エコ需要の増加や電気料金の値上がりなどの要因で、家庭用に蓄電池の導入を検討している人は多いのではないでしょうか?
家庭用蓄電池といっても多くのメーカーや特徴、機能、容量、価格などさまざまです。初めて蓄電池を導入する人にとっては、何を基準に選べば良いのか悩むかもしれません。
今回の記事では家庭用の蓄電池に関して以下の内容を解説します。
- 家庭用蓄電池の基礎知識
- 家庭用蓄電池の種類やタイプ
- 家庭用蓄電池のメリット・デメリット
- 家庭用蓄電池のおすすめメーカー
- 家庭用蓄電池で失敗しないポイント
- 家庭用蓄電池がおすすめな人
- 家庭用蓄電池の成功事例
家庭用蓄電池について詳細に解説していますので、検討している人は参考にしてみてください。
家庭用蓄電池とは?
家庭用蓄電池とは、一般家庭用に開発された電気を貯めたり使用することができる電池です。蓄電池は「二次電池(繰り返し使える)」であり、一般的な単三電池などは「一次電池(使い切り)」になります。
家庭用蓄電池を導入すると貯めた電気を活用して節電効果を高めたり、停電時に貯めた電気を家電製品に使えるなどのメリットがあります。近年の需要の高まりから多くのメーカーが、さまざまな機能やタイプの蓄電池を開発・販売し世に送り出しています。
家庭用蓄電池が普及する背景
蓄電池が普及し始めたのは2011年頃からであり理由は2つあります。1つ目は東日本大震災による災害への停電対策意識の向上、2つ目はFIT(電力会社が一定の価格で太陽光発電の余剰電力を買い取る固定価格買取制度)の順次終了が主な理由です。
実際に蓄電池の導入数は年々増えており、2011年には約2,000台だったのに対して2020年では約14万台と大幅に伸びています。またSDGsの普及によるエコ意識の高まり、電気料金の値上げ、国や地方自治体からの補助金などにより今後も需要の高まりが予想されます。
業務用蓄電池との違い
蓄電池には一般家庭で使用する家庭用と、オフィスや工場などで使用する「業務用」があります。使用用途は、どちらも節電効果や停電対策を目的としており大きな違いはありません。ただし容量などのスペックや価格に大きな違いがあります。
業務用蓄電池の容量は、より多くの電力を消費するオフィスや工場などで使用できるように家庭用の数倍〜何十倍もあります。また容量が多くなるほど蓄電池のサイズが大きくなり、価格も家庭用より数倍以上になります。さらに業務量蓄電池ならではの「UPS(無停電電源装置:常に安定した電力を供給する装置)」などが付いているのは家庭用蓄電池との違いといえます。
家庭用蓄電池に使われる「リチウムイオン電池」とは?
蓄電池には「リチウムイオン電池・ニッケル水素電池・鉛電池・NAS電池」という4つの種類があります。リチウムイオン電池以外の電池は、サイズや特徴によって家庭用蓄電池としての使用は最適ではないため業務用で使用されるなど馴染みがないでしょう。
このなかでもリチウムイオン電池の名前は知っている人がいるかもしれません。「コンパクト・軽量・繰り返し充放電可能・劣化しづらい・急速充電可能」といった特徴から、ノートパソコンや電気自動車などにも使用されているからです。リチウムイオン電池はサイズや特徴などを考慮すれば、家庭用蓄電池として最適な種類といえます。
家庭用蓄電池の負荷タイプ
家庭用蓄電池には停電時に影響を及ぼす2つの「負荷タイプ」があります。
- 全負荷タイプ(家中の家電製品が使える)
- 特定負タイプ(特定の家電だけ使える)
それぞれ詳細に解説します。
全負荷タイプ
全負荷タイプは停電時に家中の家電製品に電力を供給する仕組みなので、急な停電でもいつもどおりの生活が可能です。家庭用蓄電池の容量が多ければ、停電時でも1~1日半ほどは家電製品が使用できます。また電力消費の高いエアコンやIHクッキングヒーターなどの200V家電にも対応しているため安心です。
ただし後述する特定負荷タイプよりも停電時の使用時間が少なくなることや、価格が高くなることは理解しておきましょう。停電時でもいつもどおりに安心して過ごしたい人は、全負荷タイプを選択しておくことをおすすめします。
