hems(ヘムス)というシステムをご存知でしょうか。
ご家庭でのエネルギー使用状況を可視化することで、省エネかつ節電効果を一般家庭にもたらしてくれるシステムです。
実はこのhemsですが、蓄電池や太陽光発電と一緒に導入されていることが多いです。
蓄電池や太陽光発電と一緒に導入することでさまざまなメリットがあるため、現在では一般家庭でも積極的に導入されています。
そこで今回の記事では、hemsに関する次の4点を中心に解説します。
- hemsとは
- なぜ蓄電池や太陽光発電と一緒に導入するのか
- hemsを導入するメリット
- hemsを導入するデメリット
- 利用できる補助金について
hemsは国が今後すべての住宅に導入したいと考えているシステムです。そのため今後私たちの生活には欠かすことができないものになる可能性があるので、今の家に詳しい内容を把握しておきましょう。
hemsについて
ここではhemsについて、基本的な知識を中心に解説していきます。
そもそもhemsとは?
そもそもhemsとは「 Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」を略したものです。その名の通りご家庭での「エネルギーを管理できる」システムになります。
基本的な機能としては、ご家庭での電力消費量をわかりやすく可視化することです。いつもどの時間に電気が使われているのかチェックすることができるので、節約やエコを意識した暮らしを送ることが可能になります。
またハイスペックのものであれば、家電製品1つ1つの消費電力を調べることができるのもhemsの特徴です。
これまでは電力会社から送られてくる請求書でしか、毎月の電気料金を確認する術はありませんでした。
しかしhemsを導入することにより、1日単位で細かいところまで電力消費の実情を調べることができるようになったのです。
欠かせないスマートメーター
hemsを語る上で欠かすことができないのがスマートメーターです。
スマートメーターとは、情報通信機能を有している電力メーターのことを指します。電力メーター自体が通信機能を有しているため、ご家庭から直接電力会社へと消費電力を送ることができるため、これまで必要だった検針作業がいらなくなるのです。
経済産業省資源エネルギー庁の見通しによると、2020年代には日本の一般家庭全てに行き渡ると考えられています。
政府も導入を推奨しているのは本当か?
hemsシステムは政府が積極的に導入を推奨しています。その理由は主に次の2つです。
- 温室効果ガスの削減
- 発電設備の安定運用と低コスト化
現在世界中で「脱炭素」が叫ばれている中で、日本でも炭素に向けた様々な取り組みが行われています。
その中の1つが温室効果ガスの削減です。
2022年には「改正地球温暖化対策推進法」が施行されて、温室効果ガスを2030年度までには約46%減らすという中期目標が立てられています。
その一環としてhemsシステムは政府が導入を推奨しており、今後一般家庭に浸透していくことは間違いありません。
またhemsは、発電設備の安定運用と低コスト化を図ることのできる可能性があるとして注目されています。
常に消費電力をコントロールできるhemsであれば、1つ1つの家庭の消費電力を削減することが可能です。
そのため今後の電力消費を削減しできるだけ発電設備を安定運用、低コスト化するための効果があるのではと期待されています。
なぜhemsを蓄電池や太陽光発電と一緒に導入するのか
実はhemsは蓄電池や太陽光発電と一緒に導入したほうがお得であるというのはご存知でしょうか。
そこでここでは、なぜhemsを蓄電池や太陽光発電と一緒に導入した方が良いのかについて解説します。
蓄電池を効率よく制御してくれる
hemsを利用する最大のメリットは、ご家庭の電気消費を効率的に整理をしてくれるという点です。
これは日常生活で使用する家電製品だけではなく、蓄電池や太陽光発電にも当てはまります。
hems・蓄電池・太陽光発電の3つが揃っている住宅のことをスマートハウスといい、主に次のようなことが可能となります、
- 昼間に作った電気を貯めておいて夜に使うことができる
- 災害時に電力供給が亡くなったとしても、蓄電池に貯めておいた自家発電の電気を使うことができる
- 昼間に太陽光発電で作り余った電気を売り、深夜の安い電気を蓄電池に貯めておく
このように3つを併用することにより、ご自宅の電力消費を効率的なものにできるのです。
災害に備えて自動で電気を充電してくれる
近年では地震や大雨などの災害に備えて、蓄電池や太陽光発電を導入するご家庭もかなり増えました。
地震調査研究推進本部地震調査委員会が発表している調査によると、今後30年以内に大規模な地震が起きる確率は、日本の多くの地域で約26%以上だと言われています。
一度大規模な地震や災害が起きると、長期間電気が止まってしまい不自由な生活を強いられてしまうのは避けられません。
しかし蓄電池や太陽光発電を導入することで、災害の中でもある程度日常生活に近い毎日を送ることができます。
