電気自動車(EV)の充電器を自宅に設置することで、夜休んでいる間にフル充電され快適なカーライフを過ごせます。
しかし、電気自動車の充電器にはいくつかの種類があり、さらにはそれぞれ特徴があるため、ご家庭に適したものを選ぶのは難しいでしょう。
そこで本記事では、
- 電気自動車の充電器の種類と特徴
- 充電設備を導入する手順・工事の流れ
- 電気自動車の充電器に利用できる補助金
- 電気自動車の充電器を販売する主要メーカーの特徴
上記のようなことについて解説します。
この記事を読めば、自宅で使用する電気自動車の充電設備に関する基本的な知識を獲得でき、さらにはお得に導入する方法まで理解できるので、ぜひ参考にしてください。
電気自動車の充電器の種類
まずは、電気自動車の充電器の種類について解説します。
電気自動車の充電器は大別すると、以下の2種類です。
- 普通充電設備
- 急速充電設備
普通充電設備
普通充電設備は、一般的な家庭でも利用できる交流単相200Vで充電をします。
一般家庭の他にも、レジャー施設や旅館、レストランなどの長時間滞在する場所で使用されるものです。
本体価格も比較的安く、導入費用が数万円〜の製品もあり、また省スペースに適しているものもあります。
この普通充電器のタイプとしては、
- スタンドタイプ
- 壁掛けタイプ
- コンセントのみ
上記のように複数のタイプが用意されています。
また、充電時間は4〜8時間程度です。
急速充電設備
急速充電設備は、短時間で充電ができるのが特徴で、一般的に3相200Vが使用されます。
主な設置場所としては、高速のサービスエリアやコンビニ、道に駅などの短時間だけ滞在する場所です。
現在では国の後押しもあり、設置場所は全国的に急拡大されており、今後もさらに増えると予想されます。
また、充電時間は30〜60分ほどです。
自宅で使う電気自動車の充電器の種類と設置費用
先ほど、電気自動車の充電設備には、普通充電と急速充電の2種類があると解説しましたが、自宅で使う充電器は基本的に普通充電器が選ばれます。
そして、その普通充電器にも下記のように種類があり、それぞれ詳しく解説していくので、どれをご自宅に設置すべきかの参考にしてください。
- 壁面取り付けコンセントタイプ
- スタンドタイプ
- V2H機器
本体価格+工事費用 | 充電時間 | |
壁面取り付けコンセントタイプ | 10万円〜 | 10時間〜13時間 |
スタンドタイプ | 20万円〜 | 10時間〜13時間 |
V2H | 70万円〜 | 7時間〜8時間 |
※上記の表はあくまで目安であり、実際には車種や充電器のメーカーなどにより変わります。
壁面取り付けコンセントタイプ
自宅で電気自動車を充電するときに主流なのが、この壁面取り付けタイプです。
設置費用が安く、無理なく設置できるのが特徴で、フル充電までの時間はそれなりにかかりますが、基本的には13時間程度で充電を完了できます。
ただし、自宅の電力が100Vしかない場合、充電器の出力が低下し、倍以上の充電時間が必要になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
スタンドタイプ
スタンドタイプの充電器は、設置場所の自由度が高く、駐車場までの距離が離れている場合によく選ばれます。
また、このスタンドタイプは複数の電気自動車を同時に充電できるのも特徴の一つです。
充電時間は、先ほど紹介した壁面取り付けタイプの充電器と同じくらいの製品が多くなっています。
ただ、先ほど紹介した壁面取り付けタイプの充電器よりも、工事費用が高額になる傾向があるので注意が必要です。
V2H機器
v2hとは「Vehicle to Home」の略称です。
日本語に直訳すると「車から家へ」という意味となっており、具体的には電気自動車の電気を自宅で利用できるようなシステムのことを指します。
一般的な電気自動車は自宅から充電することはできますが、逆に電気自動車側から自宅へと電気を送ることができません。
しかしv2h対応の電気自動車であれば、ご自宅へと自動車に溜まっている電気を送ることができます。
