近年のエコ需要の拡大で太陽光発電や電気自動車以外にも、V2Hの存在が気になっているひともいるのではないでしょうか?
V2Hは電気自動車や太陽光発電との相性が抜群で、より経済的かつ利便性の向上に一役買ってくれる機器です。ですが、実際にV2Hがどんなもので、どんなタイプがあり、どう選んで良いのか分からないという悩みを持っているかもしれません。
今回の記事は、V2Hついて以下の内容を解説します。
- V2Hの基礎知識
- V2H導入のメリット・デメリット
- おすすめのV2H 7メーカー
- V2Hを選ぶポイント
- V2Hで活用できる補助金
より効果的に太陽光発電や電気自動車を活用できるので、検討している人は参考にしてみてください。
V2Hとは
V2H(Vehicle to Home)とは、電気自動車から自宅へ電気を給電するためのシステムです。Vehicle to Homeを直訳すると「車から家へ」という意味になります。電気自動車には、車を動かすためのエネルギーを貯めるバッテリーが搭載されています。このバッテリーは主にリチウムイオン電池が採用されており、一般家庭で使用する多くの蓄電池と同じものです。
つまり電気自動車は蓄電池の代わりとしても活用することが可能です。ただし電気自動車本体には、自宅へ給電するシステムは備わっていません。蓄えられている電気を活用するには、V2Hを介して自宅へ給電する必要があります。また太陽光発電を設置している人であれば、V2Hを活用すれば電気自動車へ充電することも可能です。V2Hは電気自動車や太陽光発電を、さらに有効活用するために便利な機器といえます。
V2H導入のメリット
V2H導入のメリットは以下のとおりです。
- 蓄電池代わりに使える
- 太陽光発電の余剰電力を有効活用できる
- 電気代の節約につながる
- 高速充電が可能
蓄電池代わりに使える
V2Hを導入すれば電気自動車を蓄電池代わりに使用することができます。電気自動車にはバッテリー(リチウムイオン電池)が搭載されており、そこに貯めた電気をエネルギーとして走ります。しかし貯めてある電気を外部で利用しようにも、電気自動車だけでは給電できません。そこで電気自動車の電気を外部へ給電するためのシステムとしてV2Hが必要になります。
また電気自動車には一般家庭に導入される蓄電池(最大16kWhほど)よりも、大容量なバッテリー(大きいもので60〜100kWh)が搭載されています。満充電すれば4人家族で数日分の停電にも耐えられるレベルです。停電時でも安心して電気を利用することができるようになります。V2Hを導入すれば電気自動車のバッテリーを最大限に活かせるでしょう。
太陽光発電の余剰電力を有効活用して節約できる
V2Hを導入すれば太陽光発電と電気自動車を連携させて、余剰電力を充電することが可能です。電気自動車もしくは太陽光発電だけで連携させることはできませんが、V2Hがあれば余剰電力を有効活用できます。また、通常は電気自動車に充電する際に、自宅やディーラー、公共施設などの充電設備を利用します。無料で充電できる場合もありますが、電気料金を払って充電しなければいけない人もいるでしょう。
ガソリン代よりは安く済むものの、少しでも節約したいのであれば太陽光発電の余剰電力を活用するのがおすすめです。余剰電力は自然エネルギーから生まれたものなので、どれだけ充電しても電気代は0円です。また太陽光発電を導入していなくても、安い深夜電力で充電することによって電気料金を節約することもできます。さらに電気自動車を使用しない時に貯めた電気を自宅に給電して利用しても、節約することが可能です。
高速充電が可能
V2Hには「倍速充電機能」を搭載している機器があります。電気自動車の充電設備は通常200Vとなっていますが、倍速充電機能を搭載しているV2Hであれば最大2倍のスピードで充電することが可能です。急速充電には及ばないものの、充電時間が約半分になるのは嬉しいメリットです。例えば日産のリーフ(62kWh)を自宅の普通充電器(200V・最大出力3kW)で充電する場合、満充電まで約21時間が必要になります。V2H(最大出力6kW)であれば約10時間で充電することが可能です。電気自動車のデメリットである充電時間の長さが半分になるため、V2Hの導入はかなり有効だといえるでしょう。
V2H導入のデメリット
V2H導入のデメリットは以下のとおりです。
- 寿命が短くなる可能性がある
- 設置スペースが必要になる
- 設置費用が高め
- 対応車種が限られる
それぞれ解説します。
寿命が短くなる可能性がある