特定負荷タイプ
特定負荷タイプは停電時に特定の家電製品のみに電力を供給する仕組みなので、必要最低限の使用のみに抑えることができます。そのため全負荷タイプよりも使用時間が長くなり、停電が長引く場合に冷蔵庫などの重要な家電に集中して電力を供給することが可能です。また価格が安めで室内にも設置できるコンパクトなタイプが多いのも特徴です。
ただし全負荷タイプよりも停電時に2~4つほどの家電製品しか使用することができず、通常通りの生活はできません。使用時間が長くなることの弊害が、ここで生まれています。さらに電力消費の高い200V家電に対応していない蓄電池が多いことを理解しておいてください。さらに近年では全負荷タイプの方が「停電時に強い」ということで普及しており、特定負荷タイプが少なくなっていることも覚えておきましょう。価格を抑えたい、停電時でも必要最低限で良いという人は特定負荷タイプの選択がおすすめです。
家庭用蓄電池のタイプ
家庭用蓄電池には、単体で使用できるものや太陽光発電や電気自動車と連携して有効活用できる充電方式のタイプがあります。
- 単機能型
- ハイブリッド型
- トライブリッド型
生活スタイルや環境に合うタイプを選択することで、より節電効果や停電時の安心感が増しますため詳細に解説します。
単機能型
単機能型は、蓄電池と蓄電池用パワコン(パワーコンディショナー)がセットになっているタイプです。他の充電方式よりも安価で独立性があり蓄電池単体でも使用できます。電力会社から購入した電気を蓄電池に貯めておけば停電時に活用することが可能です。また太陽光発電との組み合わせも可能で余剰電力を貯めることができます。蓄電池用のパワコンがあるため太陽光発電メーカーを気にせず設置が可能です。
太陽光発電との併用は可能ではあるものの変換ロスが多くなるという注意点があります。太陽光発電で発電した直流を家庭用で使用するには、パワコンで交流に変換しなければいけません。単機能型は独自のパワコンがあるため、蓄電池に貯めるには2回変換することになるため変換ロスが発生します。また蓄電池とパワコンを設置する場所も必要だということも理解しておきましょう。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、蓄電池と太陽光発電で使用するパワコンを1台にまとめたタイプです。蓄電池と太陽光発電のパワコンを1台で共有することで、変換回数が1回になり発電効率が良くなります。そのため停電時の出力も高いのが特徴です。パワコンが内蔵されているタイプが多く、コンパクトで設置場所の選択肢が広がります。また停電時でも太陽光発電からの余剰電力を蓄えることができるため、電力を長時間使用することも可能です。
ただし、すでに太陽光発電を導入している場合は注意が必要です。ハイブリッド型を選択すると太陽光発電側のパワコンが不要になるため撤去する費用が発生します。また単機能型よりも機能面(運転モードの多さなど)で優れているため価格が高くなりがちです。太陽光発電と蓄電池のメーカーが別の場合は、相性が悪く効果を得られなかったり太陽光発電の保証がなくなるといった可能性があります。必ず相性や保証は確認しておきましょう。
トライブリッド型
トライブリッド型は、太陽光発電・蓄電池・電気自動車の3つが活用できるタイプです。太陽光発電から得た余剰電力を蓄電池に貯め、蓄電池に貯めた電力をV2H(電気自動車のバッテリーを充放電できるシステム)で電気自動車へ充電することが可能です。また停電時には太陽光発電のみならず、電気自動車のバッテリーからも給電できるメリットがあります。安い深夜電力や太陽光発電の余剰電力を活用すれば、全体の節電効果アップに期待できるでしょう。
一方で連携できる機器が多いことから設置スペースの確保をしなければいけません。トライブリッド型を販売しているニチコンでは、以下の機器が必要になります。
