「そろそろ太陽光発電のメンテナンスをした方がいいのかな?」
「というかメンテナンスって本当に必要なの?」
太陽光発電システムをご家庭に導入して数年経つと、気付かないうちに不具合が起きてないか心配ですよね。
本記事では、太陽発電のメンテナンスに関して以下のようなことを解説していきます。
- メンテナンスが絶対に必要な理由
- メンテナンスの種類と費用の目安
- 施工業者を選ぶコツ
この記事を読めば、太陽光発電でのリスクを避けられ、損しないための知識が手に入るのでぜひ参考にしてください。
太陽光発電のメンテナンスが絶対に必要な3つの理由
結論として、太陽光発電のメンテナンスは絶対に必要です。
メンテナンスの詳しい方法などは後ほど紹介するので、まずはメンテナンスが必要な3つの理由を解説していきます。
主に以下の理由です。
- 発電効率が低下するから
- 発火などを未然に防ぐため
- 改正FIT法で保守点検が義務化されたから
発電効率が低下するから
メンテナンスが必要な理由の1つ目は、発電効率が低下するからです。
特に太陽光パネルは屋根に設置しているため、雨風にさらされていつの間にか損傷している可能性があります。
損傷したパネルでは、当然ですが発電効率を最大限発揮できずに、発電量が下がってしまいます。
また、鳥の糞や落ち葉などが付着すると陰ができ、発電効率の低下につながります
発火などのリスクを未然に防ぐため
メンテナンスが必要な2つ目の理由は、発火などのリスクを未然に防ぐためです。
事例として、屋根に設置してある太陽光パネルに鳥の糞が付着した部分がホットスポット(熱が溜まる箇所)になり、そこから発火するなど。
また、小動物がパネルにつなぐケーブルを損傷させて漏電することもあります。
定期的なメンテナンスをすることによって、上記のような事故を未然に防げるでしょう。
消費者庁も太陽光発電システムの火災について、メンテナンスを推奨しているレポートがあるので参考にどうぞ。
>>住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!
改正FIT法で保守点検が義務化されたから
メンテナンスが必要な3つの理由は、そもそも法律で定期的な保守点検が義務化されているからです。
2017年の改正FIT法の施行により、一般家庭でも電気事業法に基づく保守点検が必要になりました。
メンテナンスと保守点検を同時に行うことで安定的に太陽光発電を稼働しつづけることが可能です。
保守点検を怠った場合は、最悪のケースで認定の取り消しも考えられ、売電によって得られていた利益を失うので気をつけましょう。
太陽光発電に必要なメンテナンスの種類と費用の目安
改正FIT法では、具体的なメンテナンス項目は示されていませんが、下記のような民間団体が発表している点検ガイドラインを参考にするように推奨されています。
定期メンテナンスは、基本的には業者に依頼しましょう。
素人知識では点検すると、見落としがあったり、思わぬ事故につながる危険性があるからです。
では、ここでは業者に依頼するメンテナンス内容と、かかる費用の目安について解説していきます。
- 各種設備の定期点検
- 太陽光パネルの清掃・洗浄
- パワーコンディショナーの修理・交換
各種設備の定期点検
まず基本となるのが定期点検です。
メンテナンスの頻度は設置後1年目、5年目、9年目、以降は4年毎にするのが推奨されていて、各種設備の点検を業者に依頼しましょう。
定期点検では主に、
- 太陽光パネル
- パワーコンディショナー
- 架台などの周辺機器の点検
- パワーコンディショナーの電圧点検、絶縁抵抗測定
上記のようなことを行います。
4年に一度の定期点検の費用としては、1万円〜2万円ほどが目安です。
ただ、依頼する業者によって費用は大きく変わるので気をつけましょう。
業者を選ぶ方法は後ほど解説します。
太陽光パネルの清掃・洗浄
太陽光パネルの清掃や洗浄も定期メンテナンスで行います。
汚れを掃除するくらい自分で出来そうに思えますが、危険なので辞めましょう。