V2Hを利用して自宅へ給電する回数が増えた場合、電気自動車のバッテリー(リチウムイオン電池)の劣化が早くなり寿命が短くなる可能性があります。リチウムイオン電池には「サイクル数(約6,000〜12,000回)」という寿命があり、充放電を1回すれば1サイクルとカウントされます。V2Hは自宅への給電や充電ができる一方で、その頻度が多くなるほどバッテリーの寿命が短くなっていく可能性を理解しておきましょう。
充放電を繰り返して劣化するとバッテリーの最大容量が徐々に減っていくため、電気自動車の航続距離も短くなってしまいます。最大容量が減って航続距離が短くなるほど充放電の回数が必然的に増えるため、バッテリーの劣化が加速していくことになります。バッテリーの劣化を防ぐためにも、バッテリー残量が20%ほどに減るまで使い切ってから充電しましょう。なるべく少なくなるまで使用することで、充放電の回数を減らして劣化を遅らせることができます。
設置スペースが必要になる
V2Hを設置するスペース(メンテナンススペースも含む)を確保する必要があります。例えば、ニチコンのEパワーステーション「VCG-666CN7」のサイズは「高さ:855mm 幅:809mm 奥行き:337mm(突起物除く)」となっています。またV2Hの本体サイズだけではなく、V2Hをメンテナンスできるように周囲のスペースも確保しなければいけません。スペースの詳細は以下のとおりです。
- 本体の背面:30mm以上
- 本体の前面:500mm以上
- 本体の上部:500mm以上
- 本体の側面(反対側):420mm以上
- 本体の側面(ケーブル側):300mm以上
VCG-666CN7のサイズに当てはめてみると「高さ:1,355mm以上 幅:1,529mm以上 奥行き:867mm以上」となります。メーカーやV2Hのサイズによって変化するため、設置スペースは要確認です。また電気自動車に充電しやすい位置も考慮して、設置スペースの確保を行いましょう。
設置費用が高め
V2Hを導入する際の設置費用は、以下の金額を目安にするといいでしょう。
- V2H本体価格(小売希望価格・税込):約40~170万円
- V2H設置工事費(一般的な相場):約30~40万円
本体価格と工事費込みで約70~210万円(あくまで目安)ほどになるといわれています。値幅が広いのは設置するV2H本体価格が異なるからです。例えばニチコンのスタンダードなタイプは「100V・最大出力3kW・停電時に太陽光発電から電気自動車へ充電できない」といった制限があるため価格が安くなっています。プレミアムでは「200V・最大出力6kW・停電時でも太陽光発電から電気自動車へ充電が可能」といった違いがあります。このような性能や機能差が価格を大きく左右しているため、どんなV2Hを導入したいのかを明確にしておくといいでしょう。
対応車種が限られる
V2Hに対応している車種は国内・海外メーカー合わせて限られています。国内メーカーの電気自動車は対応しているものが増えてきていますが、海外メーカーは対応車種が少ないのが現状です。そのため海外メーカーの電気自動車でV2Hの利用を検討している人は、必然的に乗れるメーカーや車種の幅が狭くなります。有名どころではメルセデス・ベンツ(EQE・EQS)やヒョンデ(IONIQ 5)といった車種くらいしか対応していません。アウディもe-tronを販売していますがV2Hには現状で対応していないため、人によってはデメリットになる部分でしょう。将来的には対応車種が増えてくる可能性はありますが、普及するまで気長に待つしかありません。
おすすめのV2H 7メーカー・特徴・価格
V2Hは各メーカーが、さまざまな機種を販売しています。どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれませんので、今回は以下のおすすめの7メーカー(産業用含む)と製品をご紹介します。
- ニチコン:EVパワーステーション
- デンソー:V2H-充放電器
- 三菱:SMART V2H
- 東光高岳:SmanecoV2H
- 椿本チエイン:eLINLK DC(産業用)
- アイケイエス:I_DENCON(産業用)
- GSユアサ:VOXSTAR(産業用)
ニチコン
ニチコンは「太陽光発電+蓄電池+電気自動車」を連携させ、最大限に電気を活用できるトライブリッドシステムを開発・販売しています。そんなニチコンの代表的なV2Hは「EVパワーステーション」です。
EVパワーステーションの特徴・価格
EVパワーステーションの特徴は以下のとおりです。
- 高機能でも低価格を実現(希望小売価格:49.8万円~)
- 系統連系なので電力会社や太陽光発電の電力を使用しながら、電気自動車からの給電も行うことができるため余裕のある電力供給が可能
- スマホの専用アプリを利用すれば室内からでも、電気自動車への充放電時間の設定などが行える(プレミアムモデルのみ)