- トライブリッドパワコン
- トライブリッド蓄電池
- V2Hスタンド、ポッド
またトライブリッド型の蓄電池をフル活用しようとすれば、上記でご紹介した機器が必要になるため導入費用が高めになります。電気自動車の購入も検討されるのであれば、さらに費用がかかるでしょう。単機能型やハイブリッド型よりも電力が活用できる反面、こうした部分を理解して導入を検討してください。
家庭用蓄電池のメリット
家庭用蓄電池には以下のメリットがあります。
- 太陽光発電との相性が良い
- 節電効果がアップする
- 停電時でも電気が使える
- 電気自動車への充電も可能
- 家庭環境に合わせて選べる
それぞれ解説します。
太陽光発電との相性が良い
家庭用蓄電池は太陽光発電との相性が良いといわれています。それはお互いの弱点をカバーしてくれるからです。太陽光発電は太陽が出ている時しか発電できず、基本的に雨の日や夜に電気を生み出して使用することはできません。
一方で蓄電池は自ら電気を生み出せないものの、太陽光発電の余剰電力を貯めておくことができます。貯めた電気は雨の日だろうが夜だろうが使用できます。自ら電気を生み出せる太陽光発電と、その電気を天候や時間帯に関係なく使用できる蓄電池は相性が抜群といえるでしょう。
節電効果がアップする
家庭用蓄電池を導入することで、今までよりも節電効果アップが実現する可能性があります。例えば太陽光発電で発電した余剰電力を蓄電池に蓄えておき、夜のピーク時に使用することができます。昼間は太陽光発電の電気を使用し夜は蓄電池に貯めた電気を活用すれば、電力会社からの電気は必要最低限で済むでしょう。
また太陽光発電を導入していない場合でも、家庭用蓄電池を導入することで節電効果に期待できます。安い深夜電力を蓄電池に貯めておき昼間のピーク時に使用することで、昼間の電気料金が高い時間帯の電気を必要最低限に抑えることが可能です。
停電時でも電気が使える
台風などの災害や事故などが原因で起こる停電時において、家庭用蓄電池を導入しておけば電気を使用することができます。使用できる時間は蓄電池の容量次第ですが、4kWh以上の蓄電容量があれば約1日分の消費電力を確保できるといわれています。
さらに停電になった場合は自動で停電用のモードに切り替わって給電してくれたり、事前に天候を予測して前日に蓄電池へ充電してくれるなど、停電対策に万全な機能が備わっているものがあります。停電はいつ、どんな原因で起こるか予測しづらいため、対策として蓄電池を導入することは安心につながるでしょう。
電気自動車への充電も可能
家庭用蓄電池のなかには、V2Hを併用することで電気自動車への充電ができるトライブリッドシステムがあります。太陽光発電の余剰電力や安い深夜電力を活用して、蓄電池からV2Hを介して電気自動車へお得に充電できるようになります。
また停電時にもV2Hを介して、電気自動車のバッテリーに残っている電気を蓄電池へ給電することが可能です。天候が悪くて太陽光発電の余剰電力が貯められない場合でも、蓄電池へ電気を貯めることができるメリットもあります。
家庭環境に合わせて選べる
家庭用蓄電池は家庭環境や生活スタイルに合わせられるように、さまざまな容量やサイズを各メーカーが販売しています。普段から電気使用量が多い家庭なら、家庭用のなかでも大容量な10kWh以上の蓄電池を選ぶことができます。また将来的に家族が増えて電気使用量が増える場合には、増設できる蓄電池を選ぶことも可能です。
マンションなどの設置スペースが限られているなら、室内用や屋外でも邪魔になりづらいコンパクトな蓄電池を扱っているメーカーもあります。各メーカーが家庭環境を考えた蓄電池を開発しているため、さまざまな選択肢があるのも魅力です。
家庭用蓄電池のデメリット
家庭用蓄電池には多くのメリットがある一方で、以下のデメリットも存在します。
- 初期費用が高め
- 容量に限りがある
- 寿命がある
- 設置できない環境がある
それぞれ解説します。
初期費用が高め
