自宅のカーポートを有効利用して「太陽光発電を導入してみたい」または「屋根以外で増設してみたい」と思ったことはありませんか?
太陽光発電は設置できるスペースがあれば、カーポートの屋根を利用して発電することが可能な「ソーラーカーポート」があります。しかし、ソーラーカーポートは「実際にどんなもので、どう選んで良いのか分からない」といった悩みを持っているかもしれません。
今回の記事は、ソーラーカーポートについて以下の内容を解説します。
- ソーラーカーポートの基本
- ソーラーカーポートのメリット・デメリット
- ソーラーカーポートの費用相場
- ソーラーカーポートの導入ポイント
- ソーラーカーポートがおすすめな人
ソーラーカーポートを活用できれば、よりエコでお得な生活ができる可能性があるので、検討している人は参考にしてみてください。
ソーラーカーポートとは?
ソーラーカーポートとは、屋根と4本の支柱だけで構成された簡易的な車庫(カーポート)に太陽光パネルを取り付けたものです。通常の屋根に付けるタイプの太陽光発電よりも手軽に設置できるほか、自宅のカーポート(立地)を有効活用できます。発電した電気は自家消費に使用したり、V2Hなどの機器で電気自動車への充電が行えるなど活用方法は多岐にわたります。こうした「自家発電・自家消費」の環境を整えることで、高くなりつつある電気代の削減につながるといえるでしょう。
ソーラーカーポートの種類
ソーラーカーポートには下記の3つの種類があります。
- 太陽光発電一体型カーポート
- 太陽光発電搭載型カーポート
- 太陽光発電オーダーメイド型カーポート
太陽光発電一体型カーポート
太陽光発電一体型カーポート(以後、一体型)は、フラットな屋根に太陽光パネルが搭載されているタイプです。一般的なカーポートの屋根には、アーチ状の丸みを帯びたタイプがあります。しかしアーチ状では太陽光パネルを載せることができません。さらに太陽光パネルや関連部品(架台など)の重量を考慮した設計になっているため、一般的なカーポートよりも耐荷重や耐久性に優れたものになっています。見た目もシンプルでスッキリしたデザインのものが多いのが特徴です。車を日差しや雨から守るだけではなく太陽光発電も同時に行えるため、導入費用の回収や自家消費などに貢献してくれるでしょう。
太陽光発電搭載型カーポート
太陽光発電搭載型カーポート(以後、搭載型)は、従来のカーポートに太陽光パネルが後付けできるタイプです。カーポートと太陽光パネルを別々に設置できるため、太陽光パネルの角度を調整したり、取り外して通常のカーポートとして利用したりできます。
しかし太陽光パネルを設置する際は、カーポートの素材や耐荷重を確認しなければいけません。太陽光パネルは1枚あたりの重量が約10〜20kgほどなので、従来のカーポートの耐荷重を超えてしまう可能性があります。耐荷重を超えてしまうと、地震や積雪によって倒壊する危険性が高くなるためです。また屋根の素材はポリカーボネート(耐衝撃性に優れたプラスチック)ではなく、スチール折版(暴風や積雪に対応する強度の高さがある)かどうかもチェックしましょう。
太陽光発電オーダーメイド型カーポート
太陽光発電オーダーメイド型カーポート(以後、オーダーメイド)は、自宅の敷地の広さに合わせたり素材を選べたりするなど、自由に設計できるタイプです。もちろん太陽光パネルの角度を調整することもできます。見た目も機能性も満足できるソーラーカーポートが手に入ります。しかし自由が効くオーダーメイドであるがゆえに、導入費用は高くなりがちです。また設計次第では建築基準を確認する手間が発生したり、量産できなかったりするため工事完了までの期間は上記の2つに比べて長めです。このような特徴を踏まえて、予算や自宅の環境に合ったソーラーカーポートを選択しましょう。
ソーラーカーポートの導入メリット
ソーラーカーポートのメリットは以下のとおりです。
- 住宅用の太陽光パネルより導入しやすい
- 住宅用の太陽光パネルより発電効率が高め
- 停電対策として活用できる
- 土地の有効活用ができる
- 電気自動車の充電ができる
- 売電収入が得られる
- 早ければ作業日数は約1日程度で終わる
- 電気代の削減につながる
- 10kW以上設置するとFIT期間が伸びる
それぞれ詳細に解説します。
住宅用の太陽光パネルより導入しやすい
住宅用の太陽光パネルは、屋根の大きさや形状、素材、周辺環境などに合うものがなければ設置できない可能性があります。しかしソーラーカーポートなら、屋根がフラットでスクエアな形状なので太陽光パネルが設置しやすい設計です。自宅の屋根に設置できない場合に、ソーラーカーポートは太陽光発電を始める有効な手段といえます。また自宅の景観を気にして「屋根に太陽光パネルは設置したくないけど、太陽光発電はやってみたい」という人にもおすすめです。ソーラーカーポートは屋根よりも低く、太陽光パネルの角度が浅いため、目立ちにくいといったメリットもあります。住宅用の太陽光パネルよりも導入しやすいといえるでしょう。
住宅用の太陽光発電より発電効率が高め
住宅用の太陽光発電よりもソーラーカーポートの平均発電容量のほうが、平均で約1.2倍の数字になるといった調査結果があります。ソーラーカーポート専門店のトモシエが、2021年1月〜2022年8月までのユーザーデータをもとに算出したものです。住宅用太陽光発電の平均発電容量は5.35kW(※1)に対して、ソーラーカーポートは6.28kW(※2)という結果になっています。大きな要因として挙げられるのは、住宅用の太陽光パネルよりもソーラーカーポートのほうがスペースを最大限に活用できている点です。また地面からの反射光でも活用できる両面で発電するタイプもあり、住宅用の太陽光発電よりも発電効率が良いとされています。