- HEMSの通信規格である「ECHONET Lite」を採用しているため、将来的にVPP(バーチャルパワープラント)にもスムーズに対応できる
- 太陽光発電の電力より家庭の電力使用が少ない場合に、電気自動車への充電と電力会社への売電を行ってくれる「グリーンモード」がある
- 太陽光発電の電力よりも家庭の電力使用が多い場合に、電気自動車の電力から補う「充放電モード」がある
EVパワーステーションの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | VCG-663CN3(スタンダード) | VCG-663CN7(スタンダード) | VCG-666CN7(プレミアム) |
サイズ | 横:809mm 高さ:855mm 奥行き:337mm(突起物除く) | ||
ケーブル長さ | 約3.7m | 約7.5m | |
重量 | 88kg | 91kg | |
定格出力 | 家庭への充放電(系統連系時):6kW家庭への充放電(自立出力時):スタンダード3kW・プレミアム6kW | ||
定格電圧 | 家庭への充放電(系統連系時):200V家庭への充放電(自立出力時):スタンダード100V・プレミアム200V | ||
動作温度 | -20~+40℃ | ||
運転時騒音 | 40db-A | ||
保証期間 | 2年間 | ||
価希望小売価格(税込) | 547,800円 | 602,800円 | 877,800円 |
デンソー
自動車部品メーカーで有名なデンソーもV2Hを販売しています。そんなデンソーの代表的なV2Hは「V2H-充放電器」です。
V2H-充放電器の特徴・価格
V2H-充放電器の特徴は以下のとおりです。
- 住宅の外壁との相性が良い落ち着きあるメタリックグレーのカラーリング
- 野外での視認性を考慮して操作スイッチの文字を大きめにしている
- 腰窓などの干渉を考慮した設置しやすい親切サイズ
- コネクタ解除ボタンなどの操作を必要とせず取り外しが簡単なホルダー式を採用
- ケーブルが巻き取りやすく収納しやすいケーブルガイドがある(オプション)
- 高さを855mmに押さえた事による施工のしやすさ
- デンソー製HEMSとの連携で、より便利に電気を有効活用できる
V2H-充放電器の価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | DNEVC-D6075 |
サイズ | 横:809mm 高さ:855mm 奥行き:337mm(突起物除く) |
ケーブル長さ | 約7.5m |
重量 | 約91kg |
定格出力 | 6kW |
定格電圧 | 200V(系統連系時・自立運転時) |
動作温度 | -20~+40℃ |
運転時騒音 | 約45dB |
保証期間 | 5年間 |
価希望小売価格(税込) | オープン価格 |
三菱電機
いわずと知れた大手総合商社のグループである三菱電機もV2Hを販売しています。三菱電機のV2Hは「SMART V2H」です。
SMART V2Hの特徴・価格
SMART V2Hの特徴は以下のとおりです。
- 設置目的やライフスタイルに合わせた3つのモデルがある
- 太陽光発電の電力を売電に集中させたい時に、電気自動車からの電気を自家消費に利用できる「M7」モデルがある
- 太陽光発電の売電中に余剰買取価格を維持(売電量が増えれば価格が下る場合あり)させるため、電気自動車から自家消費させない「Y7」モデルがある
- 太陽光発電用パワコンを2台設置しても余剰買取単価を維持する「Y7W」モデルがある
- SMART V2Hは2021年3月に販売終了した
SMART V2Hの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | EVP-SS60B3-M7 | EVP-SS60B3-Y7 | EVP-SS60B3-Y7W |
サイズ | 横:842mm 高さ:1,219mm 奥行き:451mm(突起物含む) | ||
ケーブル長さ | 7m | ||
重量 | 158kg | ||
定格出力 | 6kW | ||
定格電圧 | 200V(系統連系時・自立運転時) | ||
動作温度 | -20~+40℃ | ||
運転時騒音 | 45dB | ||
保証期間 | 1年間 | ||
価希望小売価格(税込) | 1,859,000円 | 1,859,000円 | 1,969,000円 |
東光高岳
東光高岳は事業用の電力プラント事業や電力機器事業などを展開しており、家庭用のV2Hも販売しています。東光高岳のV2Hは「SmanecoV2H」です。