このV2Hは設置費用が高額であるため、まだ普及が進んでいませんが、災害時の停電などに役立つことから、最近では国や自治体からの補助金による導入の後押しが行われています。
V2Hについて、さらに詳しく知りたい方は下記を参考にしてください。
>>v2hとは?v2hと電気自動車との関係やご自宅に最適なものを選ぶポイント
自宅に電気自動車の充電器を設置する手順・工事の流れ
では、実際に電気自動車の充電器をご自宅に導入する際の手順や工事の流れについて解説していきます。
- どのタイプの充電器にするか選ぶ
- 施工業者を探す
- 見積もりをしてもらう
- 工事開始
手順①:どのタイプの充電器にするか選ぶ
まずは、ご自宅の駐車場の状況や予算によってどのタイプの充電器にするかを選びましょう。
前述したように電気自動車の充電器には大きく分けて下記の3種類があります。
- 壁面取り付けコンセントタイプ
- スタンドタイプ
- V2H機器
初期費用をできるだけ抑えたいのであれば、壁面取り付けタイプの充電器をオススメします。
自宅から離れた場所に駐車場があるか、一度に複数の電気自動車を充電したいのであれば、スタンドタイプの充電器がいいでしょう。
また、自然災害などによる停電時の対策として、電気自動車からご自宅へ電気を供給したい場合はV2Hもオススメです。
V2Hは、他のタイプの充電器と比べて工事費用が高額になりますが、国や自治体からの補助金も公募されているので、ぜひ活用しましょう。
電気自動車の充電器を導入するときに利用できる補助金については後ほど解説します。
手順②:施工業者を探す
どのタイプの充電器を設置するか決めた後は、工事を依頼する施工業者を探しましょう。
信頼できる施工業者を選ぶためには、やはり電気自動車の充電器についての施工実績が豊富な業者に依頼するべきです。
また、施工業者はできれば複数の業者に見積もりをお願いして、それぞれを比較してどれが自身に最適な提案かを考えるのもポイントです。
施工業者を一つに絞って見積もりをお願いすると、本当にそれが今の状況に適しているか、また費用が相場と著しく乖離していないか判断できません。
そして最近では、ネットの記事や動画サイトで仕入れた知識を使って、自分で工事をするDIYが流行っていますが、充電器の工事を自分で行うのは絶対にやめましょう。
電気自動車の充電設備を工事にするには、電気工事士の資格が必要であり、無資格者が工事をするのは違法になります。
また、一見するとDIYによる工事がうまく行った場合でも、ある日急に不具合が起こり重大な事故になる危険もあり、そのような場合は各種保険も適用されない可能性もあるため注意が必要です。
複数の見積もりを比較検討する
信頼できる複数の業者を選んだ後は、それぞれの業者の方に見積もりを出してもらい、それぞれを比較検討しましょう。
- 自身の要望に応えた工事内容であるか
- 説明に不明瞭な点や納得できない箇所がないか
- 他の業者と比べて工事費用が高すぎないか
- アフターケアなどの工事後についても丁寧に説明してくれているか
上記のような点に注意して、複数の見積もりの中から最適な提案を選びましょう。
また、見積もりの段階でお住まいの自治体からの補助金について利用できるかを尋ねてみるのもオススメします。
工事開始
工事内容・工事費用について納得した後は正式に依頼し工事が開始されます。
ご自宅の状況や工事内容によって変わりますが、工事にかかる時間は早ければ数時間程度で終わるでしょう。
電気自動車の充電器を導入するに利用できる補助金
電気自動車の充電器を導入する際に利用できる補助金は、国や地方自治体が主に公募しています。
自治体の補助金については、お住まいの地域によって内容が大きく変わるので、お住まいの自治体のホームページで確認してみましょう。
ここでは国から委託を受けた、一般社団法人次世代自動車振興センターによる「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」について紹介します。
「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助」とは?
クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金とは、一般家庭でも利用できる電気自動車の充電設備を対象にした補助金で、一般的には「充電インフラ補助金」という名称で呼ばれます。
電気自動車を所有するご家庭の駐車場に設置する充電設備が対象になっており、これには賃貸マンションや分譲マンションも含まれます。
ただ、令和4年度の公募は2023年1月現在すでに締め切っていますが、令和5年度も同じように公募されると予想されるので、これから充電インフラ補助金を申請しようと思っている方は、公式ホームページの情報を確認するようにしましょう。
クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金の補助率
充電インフラ補助金の補助率や注意点について解説します。
補助対象となる経費とその補助率は以下の通りです。
補助率 | 上限額 | |
充電設備の本体費用 | 50% | 7〜35万円 |
充電設備の工事費用 | 100% | 95〜135万円 |
補助率と上限額は、充電器を設置する場所や機器の出力、機能によって変わるので注意しましょう。
また、工事補助額は工事項目ごとに審査があり、補助率が100%であっても全額が補助対象とは限りません。
充電インフラ補助金について、さらに詳しく知りたい方は下記の公式ホームページを確認しましょう。
>>充電インフラ補助金サイト|一般社団法人次世代自動車振興センター
電気自動車の充電設備を対象にした補助金について、最新の情報や不明点などを質問したい場合は下記のリンクからお気軽にご相談ください。
電気自動車の充電器を販売するメーカーの特徴
では、電気自動車の充電器を販売しているメーカーの中でも、口コミ評価が高くオススメできるものを紹介します。
これから電気自動車の充電器を購入する時の参考にしてください。
- トヨタホーム
- パナソニック
- 日東工業
- 内外電機
- 河村電器
トヨタホーム
トヨタホームは、誰しもが知っているトヨタ自動車のグループ企業であるため、製品の性能や信頼性は高いと言えます。
同じグループ企業である豊田自動織と日東工業で共同開発した充電器も販売しており、様々なニーズに応える幅広い製品を取り揃えているため、トヨタ製の車に乗っている方はもちろん、それ以外の方も多く利用しているのがトヨタホーム製の充電器です。
パナソニック
パナソニックは家電メーカーとして有名で、知らない方はいないでしょう。
そのため、認知度の高さからパナソニック製の充電器を選ぶ方も多いです。
また、パナソニック製の商品は種類が豊富で、多くの方がそれぞれのニーズに合わせて選びやすいというのも特徴になります。
日東工業
日東工業は分電盤をはじめとした電気機器を販売するメーカーとして有名です。
「安心・安全」を第一にしており、豊田自動織機と連携してEV充電器を開発したことからも信頼性の高さがうかがえます。
また、日東工業オリジナルの有償保守サービスである「あんしん修理サポート」を展開しており、月額330円(年3,960円)で1年に1回まで現地へのかけつけ修理が無償になっているので、万が一の故障時にも安心です。
内外電機
内外電機は知名度こそ低いですが、創業100年を迎える業界では知られた電機設備メーカーです。
老舗の電機設備メーカーでありながら、常に時代に寄り添った新しい試みに挑戦するのも特徴であり、製品の生産性の向上を進めながらも環境への配慮を忘れずに、電気自動車の充電器のコストダウンに成功しています。
河村電器
河村電器は、分電盤や省エネ・情報通信機器、太陽光発電システムなどの製造を行うメーカーです。
費用が安価である点や製品の使いやすさを評価され、口コミで人気が高いメーカーであるのが特徴になっています。
シンプルな機能と低価格を重視する方には、特にオススメできるメーカーです。
電気自動車を最大限活かすならV2Hがオススメ!
これから電気自動車の充電器をご自宅の駐車場に設置しようと考えている方には、V2Hタイプの充電器がオススメです。
通常であれば、自宅からの電気を電気自動車へと一方向でしか送れませんが、V2Hなら家から自動車へ、そして自動車から家への電力供給が可能になります。
電気自動車から家へと電気を送れるようになると、自然災害による停電時にも安心して電気を使えます。
また、V2Hは一般的な他の普通充電設備と比べて充電時間を半分ほどに短縮できるのも特徴です。
V2Hはこれまで設置費用の高額さから普及して来ませんでしたが、最近ではV2Hを対象にした国や自治体からの補助金が公募されはじめたのをきっかけに、急速に導入するご家庭が増えています。
V2Hに興味はあるけれど、初期費用が不安な方は下記で補助金について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
>>【2023年最新】V2Hの初期費用を抑える補助金の種類や申請方法を解説
電気自動車の充電器で迷ったら、まずはご相談を!
自宅で利用される電気自動車の充電器について、種類や設置する手順、補助金などについて解説しました。
電気自動車の充電器には、壁面取り付けタイプやスタンドタイプ、そしてV2Hなどの種類があり、またそれぞれ販売しているメーカーも数多くあります。
選択肢が豊富であるために、逆にどれを選ぶのが正解か不安になっている方も多いのではないでしょうか。
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