家庭用とはいえ蓄電池の初期費用は高めだといえるでしょう。蓄電池の初期費用は大きく分けて「蓄電池本体+工事費用(設置や配線など)」が必要になります。これらの費用は蓄電池の容量やスペック、設置工事会社によってさまざまです。
あくまで一例ですが、4~5kWhのコンパクトな蓄電池本体は目安として100万円前後の費用です。工事費用の目安は50万円以内が多いものの、設置業者によってはプラスで費用が発生するかもしれません。もちろん蓄電池本体の容量が多くなれば本体価格が増えますし、太陽光発電などと併用するのかでも工事費用は変化します。
容量に限りがある
家庭用蓄電池の容量は約4~16kWhとなっています。対して業務用蓄電池の容量は数十〜数百kWhほどと、容量の上限が多いものがあります。容量の上限が多いほど貯められる電気の量が増えるため、安い深夜電力や太陽光の余剰電力を多く活用できるでしょう。
ただし一般的な家庭においては10kWh前後あれば十分といえます。4人家族で使用する1日の平均が約10kWhほどといわれており、これだけの容量があれば日中の電力消費をまかなえたり停電時でも1~1日半ほど電気を使用できるでしょう。
寿命がある
蓄電池全般にいえることですが、電気を充放電できる回数(寿命)があります。1回の充放電を「1サイクル」としており、一般的な蓄電池では6,000サイクル、長寿命なものでは2倍の12,000サイクルほどとなっています。
一般的な使用方法は1日に1サイクルが多く6,000サイクルが寿命だとすれば、1年の365日で割ると約16年ほど使用できる計算になります。これが12,000サイクルでは倍の約32年です。ただし、これらはあくまで目安であり、使用方法や環境、トラブルや故障などで短くなることもありえます。多くのメーカーは寿命分(15年が多い)の保証期間を設定していることが多いため、それほど心配しなくてもいいでしょう。
設置が推奨されない環境がある
家庭用蓄電池は設置が推奨されていない環境があります。例えば蓄電池は人がメンテナンスできるだけのスペースの確保が必要なので、狭いスペースへの設置は避けるべきです。さらに設置する場所が蓄電池の重量に耐えられそうにない(屋外なら基礎工事をすれば設置可能な場合あり)、金属製や可燃性の高い床材の場合なども推奨されていません。
また下記のような環境でも設置を避けるべき(機種による)です。
- 塩害地域(海岸に近い潮風の影響を受ける地域)
- 寒冷地や豪雪地帯
- 岩礁隣接地域
- 電界の影響が大きい場所
- 風通しの悪い場所
- 振動や衝撃の影響が大きい場所 など
設置できない、または推奨されていない環境は、蓄電池のカタログや担当者に聞いて確認しておきましょう。
おすすめの国産家庭用蓄電池メーカー
家庭用蓄電池を販売しているおすすめの国産メーカーは以下のとおりです。
- ニチコン
- 京セラ
- Panasonic(パナソニック)
- SHARP(シャープ)
- omron(オムロン)
- CIC(長州産業)
- 田淵電機
- 伊藤忠商事
- 住友電工
それぞれの主な特徴を解説します。
ニチコン
ニチコンは世界で初めて「蓄電池・太陽光発電・電気自動車」を連携させた「トライブリッド蓄電池システム」を開発し販売しています。V2Hを使用した「蓄電池→電気自動車への充電」、「電気自動車のバッテリー→蓄電池への給電」が可能です。またAIが気象情報から天候を予測し、事前に蓄電池へ充電してくれるなど停電対策にも優れています。
京セラ
京セラは世界初の「クレイ型リチウムイオン電池」を内蔵した蓄電池を扱っています。クレイ型リチウムイオン電池は「安全性が高い・低コスト・長寿命」が売りの蓄電池です。またマルチDCリンクタイプの蓄電池もあり、太陽光発電で作った電気を直流のまま蓄電池に蓄えられるため変換ロスが少なくなります。デザイン性にも優れており、継ぎ目のないスッキリした外観は場所を選ばず設置しやすいといえます。
Panasonic(パナソニック)