SmanecoV2Hの特徴・価格
SmanecoV2Hの特徴は以下のとおりです。
- 系統非連携なので電力会社の影響を受けない給電が可能
- 電力会社との切り替えの際でも0.01秒以下の停電のため、ほとんど影響を受けない
- 3kWの給電で生活に必要な家電が連続使用できる
- 他社よりも少しコンパクトな本体サイズ
- 3kWを超える電気使用量でも短時間(2分以内)であれば6kWまで給電できる
- 電気自動車のバッテリーを残しながらの給電が可能
SmanecoV2Hの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | CFD1-B-V2H1 |
サイズ | 横:530mm 高さ:742mm 奥行き:310mm(突起物除く) |
ケーブル長さ | 約3.7m(オプション:約7.5m) |
重量 | 約80kg(コネクタ除く) |
定格出力 | 3kW(2分以内なら6kW) |
定格電圧 | 200V |
動作温度 | -20~+40℃ |
運転時騒音 | 45dB以下 |
保証期間 | 1年間 |
価希望小売価格(税込) | 不明 |
椿本チエイン(産業用)
椿本チエインは一般用産業部品や輸送システムなどのビジネスを展開しており、V2X(Vehicle to X)対応の充放電装置を販売しています。椿本チエインの充放電装置は「eLINK」です。
※V2Xは車以外のインフラやネットワークなどと連携できる技術です。
eLINK DCの特徴・価格
eLINLK DCの特徴は以下のとおりです。
- 業界初の「直流給電システム」に対応している
- 直流機器同士の接続を効率的にすることで総合効率95%を達成している
- 停電時の複数電力の活用やCO2削減に貢献できる
- BUSの電圧範囲が広いためシステム設計が簡単にできる
- EMSからの充放電制御がスマート
- CHAdeMO認証取得済み
eLINLK DCの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | TPS20-A |
サイズ | 横:400mm 高さ:1,500mm 奥行き:300mm(突起物除く) |
ケーブル長さ | 約5.7m |
重量 | 約79kg |
定格出力 | 5kW |
直流電圧範囲 | BUS側:240~410VEV側:150~450V |
動作温度 | -20~+40℃ |
運転時騒音 | 不明 |
保証期間 | 不明 |
価希望小売価格(税込) | 不明 |
アイケイエス(産業用)
アイケイエスはバッテリーパックや充電器などを販売しており、V2X対応の充放電装置を販売しています。アイケイエスの充放電装置は「I_DENCON」です。
I_DENCONの特徴・価格
I_DENCONの特徴は以下のとおりです。
- 単相だけではなく三相タイプもあり、オプションで一部を単相にすることも可能
- 停電時に自動で自立運転モードに切り替わる
- それぞれにインターフェイスが内蔵されて一体化しているため電力ロスが少ない
- 太陽光発電優先の電力活用が可能
I_DENCONの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | S06JP010V | T10JP010V |
サイズ | 幅:560mm 高さ:1,150mm 奥行き:320 | |
ケーブル長さ | 5m | |
重量 | 220kg | 250kg |
定格出力 | 単相3線6kW | 三相3線10kW |
定格電圧 | 200V | |
動作温度 | -10~+40℃ | |
運転時騒音 | 不明 | |
保証期間 | 不明 | |
価希望小売価格(税込) | 不明 |
GSユアサ
GSユアサは自動車やバイクのバッテリーや産業用蓄電池・電源システムなどを販売しています。GSユアサの充放電装置は「VOXSTAR」です。
VOXSTARの特徴・価格
VOXSTARの特徴は以下のとおりです。
- 国内最大容量・業界初の三相10kWでV2H認証を取得している
- 業界トップクラスの最高効率92%を達成しており電力が少ない充放電が可能
- V2H非対応でもCHAdeMOに対応していれば充電が可能
- 屋外の操作もストレス行えるフルカラーの7インチ高輝度LCDを採用している
- 特定ユーザーのみ利用できるパスワードロック機能を搭載している
VOXSTARの価格やスペックは以下のとおりです。
型番 | VOX-10-T3-D |
サイズ | 幅:507mm 高さ:1,750mm 奥行き:675mm |
ケーブル長さ | 約5m |
重量 | 300kg以下 |
定格出力 | 放電時:9kW充電時:10kW |
