排水ホース(黒)からお湯や水が出るまで待つ(空気混じりのお湯や水ではないことを確認する)
- 逃し弁レバーを下げる
- 漏電遮断器を「ON」にする
※参照:ダイキン
日立の水抜き掃除の手順
日立製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 沸き上げ中ではないことを確認して漏電遮断器を「OFF」にする
- タンク専用止水栓を閉めて逃し弁レバーを上げる
- タンク排水栓のハンドルを「排水」の位置へ90°左に回して約2分排水する
- タンク排水栓のハンドルを「通常」の位置へ90°右に回して、タンク排水管からお湯が出ていないことを確認する
- タンク専用止水栓を開ける
- タンク排水管からお湯が出てきたら逃し弁のレバーを下げて、漏電遮断器を「ON」にする
※参照:日立
東芝の水抜き掃除の手順
東芝製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 給水止水栓を閉じる
- 電源扉を開けて漏電遮断器を「切」にする
- 逃し弁扉を開けて逃し弁レバーを上げて1分待つ
- 排水栓扉を開けて排水栓を左へ回して開く
- 約2分水を出してきれいになったら排水栓を閉める
- 排水が止まったら給水止水栓を開いて、排水トラップにお湯が出るのを確認する(排水トラップが見えない場合は音で確認)
- お湯が出たら逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「入」にして電源扉・逃し弁扉をネジで確実に締める
- 混合水栓のお湯側を開いて、お湯が出るのを確認する
※参照:東芝
コロナの水抜き掃除の手順
コロナ製エコキュートの主な水抜き方法は、以下のとおりです。
- 漏電遮断器の操作カバーを外して漏電遮断器を「OFF」にする
- 給水専用止水栓を閉じる
- 逃し弁の操作カバーを外して逃し弁レバーを上げる
- 排水栓を開く
- 1~2分排水後、汚れがなくなったら排水栓を閉じる
- 給水専用止水栓を開く(約20分で満水)
- 排水口から水が出たら逃し弁レバーを下げる
- 逃し弁の操作カバーを戻す
- 漏電遮断器の電源レバーを「ON」にする
- 漏電遮断器の操作カバーを取り付ける
- 日時設定・給湯・ふろ温度設定をする
※参照:コロナ
エコキュートの水抜き掃除のポイント
エコキュートの水抜きをする際は5つのポイントがあります。ポイントを抑えて水抜きすることで清潔さを保ちつつ故障の頻度を減らし、安全性を高めながら作業が行えるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
水抜きの頻度は年に2~3回
水抜きを行う頻度は、各エコキュートメーカーが推奨している年2〜3回です。エコキュートを利用している家庭の多くは、不純物の少ない水道水を利用しています。しかし不純物が少ないとはいえ、4〜6か月経つと少量でもお湯に不純物が混じってしまう可能性があるでしょう。
不純物を放置しておけばエコキュートの故障につながったり、お湯の清潔さを保てなくなったります。寿命を伸ばしつつ清潔さを保つためにも、年に2〜3回は定期的に水抜きを行う癖を付けましょう。水抜きのタイミングを忘れてしまいそうな場合は、カレンダーやアプリなどにメモしておくことをおすすめします。
熱湯が出る可能性があるため注意
水抜きは熱湯を排水することがあるため、火傷しないように注意しましょう。多くの場合は、安全性を高めるために温度設定方法や手順が取扱説明書に記載されています。しかし、よくわからない状態で行ってしまうと、手順を間違えたり熱湯が出る部分に触れてしまったりする可能性があるでしょう。
水抜きを行う場合は事前に手順をよく確認しておき、熱湯が出る可能性のある部分には触らないようにしてください。手順がわからなければ、メーカーや販売店などに問い合わせて確認してください。
外気温が0度以下では行わない
水抜きは、外気温が0℃以下になる冬場には行わないほうが良いでしょう。水抜きを外気温が0℃以下のときに行うと、排水中に水が凍結してしまい正常に完了しない可能性があります。
また水は凍結すると体積が増えるため、配管が損傷してしまうことも考えられるでしょう。特にお湯が必要な冬場に、エコキュートが故障する事態は避けるべきです。冬場に水抜きしなくても良いように、スケジュールを組んでおくことをおすすめします。
栓が劣化している場合は自分で行わない
水抜きする際に貯湯タンクに付いている排水栓やハンドルなどが劣化している場合は、自分で対処しないようにしてください。劣化している状態で無理に作業を行ってしまうと、栓やハンドルなどが壊れて水が止まらなくなったり、元の状態に戻せなくなったりする可能性があります。