Panasonicは2012年に開発した「創蓄連携システム」が強みです。太陽光発電と蓄電池を1台のパワコンで制御することで、変換ロスを減らし効率よく連携させて電気を活用できます。また4つのラインナップの一つである「創蓄連携システムS+」は、最大で37.8kWhという大容量までの増設が可能(17.76kWh以上は消防署への届け出が必要)です。AIを活用した「AiSEG2」は、天気を予測することで充放電を最適化して停電に備えることができます。
SHARP(シャープ)
SHARPは「クラウド蓄電システム」でハイブリッド型の蓄電池を扱っているため、太陽光発電と蓄電池を効率よく活用することができます。ハイブリッドなのでパワコンが1つでコンパクトかつスッキリとした見た目が特徴です。電気自動車への充電もできるEV連携タイプの蓄電池もあります。また「COCORO ENERGYモニタリング」ではサーバーが常に機器を監視してくれるため、トラブルや稼働状況をスマホで確認することができます。トラブルに強いシステムがあるため安心です。
omron(オムロン)
omronは豊富なラインナップが強みです。業界最大クラスのものから世界最小クラスのものまで、さまざまな家庭環境に合った蓄電池を扱っています。また全体的にコンパクト設計であり、設置場所に困らない蓄電池が多いのも魅力でしょう。太陽光発電との併用も可能なハイブリッド蓄電システムの他に、蓄電池だけでも使用可能な「単機能蓄電池」も多く用意されています。
CIC(長州産業)
長州産業は「スマートPVマルチ」が人気です。単機能型としてもハイブリッド型としても使用できます。さらに業界最小クラスのコンパクトさや、11,000サイクルといった長寿命も強みです。また全負荷型か特定負荷型かを選択することもできます。蓄電容量は6.5/9.8/16.4kWhと、コンパクトなものから大容量なものまでラインナップも豊富です。15年の長期保証付きなので安心して使用できます。
田淵電機
田淵電機は太陽光発電パネルを独自で生産していないため、他社メーカーとの相性を考えた設計になっているのが特徴です。メーカーが異なると相性の問題で発電効率が低下したり、連携できなかったりする可能性があります。すでに太陽光発電を導入している人にとっては選びやすいメーカーといえるでしょう。またリン酸リチウムイオン電池を採用しているため劣化に強く、寿命も長いという強みもあります。
伊藤忠商事
伊藤忠商事は「SmartStarシリーズ」の蓄電池が人気です。「グリッドシェア」というAIシステムが強みで、気象予報に基づいて発電量を予測したり、電力使用パターンを学習して最適な充放電を実現してくれます。さらに初期費用0円で蓄電池と太陽光発電が導入できる「Beeフラット」という月額利用料支払いのプランがあり、契約終了後に蓄電池を無料で譲渡してくれます。初期費用を抑えて導入したい人は注目のメーカーです。
住友電工
住友電工は「POWER DEPOシリーズ」を販売しており、マンションにも設置できるコンパクトなタイプから12.8kWhという大容量なタイプまで揃っています。10〜15年の長期保証が付く他、無料の見守りサービス(インターネット回線を通して24時間監視してくれる機能)が付いています。トラブルが起きても迅速に対処できるでしょう。また急な停電時でも充電を100%にしてくれる「緊急充電モード」搭載のPOWER DEPOⅣなど、停電時でも心強い蓄電池を扱っています。
おすすめの海外家庭用蓄電池メーカー
低価格で品質の高い海外のおすすめ蓄電池メーカーは以下のとおりです。
- HUAWEI(ファーウェイ)
- JinKoSolar(ジンコソーラー)
- Tesla(テスラ)
- ハンファQセルズジャパン
それぞれ解説します。
HUAWEI(ファーウェイ)
HUAWEIは太陽光発電のパワコンのシェアが2015〜2019年に世界1位、スマホのシェアも世界2位を獲得したことがあるほど有名で技術力の高いメーカーです。「LUNA2000シリーズ」の蓄電池は5/10/15kWhという3つのラインナップがあり、5〜30kWhまで自由に拡張できます。またコンパクトで業界最軽量という点もポイントです。安全性の高さや全負荷型のハイブリッド蓄電システムなど、さまざまな強みがあります。