定格電圧 | 200V |
動作温度 | -10~+40℃ |
運転時騒音 | 不明 |
保証期間 | 不明 |
価希望小売価格(税込) | 不明 |
V2Hを選ぶポイント
V2Hを選ぶ際は以下のポイントを意識するといいでしょう。
- 系統連系か非系統連系か
- 全負荷型か特定負荷か
- 定格出力
それぞれ解説します。
系統連系か非系統連系か
V2Hには「系統連系(電力会社と電気自動車の電力を同時に使用できる)」と「非系統連系(電力会社と太陽光発電の電力どちらかしか使用できない)」があります。非系統連系では電力を切り替える際は瞬間的に停電が発生します。電力を有効活用するなら、太陽光発電と電気自動車の両方が使える系統連系を選ぶと良いでしょう。
全負荷型か特定負荷型か
V2Hは停電時に特定の家電製品しか使えない「特定負荷型」と、家中の家電製品に対応している「全負荷型」があります。特定負荷型は使用できる家電製品が限られているため、全負荷型よりも長時間の使用が可能です。ただし電気自動車の蓄電池容量は大型で、V2Hのほとんどが全負荷型に対応しているため、快適に使用するなら全負荷型を選びましょう。
定格出力
電気自動車から家へ給電する場合に、出力の数字が大きいほど複数の家電製品を同時に使用できます。ただし多くの家電製品を同時に使用すれば電力使用量が多くなり、電気自動車に貯めてある電気が早く減ることには注意しましょう。また電気自動車への充電をする場合には、出力が大きいほど短時間で充電することが可能です。できる限り出力の多いV2Hを選ぶことをおすすめします。
V2Hで活用できる補助金
V2Hをお得に購入するために活用したい補助金は以下のとおりです。
- 令和4年度 CEV補助金(V2H充放電設備)
- DER補助金
- DP補助金
それぞれ解説します。
令和4年度 CEV補助金(V2H充放電設備)
国の補助金として有名なのがCEV補助金です。CEV補助金では対象となるV2H本体と設置工事費用の2つに対して補助金を受け取ることができます。補助額は以下のとおりです。
- V2H本体:最大75万円(補助率:上限1/2)
- 工事費用:最大40万円(個人・補助率:定額)
最大95万円(法人・補助率:定額)
ただし予算が組まれており、なくなり次第終了という補助金になっています。CEV補助金は毎年のように予算が組まれるため、補助金を活用するなら次年度まで待つのもいいでしょう。
DER補助金
DER補助金は一般社団法人イニシアチブ(Sii)が公募しています。DERの正式名称は「分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」で、この実証実験に貢献するV2Hなどの対象機器に補助金が出ます。補助額は以下のとおりです。
- V2H本体:最大75万円(補助率:上限1/2)
- 工事費用:最大40万円(補助率:定額)
DER補助金を受けるには実証実験に参加する必要があり、V2H以外の「太陽光発電・蓄電池・HEMS」も取り付ける必要があるため注意しましょう。
DP補助金
DP補助金も一般社団法人イニシアチブが公募している補助金です。正式名称は「ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」であり、実証実験に参加することで補助金を受け取ることができます。補助額は以下のとおりです。
- V2H本体:最大75万円(補助率:1/2)
- 工事費用:最大40万円(個人・補助率:定額)
最大95万円(法人・補助率:定額) - 実証協力金:6万円
補助金をもらう条件として「EV・PHV・PHEV」のいずれかを所有しており、対象の電力プランに2カ月間変更するなどです。他の補助金と違い協力金も発生するので、V2Hの導入を検討している人は参加を検討してみてください。
まとめ
V2Hはバッテリー(リチウムイオン電池)を搭載している電気自動車と、自宅や太陽光発電と連携させて電力を有効活用できる機器です。太陽光発電の余剰電力を電気自動車へ充電することや、電気自動車の電力を自家消費に使用できます。また普通充電器よりも約半分の時間で充電できるなどのメリットもあります。電気代や時間の節約に貢献してくれるのがV2Hです。
導入するには高額な費用が必要ですが、国などの補助金を活用すれば費用を抑えて設置ができます。さまざまなV2Hが販売されていますので、本記事でご紹介したメーカーや種類、選び方を参考にしてみてください。自宅に合うV2Hが見つけやすくなります。電気自動車を所有している人または購入予定の人は、V2Hの導入も検討して頂ければ電力を最大限に有効活用できるでしょう。
新日本エネックスでは多くのV2H導入実績がございます。