さらにhemsも導入していれば、毎日の消費電力を効率よくすることができるため、電力切れの心配をする必要もありません。
このように災害対策でも非常に優秀であることから、hemsは太陽光発電や蓄電池と一緒に導入されることが多くなっているのです。
hemsを導入するメリット
ここではhemsを導入するメリットについて解説します。
より具体的な節電が可能
hemsは今現在ご自宅の電気がどこでどのくらい使われているのかを簡単に調べることができます。
家全体の消費量だけではなく、それぞれの家電製品の消費電力はもちろんのこと、太陽光発電の発電量や蓄電池の残量なども確認することが可能です。
電子機器の操作が簡単になる
hemsを導入すると、電子機器の操作が簡単になるのも魅力的なポイントです。
例えば、万が一洗濯機を回しっぱなしにしたまま忘れてしまったとしても、スマートフォンに洗濯終了の通知を送ることによりうっかり放置を防ぐことができます。
他にも炊飯器の炊き忘れをリマインドしてくれたり、電気自動車の充電が必要なことを事前に通知したりしてくれるのもhemsの特徴です。
外から家電製品を操作可能
hemsを導入すれば、お持ちのスマートフォンで住宅にある電子機器の操作ができるようになります。
家の中でスイッチのオンオフができるのはもちろんのことですが、外出中にも操作することができるためかなり便利です。
例えば、寒い冬に帰ったら暖かい部屋になっているようにエアコンをつけておいたり、鍵をかけ忘れたら外出先から施錠したりすることもできます。
蓄電池・太陽光発電との併用が可能
hemsと蓄電池・太陽光発電を併用することで、ご家庭の電力消費をより効率的にできます。
例えば、台風などの大雨で停電が予測される場合、天気予報から自動的に予測して、万が一の時に備え蓄電池を前日までに充電する運転も行なってくれます。
hemsがその時々に応じて最適の太陽光発電や充電を行ってくれるため、突然災害や停電などが起きても天気を心配することなく生活を送ることができるでしょう。
hemsを導入するデメリット
ここではhemsを導入するデメリットについて解説します。
導入にはコストが必要
hemsを自宅に導入するためには、ある程度のコストが必要になります。
実際にhemsはどれくらいのコストが必要なのか、以下に表としてまとめたので参考にしてください。
機器 | 目安の価格 |
hems本体 | 2~20万円程度(メーカーや種類によって金額は変動します) |
hems対応分電盤もしくは電力計測機器 | 通常の分電盤:数万円電力計測機器:2~5万円 |
上記はhems本体と取り付けに必要な分電盤や電力計測機器のみの価格です。
この他にもhemsに対応している設備機器やアダプター、スマートスピーカーなどもあります。専用機器の購入や導入のための工事費用は必ず必要となるので、事前に業者から見積をもらうと良いでしょう。
ただしhems導入の際には補助金を利用できる場合もあるので、実際にはお得に導入できる場合もあります。
対応機器があまりない
hemsはまだ国が導入を推奨している段階なので、メーカーによって対応機器があまりない場合もあります。
hemsに対応していない電子機器であっても、消費電力がどれくらいなのかというのは確認することが可能です。
しかし効率的な電力制御をするためにはhems専用の機器が必要になります。
もっとも2030年に向けて、国が導入を推奨していることもあり、毎年のように対応機器が増えつつあります。
そのため対応機器があまりないというデメリットは、時間が経過するごとに解消される可能性が高いといえるでしょう。
蓄電池や太陽光発電の補助金でhemsが導入できる?
ここまで紹介してきたように、hemsは国が推進している温室効果ガス削減を達成するために重要な役割を有しています。
そのため国や地方自治体でも、hemsを新しく導入するご家庭に向けて補助金を交付しています。
国からの補助金は一般社団法人環境共創イニシアチブの公式ホームページから、地方自治体の補助金はお住まいの都道府県の市区町村のホームページから確認することが可能です。
蓄電池や太陽光発電だけではなくhems導入の際にも補助金を利用できる場合があるので、ご自宅に導入を検討しているという方は必ず確認しておきましょう。
hems導入なら蓄電池や太陽光とセットで新日本エネックスにご相談を!
hemsは現在国が導入を推奨している最先端のシステムです。
将来的には日本の全ての導入することを目標としているため、近い将来hemsが私たちの生活に欠かすことのできないものになる可能性もあります。
新日本エネックスでは、hems導入を検討しているご家庭のサポートをしています。
そのご家庭に最適のhemsだけではなく、太陽光発電設備や蓄電池なども紹介しているので、興味がある方は1度気軽にご相談ください。
普段の電気代を節約し万が一の災害の時に備えることのできるhems。蓄電池や太陽光発電設備とセットで導入を検討してみてはいかがでしょうか。