JinKoSolar(ジンコソーラー)
JinKoSolarは太陽光発電メーカーとして世界でシェア1位という実績があります。「SUNTANKシリーズ」という蓄電池も販売しており、全負荷型でハイブリッドタイプとなっています。6.1/9.2/12.3kWhという3つの蓄電容量が選べ、12,000サイクルという長寿命が特徴です。また他社では見かけない「手動モード」という、自分のタイミングで充電や放電をコントロールできるモードがあります。保証は15年と長いので安心です。
Tesla(テスラ)
Teslaは電気自動車で有名で、その最先端を行く技術力は確かなものがあります。「Powerwoll」という蓄電池は設置場所を選ばないほどデザイン性が高く、シンプルでコンパクトな割に蓄電容量は13.5kWhと必要十分です。アプリで電気消費量の確認や節約の最適化、現在の稼働状況が見れるなど便利機能も備わっています。全負荷型なので停電時でも通常どおりに電気が使える安心感があります。また水冷式の冷却システムが内蔵されているため、夏場の暑い時期でも問題なく稼働するのも強みです。
ハンファQセルズジャパン
ハンファQセルズジャパンは、住友電工、omron、田淵電機、デルタ電子といった、さまざまなメーカーのOEM蓄電池を扱っているのが特徴です。スペックや機能など家庭に合う蓄電池を探しやすいでしょう。全負荷型なので停電時でも安心して使うことができます。また「HQJB-A」という自社ブランドのハイブリッド型蓄電池も販売しています。業界トップクラスの変換効率96.5%を実現しており、コンパクトで安全性の高い蓄電池です。こちらは特定負荷型となっているため、特定の家電を長時間使用することができます。
家庭用蓄電池で失敗しないためのポイント
家庭用蓄電池を導入する際は、以下のポイントを抑えておきましょう。
- 導入する目的を明確にする
- 過去の電気使用量などを調べる
- 蓄電池を置くスペースの確保
- 太陽光発電の併用も検討する
- 相見積もりをする
- 補助金を活用する
それぞれ解説します。
導入する目的を明確にする
蓄電池を導入する目的を明確にすれば、どんな容量や機能が必要なのかが分かります。4人家族で太陽光発電と併用しつつ普段も停電時もお得に安心して電気を使用したいなら「ハイブリッド型、10kWh以上の大容量、全負荷型」が必要でしょう。蓄電池の種類や機能などはさまざまなので、目的に合わず思った恩恵を受けられない蓄電池を導入するリスクを避けることができます。
過去の電気使用量などを調べる
過去の電気使用量(1年分)を調べることで、必要な蓄電池の容量を探しやすくなります。過去1年分を調べれば季節要因による偏りを減らせるため、年間の平均を出すことができます。普段から電気使用量が少ないのに、必要以上の容量を導入してしまうなどのリスクを避けることができるでしょう。
蓄電池を置くスペースの確保
蓄電池を置くスペースの確保は、導入前に必ずチェックしておきたいポイントです。蓄電池本体の大きさはもちろんですが、メンテナンスのために人が作業しやすいスペースも必要です。また蓄電池を搬入する際の経路の確保も必要です。隣の家との間に設置するのであれば、経路やスペースの確認はしておくべきです。
太陽光発電の併用も検討する
蓄電池と太陽光発電は相性が良く、併用することで高い節電効果を得やすくなります。また停電対策としても有効です。太陽光発電または蓄電池のどちらかだけ導入している人は、どれだけお得になるかのシミュレーションをしてみるのもいいでしょう。また新築で導入する場合は相性が良い同じメーカー同士の太陽光発電と蓄電池がおすすめです。
相見積もりをする
