「エコキュートの凍結防止対策って、どうすれば良いんだろう?」「事前にできることや凍結した時の対策はあるの?」という不安を抱えているのではないでしょうか。
エコキュートは適切な製品を選んだり対策を行わなかったりすると、気温が下がったときに凍結する可能性があります。そのため事前にできる対策や凍結したあとの対処法などを知っておき、実践することが大切です。
今回の記事では、エコキュートのメーカー別の凍結防止対策のやり方から、事前にできる対策、凍結してしまった際の対処法まで解説しています。本記事を読めばエコキュートの凍結防止について詳細に理解できるため、迅速な対応や故障の頻度を減らせるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
【メーカー別】エコキュートの凍結防止のやり方
エコキュートには凍結防止対策があります。メーカー別にやり方を簡潔に紹介するので、凍結の可能性があるときは実践してみてください。
※凍結の可能性があるときは、外気温が0度以下になった場合です。操作を行う際は、必ず参照先の説明書も確認しながら行ってください。
東芝
東芝のエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
浴槽配管の凍結防止
浴槽配管の凍結を防止するために、入浴後は浴槽循環金具よりも5cm以上お湯を残しておきましょう。外気温が下がった際に、浴槽内のお湯を循環させるためです。なお浴槽配管に凍結防止ヒーターを設置している場合は、お湯を残す対策は不要。
なお凍結防止運転は、台所リモコンから「湯はりを3秒タッチ→凍結防止運転を選択→始めるをタッチ→しないを選択→始めるにタッチ」で止められます。
凍結防止ヒーターの使用
凍結防止ヒーターの電源プラグを100Vコンセントに挿して使用しましょう。凍結防止ヒーターによって配管が温められ、凍結を防止してくれます。凍結の可能性がなくなった際は、電源プラグをコンセントから抜くことを忘れないようにしましょう。
給水配管・給湯配管の凍結防止
夜間にお湯を使わなくなったタイミングで、給湯温度を27度に設定します。給湯栓を少し開いておき、200cc/分ほどの水を流しましょう。翌日にお湯を使うときは、給湯栓を閉めて給湯温度を変更します。お湯を流し続けることで配管の凍結を防止してくれるでしょう。
ヒートポンプユニットの凍結防止
ヒートポンプユニットに限っては、外気温が下がると自動的に循環ポンプを運転させて配管内に水を循環させます。それでも凍結の可能性がある場合は、自動的に沸き上げを行ってくれるため安心です。
※参考:東芝
日立
日立のエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
ふろ配管・循環ポンプの凍結防止
ふろ循環アダプターよりも、浴槽のお湯を5cm以上残しておきましょう。外気温が0度以下になった場合に、自動的に凍結防止運転を行います。リモコンには「凍結防止中」と表示されるため、わかりやすいでしょう。
なお浴槽にお湯がない場合でも循環ポンプ自体は動くものの、凍結防止には効果がないため注意してください。
給水・給湯配管の凍結防止
給湯温度を「低温」に設定し、混合水栓を少し開けて水を出しておきます。水を出す量の目安は200cc/分ほどです。
シングルレバーの場合は水とお湯の中間位置、ツーハンドルの場合は水とお湯のハンドルを同じくらい、サーモスタット付きの場合は混合水栓の温度を40度にして、水を出しておきましょう。
配管全体の凍結防止
凍結防止ヒーターがある場合は、すべての電源プラグをコンセントに挿して配管を温めてください。
※参考:日立
コロナ
コロナのエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
通常の寒さの場合の凍結防止
凍結予防ヒーターを使用するのと同時に、循環ポンプを運転してふろ配管の凍結防止を行います。まずは凍結防止ヒーターの電源プラグが挿さっているのを確認してください。凍結防止ヒーターは、凍結する可能性がある場合に自動的に運転します。