パネルの清掃では屋根にのぼる必要があり、転落する可能性があります。
また、自分で清掃する最中にパネルを破損させると、保証の対象外になるかもしれません。
また水道水で洗ってしまったせいで水垢やカルキが残り、発電効率が落ちる可能性があります。
専門の業者による清掃・洗浄を必ず受けるようにしましょう。
費用の目安としては、3万円〜6万円ほどでパネルの数によっても変わります。
パワーコンディショナーの修理・交換
太陽光発電設備で特に壊れやすいのがパワーコンディショナーです。
台風で雨水が侵入して故障したり、落ち葉が目詰まりして排熱が上手くいかなくなる可能性があります。
できるだけ保証期間内に修理ができるように、日頃から定期点検で問題をすぐに見つけられるようにしておきましょう。
パワーコンディショナーの修理・交換について詳しく知りたい方は下記を参考にしてください。
>>パワーコンディショナーの修理・交換費用と依頼前のチェックリスト
自分で出来る太陽光発電のメンテナンス方法
太陽光発電システムの不具合や故障を、出来るだけ早く見つけられるように日頃からセルフメンテナンスをするようにしましょう。
業者に頼らずに自分で出来るメンテナンスは下記のようなものがあります。
- 目視点検
- 草刈り・除草
目視点検
まず簡単に出来るのが目視点検です。
- パネルの上に汚れや落ち葉などが付着していないか
- パワーコンディショナーから異音・異臭がないか
- 各ケーブルに損傷がないか
- 台風や地震の後に異常がないか
上記のようなことに、日頃から気をつけるようにしましょう。
また、異常があった際は、自分で直そうとすると余計に事態が悪化する可能性があるので、まずは専門業者に相談するのをおすすめします。
草刈り・枝切り
パワーコンディショナーの周辺などに雑草が生えていると、内部まで草が侵入して故障につながります。
また、ご自宅の近くに木などがあると枝が伸びてパネルを日陰にしてしまう可能性も。
日頃から草刈りや木の枝を切ることで、上記のようなトラブルを防げます。
ただ、パワーコンディショナーの周辺などは電気系統のケーブルがあるので、草刈りの際は傷をつけないように注意しましょう。
木の枝を切るときも、作業が困難な場合は転落の危険があるので、業者に依頼するのをおすすめします。
実際に、定期メンテナンス時に草刈りや枝切りを行う業者もいるので安心してください。
太陽光発電のメンテナンス会社を選ぶコツ【損しないために】
では、太陽光発電のメンテナンスを行ってくれる会社を選ぶコツについて解説します。
メンテナンス会社は慎重に選ばなければ、必要以上に高額な請求をされたり、点検漏れがでる可能性が高いです。
主に以下の5つに注意して選ぶようにしましょう。
- 知名度や実績が十分であるか
- 点検と修理の両方ができるか
- メーカー保証に対する知識を持っているか
- ホームページで施工事例を公開しているか
- 複数の業者に見積もりを依頼する
知名度や実績が十分であるか
まずは、知名度や実績が豊富な業者に依頼するようにしましょう。
知名度や実績があるかどうかを確認するにはGoogleマップを使うのがおすすめです。
Googleマップ上では、その業者の口コミなどの客観性の高い評価を調べられるので参考になります。
出来るだけ口コミが多く、評価の良い業者を選ぶようにすればトラブルが起きるリスクも少なくなるでしょう。
点検と修理の両方ができるか
点検と修理の両方に対応できるか、という点も重要です。
業者によっては、ノウハウが不足していて修理となると外注する場合もあります。
そのような業者であれば、かかる費用もその分高くなるでしょう。
ですから、点検と修理の両方をできる施工業者にメンテナンスを依頼するようにしてください。
メーカー保証に対する知識が十分であるか
設置した太陽光発電システムのメーカーに対する知識がある業者に依頼するのもコツの一つです。
メーカーの保証期間ないであっても、対象となるかは判断が難しい場合があります。