蓄電池は販売店によって価格がピンキリなので、必ず相見積もりをしましょう。相場に合う適正な価格の販売店もいれば、相場とかけ離れた価格を提示する販売店もいます。また工事費なども合わせて見積もりを出してもらい、トータルの金額を複数社と比較して検討するといいでしょう。決して安い買い物ではないので販売店選びは慎重に行ってください。
補助金を活用する
蓄電池には国や地方自治体(行っていない場合もある)が導入をサポートしてくれる補助金があります。蓄電池は初期費用が数十万円~数百万円ほど必要になる場合が多いため、導入に踏み切れない人もいるでしょう。例えば国から出ている補助金では「DER」が有名で、令和4年度では1kWhあたり約3.7万円の補助がされます。5KWhの蓄電池であれば約185,000円の補助が出る計算です。どんな補助金が適応できるのかや、申請条件などの詳細は販売業者に聞いてみてください。多くの販売店は申請代行もしてくれるので補助金を活用してみましょう。
家庭用蓄電池がおすすめな人
家庭用蓄電池の導入がおすすめなのは以下のとおりです。
- 太陽光発電を導入している人
- 電気自動車を所有している人
- 停電時に安心して電気を使いたい人
- 電力を有効活用して節電したい人
それぞれ解説します。
太陽光発電を導入している人
すでに太陽光発電を導入していて蓄電池を導入していない人におすすめです。太陽光発電と蓄電池は、お互いの足りない部分を補えるため相性が良いといえます。より電力を有効活用するなら蓄電池の導入を検討してみましょう。
電気自動車を所有している人
電気自動車を所有している、または購入を検討している人にもおすすめです。蓄電池とV2Hを組み合わせることで、安い深夜電力や太陽光発電の余剰電力を電気自動車への充電を行うことができます。普段よりも電気料金がお得になる可能性があるため、検討の余地はあるでしょう。
停電時に安心して電気を使いたい人
突然の停電でも安心して、いつもどおり電気を使いたい人には蓄電池が心強い味方になってくれます。太陽光発電の余剰電力や電力会社からの電気を貯められるため、停電時でも電気を使うことができます。
電力を有効活用して節電したい人
蓄電池は単体でも安い深夜電力を購入して貯めておいて、日中のピーク時に使うことで節電効果を高めることができます。また太陽光発電と併用すれば、さらに電力を有効活用しながら節電効果に期待できるでしょう。
蓄電池を導入した成功事例
実際に蓄電池を導入した人の事例を2件ご紹介しますので、参考にしてみてください。
竹田様の事例
導入設備:長州産業の太陽光発電2.8kwと蓄電池6.5kw、オール電化
元々、太陽光発電や蓄電池に興味を持っており、設置する目的は「光熱費の節約」でした。太陽光発電も同時に導入された理由は「電気を貯められて、災害時でも役立つから」というものです。実際に導入した結果は節電効果がアップしただけではなく、電気の使用に対するご家族の意識も変わったとのことでした。
インタビュー動画はこちら
桐原様の事例
導入設備:長州産業の太陽光発電2.8kwと蓄電池6.5kw
導入した目的は「電気代節約」でした。導入後は節電効果が実感できているため、あまり気にせずに電気を使用できているとのことです。導入前と比べて変わった部分は「時間帯を気にせず使える」部分で、光熱費が格段に安くなったとのことでした。
インタビュー動画はこちら
まとめ
家庭用蓄電池は、近年のエコ需要や災害時の停電対策として導入数が増えています。各メーカーから、さまざまなスペックや機能を搭載した蓄電池が多く販売されています。そのため、どの蓄電池を選んで良いのか悩んでしまいがちです。まずは導入する目的を明確にすることが大切です。目的を明確にすれば、どんな蓄電池が必要なのか見えてきます。
さらに今回ご紹介した家庭用蓄電池の基礎知識やメリット・デメリットなどを理解しておけば、より正確に選べるようになります。失敗しないためのポイントも意識して頂ければ、後悔のない蓄電池ライフを実現できるでしょう。蓄電池は決して安い買い物ではないため、よく検討して家庭に合うものを導入することをおすすめします。