次に浴槽の循環口よりも、お湯を10cm以上残しておきましょう。凍結する可能性がある場合は自動で循環ポンプを運転させて、ふろ配管の凍結防止を行います。
お湯がない状態で循環ポンプが空運転すると、騒音や故障の原因になるため注意が必要です。また凍結防止の効果は機外の給水・給湯・ふろ配管には及ばないため、保温材やヒーターの保温が必要になります。
外気温が-15度以下、または-15度より高くても風がある場合の凍結防止
通常の寒さの場合の凍結防止を行います。その後にリモコンの運転スイッチを「切」にしてください。そして給湯栓のレバーを最高温度に設定し、400cc/分ほどの水(太さ約5mm)を流し続けましょう。
流量が不安定な場合があるため、約30分ごとに流量を確認しておくと安心です。凍結防止の効果は機外のふろ配管には及ばないため、保温材やヒーターの保温が必要になります。
※参考:コロナ
三菱電機
三菱電機のエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
凍結防止運転の使い方
外気温が下がった際は自動的に、おふろの残り湯を活用してふろ配管の凍結防止を行ってくれます。そのため入浴後は、お風呂のお湯を浴槽アダプターよりも10cm以上残しておきましょう。なお凍結防止運転は初期設定で「入」になっています。
注意点として凍結防止運転は、「ふろ自動」が正しく行われたときにのみ動作することを覚えておきましょう。蛇口から湯はりをした、または湯はり完了前に解除した場合は、お湯が残っていても凍結防止運転ができないため注意してください。
※参考:三菱電機
ダイキン
ダイキンのエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
給水・給湯配管の凍結防止
給湯蛇口を200cc/分ほどの流量で開けておきましょう。シングルレバー式とサーモスタット式は最高温度側へ、2バルブ式はお湯側の蛇口で水を出しておきます。流量が不安定な場合があるため、0分おきくらいに流量を確認してください。
ふろ配管の凍結防止
ふろ配管の凍結を防止するには、残り湯を循環口から10cm以上残しておきましょう。凍結防止運転で、お湯を循環させるために必要です。お湯を循環させることでふろ配管を温められるため、凍結防止につながります。
※参考:ダイキン
パナソニック
パナソニックのエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
ふろ配管の凍結予防
フルオートタイプであれば、残り湯を浴槽の循環口から10cm以上残しておくことで凍結防止運転が行なえます。お湯を循環させることで、ふろ配管の凍結防止が可能です。
パナソニックの場合は、外気温が3度以下になると凍結防止運転を自動で行ってくれます。残り湯がない場合は水を貯めておきましょう。
給水・給湯配管の凍結予防
翌日の気温を確認して0度以下になりそうな場合に、行っておくべき凍結防止があります。リモコンで湯温を「水」に設定し、給湯栓を少し開けておきましょう。200cc/分ほどの流量で水が出るようにすれば、給水・給湯配管の凍結防止が可能です。
貯湯ユニット部の給水・給湯配管の凍結予防
貯湯タンクの下部にある各配管に、別売りの脚部化粧カバーを取り付けましょう。配管は風で熱を奪われて温度が下がると凍結の危険性が高くなります。外気温がそれほど低くなくても風による凍結もあるため、カバーをつけておくと良いでしょう。
保温材の確認
各配管には凍結防止のために保温材が巻かれています。保温材は紫外線や外気の変化によって劣化しやすいため、定期的に破損していないか確認しておきましょう。破損している場合は業者へ連絡して新しい保温材を巻いてもらってください。
※参考:パナソニック
タカラスタンダード
タカラスタンダードのエコキュートで凍結の可能性があるときは、以下の方法で凍結防止対策を行いましょう。
自動追い焚き機能がある場合の凍結防止
浴槽内に残り湯を循環口から5cm以上残しておいてください。外気温が下がった場合に、循環ポンプが自動でお湯を循環させて凍結防止してくれます。