故障してしまった場合、修理費用が発生することも考えられるでしょう。見た目や触った感じで劣化が確認できる場合は、すぐにメーカーや販売店などに対応を依頼してください。
難しいなら業者に任せる
手順がわからなかったり栓やハンドルなどの劣化が感じられた場合は、メーカー・販売店・修理業者に任せましょう。メーカーや販売店によっては無料で対応してくれます。
もし栓が壊れている場合は修理業者に依頼すると良いでしょう。メーカーよりも修理費用を安く抑えられる可能性があります。おすすめの修理業者は「新日本エネックス」です。全国対応しており無料相談・見積もりを行っているため、気軽に問い合わせてみましょう。
水抜き以外に自分で行える掃除と点検
エコキュートの寿命を少しでも延ばすためのメンテナンスは、水抜き以外にもあります。自分でできるメンテナンス方法を5つ紹介するので、取扱説明書を確認しながら実践してみてください。
ふろ配管の洗浄
ふろ配管を洗浄することで、エコキュートの故障防止や清潔さを保てるようになります。ふろ配管とは、浴そうと貯湯タンクをつないでいる配管のことです。フルオートタイプの場合は追い焚きや自動保温などで、ふろ配管が必要になります。
入浴剤の成分や水アカなどの汚れが配管内に蓄積する可能性があるため、ふろ配管の洗浄は必須です。自動配管洗浄機能が備わっているフルオートタイプであれば、浴そう栓を抜く度に洗浄してくれます。
またお湯だけでは落とせない汚れを落とすために、洗浄剤を利用して洗浄することも忘れないようにしましょう。ジャバ(1つ穴用)を使用して半年に一度(自動配管洗浄機能がない場合は2~3か月に一度)の頻度で行ってください。
循環口フィルターの掃除
循環口フィルターの掃除も自分で行える、手軽なメンテナンスの1つです。お湯には入浴剤の成分や皮脂、水アカなどの汚れが混ざっています。それらの成分や汚れは、循環口フィルターを目詰まりさせてしまう可能性があるでしょう。
掃除方法で正しいのは、循環口フィルターと本体を歯ブラシ等で丁寧に掃除することです。循環口フィルターを外さずに、洗剤とスポンジだけで掃除すると目詰まりが取り除けない可能性があります。循環口フィルターは簡単に取り外せるため、1週間ほどを目安に掃除しましょう。
本体や配管の水漏れ点検
貯湯タンクやヒートポンプユニットの本体、または配管の水漏れ点検も自分で行いやすいメンテナンスです。場合によっては水漏れが故障の原因となり、放置しておくと本体ごと交換して高額な費用が発生する可能性があります。
特に貯湯タンクやヒートポンプユニットの下、配管の接合部などは見ておきましょう。常に濡れていたりポタポタ水滴が落ちている場合は、配管が破損している可能性が高いといえます。冬場に多い結露に関しては晴れている場合に乾くため、すぐに見分けられるでしょう。
日頃から見る癖を付けておくと、事前に大きな故障を防ぐことができます。
凍結防止ヒーターや保温材の確認
冬場の凍結対策に必須な凍結防止ヒーターや保温材の確認も、水漏れチェックとともに行っておきましょう。凍結防止ヒーターは電源を入れて、正常に作動するのかを確認してください。
保温剤は外気温や紫外線の影響を受けて劣化しやすいため、ボロボロになっていないかをチェックします。保温材は数千円ほどでホームセンター等に売っているため、自分で巻くことは可能です。
保温材が自分で巻けない、または凍結防止ヒーターが故障している際は修理業者に問い合わせてみましょう。
逃し弁や漏電遮断器の動作確認
逃し弁や漏電遮断器の確認も、水漏れや凍結防止ヒーターなどの確認の際に行くことをおすすめします。逃し弁は、貯湯タンク内の圧力を維持して変形や水漏れなどの故障を防いでくれる装置です。漏電遮断器はエコキュートの漏電を検知したら、電気を切ってくれます。
どちらも故障防止や安全性確保に必要なものなので、日頃から動作確認を行っておくと安心です。漏電遮断器の確認方法は、テスト(点検等)ボタンを押して「切」になれば正常だと判断できます。テスト後は「入」に戻しておきましょう。
逃し弁の確認方法は、逃し弁レバーを上げて排水できていれば正常です。排水を確認したら逃し弁レバーを戻してください。
まとめ
エコキュートの水抜き掃除は寿命を延ばすうえで、大切なメンテナンスです。水抜きはエコキュートの故障防止や、お湯を清潔に保つために役立つでしょう。取扱説明書を見れば水抜き方法が記載されているため、自分でも手軽に行えます。
しかし手順を理解していなかったり栓が劣化していたりすると、火傷や故障のリスクが発生する可能性があるでしょう。本記事で紹介したポイントを参考に、注意しながら行うようにしてください。
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