そのため、点検する業者にはメーカー保証に対する知識と、ちょっと言い方は悪いですが、いかに不具合を保証に適応させるかというノウハウが必要です。
ですから、メンテナンスを施工する業者にはメーカー保証への知識があるかどうかも重要なポイントになります。
ホームページで施工事例を公開しているか
施工業者の信頼性や実績を確認するには、ホームページ上で施工事例を公開しているかどうかも確認するようにしましょう。
自社のホームページで施工事例を公開している、ということはそれだけ実績やノウハウが豊富である証拠です。
例として、私たち新日本エネックスでは実際に施工した内容をホームページ上で掲載しているので参考にしてみてください。
複数の業者に見積もりを依頼する
ここまで紹介した「業者を選ぶコツ」を踏まえた上で、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
一社だけの見積もりでは、本当に自身に最適な提案をしてもらえているかを確認できません。
複数の見積もりを比較検討することで、より得ができるプランを選ぶことができます。
太陽光発電のメンテナンスをすれば寿命も伸びる
ここまで解説したメンテナンスや信頼できる施工業者を選ぶことで、太陽光発電システムの各種設備の寿命を伸ばすことができます。
太陽光発電システムの寿命には、
- 法定耐用年数
- 期待寿命
上記の2つがあります。
法定耐用年数とは、「普通に使っていれば、新品の状態からこれくらいの年数は耐えるはず。」と法律で決められている年数のことです。
一方で、期待寿命とは「実際に稼働している設備が平均して作動し続ける年数」のこと。
定期的なメンテナンスを行うことで、この期待寿命を大きく伸ばせるのです。
実際に京セラというメーカーが、佐倉ソーラーセンターに1984年に設置した太陽光パネルがいまだに正常稼働しています。
太陽光発電システムの主要なパーツがどれくらいの寿命なのか紹介しておくので参考にしてください。
太陽光パネルの寿命
太陽光パネルの寿命は以下の通りです。
- 法定耐用年数…17年
- 期待寿命…20年〜30年
太陽光パネルは可動部がなく、また汚れも雨などで流れやすいように設計されているので、それだけ長い寿命に期待できます。
パワーコンディショナーの寿命
パワーコンディショナーの寿命は以下の通りです。
- 法定耐用年数…17年
- 期待寿命…10年〜15年
パワーコンディショナーもパネルと同じく法定耐用年数が17年となっていますが、期待寿命の方が短くなっています。
これはパワーコンディショナーが特に壊れやすく、修理が必要になるからです。
業者による定期メンテナンスだけでなく、日頃から目詰まりを起こしていないかなどをセルフメンテナンスしておくのをおすすめします。
蓄電池の寿命
蓄電池の寿命は以下の通りです。
- 法定耐用年数…6年
- 期待寿命…10年〜30年
期待寿命に関して、10年〜30年と大きく幅があるのには理由があります。
蓄電池は、メーカーによって製造方法や使用されている材質が様々で、一概には蓄電池の期待寿命を測ることができないからです。
>>家庭用蓄電池は何年もつの?家庭用蓄電池の寿命について解説
損しないために太陽光発電の定期メンテナンスをしましょう
では、最後に本記事の内容をまとめていきます。
太陽光発電のメンテナンスが必要な理由としては、主に以下の4つ。
- 発電効率が低下するから
- 発火などを未然に防ぐため
- 改正FIT法でメンテナンスが義務化されたから
- 太陽光発電システムの寿命を伸ばすため
そして、定期メンテナンスを依頼する施工業者を選ぶには以下の5つに注意するようにしましょう。
- 知名度や実績が十分であるか
- 点検と修理の両方ができるか
- メーカー保証に対する知識を持っているか
- ホームページで施工事例を公開しているか
- 複数の業者に見積もりを依頼する
私たち新日本エネックスでは、数多くの太陽光発電システムの施工に関わった実績があります。
メンテナンスを依頼する施工業者にお困りであれば、ぜひ新日本エネックスにご相談ください。