長期間使用しない場合の凍結防止
「湯沸かし停止日数」または「わき上げ停止日数」を使用しないようにしましょう。この機能を設定すると、お湯が沸き上げられずに凍結する可能性があります。
※参考:タカラスタンダード
そのほか事前にできるエコキュートの凍結防止対策
これまでに紹介した各メーカーの凍結防止以外にも、事前に行える凍結防止対策があります。それぞれの凍結防止対策を確認しておき、できることを実践してみてください。
凍結・天気予報を確認する
エコキュートが凍結するような状況の場合は、事前にメーカーが「水道管凍結情報」といった情報を発表していることがあります。またSNSでも凍結に関する情報を流していることもあるでしょう。
さらに天気予報も随時チェックしておくと、外気温が下がって凍結する可能性がある日がわかりやすくなります。事前にメーカーの情報や天気予報をチェックしておけば、慌てることなく凍結防止対策を行えるでしょう。
保温シートやヒーターバンドなどを巻く
市販で売っている保温シートやヒーターバンドを活用すれば、手軽に凍結対策することができます。保温シートはホームセンター等で販売されており、配管部分に結束バンドやテープで固定すれば設置完了です。
またヒーターバンドや凍結防止ヒーターも、配管に巻き付けることで凍結防止に役立ちます。ヒーターバンドや凍結防止ヒーターは、一定の気温で自動的に配管を温めてくれる優れものです。ただし電源を必要とするため、事前に確認しておくと良いでしょう。
自分での取り付けが不安な人は、業者に頼んで設置してもらうほうが確実です。
寒冷地仕様のエコキュートにする
寒冷地仕様のエコキュートにすることで凍結防止効果が高くなります。年間平均気温が10度以下になる寒冷地では、一般的なエコキュートの仕様では寒さに耐えられず凍結や故障する頻度が高くなってしまうでしょう。
寒冷地仕様のエコキュートは、-25度までの寒さでもお湯が湧き上げられる仕様になっています。また凍結防止ヒーターを内蔵していたり、雪が付かないようにファンを回転させたりする凍結防止機能が豊富です。寒冷地仕様のエコキュートを選ぶことは、一番の凍結防止対策といえるでしょう。
凍結はエラーコードで確認できることがある
エコキュートの凍結はエラーコードで確認できることがあります。凍結の可能性がある時期に以下のエラーが出た場合は、凍結している可能性があります。各メーカーのエラーコードを紹介するので、覚えておくと良いでしょう。
【各メーカーの凍結に関するエラーコード】
メーカー名 | 凍結に関連するエラーコード |
三菱電機 | C03・C19・C20・C21・C23・C26・C27・C30・103・120 |
日立 | HJ |
東芝 | U:27・HU:E9 |
ダイキン | Er24・Er15・HE22 |
パナソニック | U22 |
コロナ | E14・E16 |
凍結してしまった場合の対処法
凍結防止対策をし忘れた、していても凍結してしまった場合でも対処法はあります。それぞれの対処法を解説するので、注意しながら実践してみてください。
自然に解凍するのを待つ
最も手間なく安全に凍結を解決する方法は自然解凍です。エコキュートの配管が凍結するのは、多くの場合は気温が下がる夜間から朝方にかけての時間帯。翌日が晴れることがわかっている場合は、気温が上がるまで待ちましょう。待っているうちに自然解凍できる可能性があります。
ただし自然解凍なので、お湯が使用できるまでに時間はかかってしまいます。急いでお湯を使わなければいけない場合は、これから紹介する方法を試してみると良いでしょう。
配管にタオルを巻いてぬるま湯をかける
自然解凍している時間が待てないという場合は、配管にタオルや布を巻いてぬるま湯をかければ早く解凍できるようになるでしょう。ポイントは「ぬるま湯」と「タオルや布を巻く」ことです。
凍結している配管を早く解凍させようと熱湯をかけると、急激な温度差によって配管が劣化・破裂する危険があります。またタオルや布を巻くことで、ぬるま湯をかけたときに配管との温度差を緩和させることが可能です。
必ずタオルや布をかけてから、ゆっくりとぬるま湯で解凍していきましょう。
エラーコードが出ていたらリセットする
凍結になった場合は、リモコンにエラーコードが表示される可能性があります。その場合は解凍してお湯が出るようになってから、エラーコードのリセットを行ってください。リセットを行ってもエラーコードが消えないときは、メーカーや業者に連絡して見てもらいましょう。
解凍後にお湯が出ない場合の主な原因
解凍してもお湯が出ないことがあります。ここでは主な原因を紹介するので、解凍後にお湯が出ない場合は確認してみてください。
貯湯タンク内にお湯がない
解凍後にお湯が出ない原因のひとつが、お湯切れです。配管が凍ってしまう冬場は、お湯の使用量が多くなります。そのため単純に貯湯タンク内のお湯がなくなっていて、お湯が出ないだけの可能性も考えられるでしょう。
お湯切れになっていないかリモコンで確認して、必要であれば沸き上げを行ってください。時期の影響でお湯の使用量が多くなっている場合は、沸き上げる量を多めに設定しておくと良いでしょう。
雪によるヒートポンプユニットの不調
空気中の熱を取り込むためのファンが付いているヒートポンプユニットが、雪で埋もれてしまうことで不調になることも原因です。大雪でヒートポンプユニットが埋もれてしまうと、うまく空気中の熱が取り込みにくくなりお湯が沸きにくくなる可能性があります。
また雪がヒートポンプユニット内に入ることで、ファンが回らなくなることもあるでしょう。ヒートポンプユニットの周囲30cm以内に雪がある場合は、内部への侵入防止や空気の流れを確保するために取り除いてください。
そのほかの故障の可能性
凍結以外の原因でお湯が出ない可能性もあります。リモコンになんらかのエラー表示が出ていれば、なんのエラーなのか確認して対処しましょう。自力で対処できないエラーであれば、メーカーや業者に問い合わせて対応してもらってください。
そのほかの故障については下記記事をご覧ください
エコキュートが凍結で故障した際の費用相場
エコキュートが凍結で故障した際の費用相場は、状況によって数千〜数万円以上です。相場を確認しておき、適正な費用かどうかの判断材料として覚えておきましょう。
配管交換であれば数千~数万円ほど
エコキュート内部ではなく外部の配管が破損した場合の交換費用は、多くの場合は数千〜数万円ほどだと考えておけば良いでしょう。価格差があるのは、配管の長さや本数によって交換費用が変化するためです。
それ以外になると数万円~
ヒートポンプユニットや貯湯タンク内部の配管、電気回路、部品などが故障した場合は、数万〜数十万円ほどの費用がかかる可能性があります。内部の部品交換や修理で済めば、数万円ほどで解決できるでしょう。
しかしヒートポンプユニットや貯湯タンク全体の修理や交換になれば、それぞれ20〜30万円の費用がかかってしまいます。業者に現状を確認してもらい、見積もりに納得したうえで修理や交換を依頼するようにしてください。
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凍結などによるエコキュートが故障してしまった場合は、スピード対応してくれる新日本エネックスがおすすめです。
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またアフターサービスが充実しており、修理費用も良心的です。相談や見積もりは無料なので、気になる店があれば気軽に問い合わせてみてください。
まとめ
エコキュートを冬場に使用する際は、凍結防止対策が必須といえるでしょう。冬場の気温が低くなる時期はエコキュート内外の配管が凍結する可能性があり、損傷によってお湯が使えなくなることが考えられます。
凍結防止対策を疎かにしてしまうと、配管だけではなくヒートポンプユニットや貯湯タンク内部の故障にもつながる可能性もあるでしょう。故障の状況によっては高額な費用がかかってしまいます。
そのためメーカーが推奨している凍結防止対策に加えて、自分でも行える事前の対処法を実践しておくことが大切です。凍結防止対策を行って、エコキュートを凍結から守りましょう。