※1 参考:国内外の再生可能エネルギーの現状と 今年度の調達価格等算定委員会の論点案
※2 参考:SDGs ONLINE
停電対策として活用できる
ソーラーカーポートは太陽光発電で電気を作り出せるため、電気が使用できない停電時に活躍します。自宅への給電はもちろんのこと、蓄電池やV2H(電気自動車の充放電を行える機器)などの機器を揃えることで停電対策として最適な環境が構築できます。電気自動車を所有していれば充電することができますし、V2Hがあれば家庭への給電も可能です。太陽光発電から自宅へ給電する場合は、パワーコンディショナー(太陽光発電の電気を家庭で使用できるようにする機器、以後パワコン)を自立運転に切り替える必要があります。また使用できるのは100V/1500Wまでとなっており、使用できる電化製品は限られています。それでも停電時にも電気が使用できるというのは安心できる対策といえるでしょう。
土地の有効活用ができる
自宅が屋根のない青空駐車場であれば、その頭上空間を利用して太陽光発電が行なえます。一般家庭で太陽光発電を設置するには、よほど広い敷地でなければ屋根を利用するしかありません。通常であれば青空駐車場には設置できませんが、ソーラーカーポートを導入すれば駐車場という土地を有効活用できます。有効活用することで、自家消費による電気代の削減や売電で収入が得られるようになれば一石二鳥です。
電気自動車の充電ができる
ソーラーカーポートで太陽光発電を行う際に、電気自動車用のコンセントやV2Hといった機器も導入すれば、電気自動車への充電を行えるようになります。自然エネルギーである太陽光発電を利用できるため、電気自動車の電気代が削減できます。特に太陽光発電と相性の良いV2Hを導入すれば、電気自動車への充電時間を約半分にできますし、蓄電池よりも容量が多い電気自動車のバッテリーから自宅へ給電できるようにもなります。
売電収入が得られる
住宅用の太陽光発電と同様に電力会社へ売電できます。自然エネルギーで発電した0円の電気を売電できるため、ソーラーカーポートの導入費用を回収したり、電気代の削減につながったりします。またFIT制度(国が一定期間の買取単価を保証してくれる)が2022年でも有効なので、安定した収入を得やすいでしょう。出力が10kW未満の太陽光発電を設置すれば、10年間という期間は決められた価格で売電することが可能です。しかし10kW未満の出力の場合は使用して余った分の余剰電力しか買い取りに対応しておらず、発電した電気を全て売電できません。さらに2020年以降に認定された10〜50kWの太陽光発電では、余剰電力のみ(※3)の売電しか行えないようになった点も覚えておきましょう。
※3 参考:地域活用要件について
早ければ作業日数は約1日程度で終わる
ソーラーカーポートの導入は、太陽光パネルが設置可能なカーポートがあれば約1日ほどで工事が完了します。カーポートを0から導入する場合は基礎工事などを含めて、約4日〜1週間程度の工事期間が必要です。住宅用の太陽光発電を設置する場合は、設置できるかの事前調査や大規模な足場の組み立てなどの作業が発生するため、ソーラーカーポートよりも工事の日数が必要になる場合があります。ソーラーカーポートは、すぐにでも太陽光発電を行いたい人におすすめです。また住宅用の太陽光発電の工事は足場を組んで行うため、足場による圧迫感や工事の音などでストレスを感じるかもしれません。ソーラーカーポートであれば、その点も心配ないでしょう。
電気代の削減につながる
ソーラーカーポートに限らず、太陽光発電を設置する大きなメリットは電気代の削減効果が高い点です。自然エネルギーで発電するため電気代は0円であり、それを自家消費に使用すれば電力会社からの電気を買う量を減らせます。また余剰電力の売電も可能なので、ソーラーカーポートの導入費用の回収も早くなります。さらにソーラーカーポートならではの両面で発電できるタイプを選択すれば、住宅用よりも発電効率が高くなるため電気代の削減効果もアップするでしょう。
10kW以上設置するとFIT期間が伸びる
太陽光発電は出力が10kW以上になると「産業用」として扱われ、国の認定を受けることでFIT制度の期間が10年から20年に延長されます。一般的な家庭では10kW未満の設置が多いため10年間を過ぎると、売電の価格が下がってしまいます。すでに住宅用の太陽光発電を導入している人で、出力を10kW以上にしたい場合はソーラーカーポートを活用して増設すればFIT制度の期間を20年に延長することが可能です。ただし増設したことで出力が10kW以上になることで設置した当時の買取単価は反映されず、新たに認定を受けた現時点での買取単価が反映されてしまう点は覚えておきましょう。
ソーラーカーポートの導入デメリット
ソーラーカーポートのデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用やオプションが高額になりやすい
- 定期的なメンテナンスが必要になる
- 建築確認申請が必要になる場合がある
- 固定資産税が発生する可能性がある
- 天候や環境の影響で発電効率が変化する
- 豪雪地帯では設置できない可能性がある
- 光害でトラブルになる可能性がある
- 後付けは火災保険が適用されない場合がある
それぞれ詳細に解説します。
初期費用やオプションが高額になりやすい
ソーラーカーポートの初期費用は決して安いものではありません。例えば2台用のソーラーカーポートを導入する場合は、目安として200万円前後の費用が発生します。またオプションとして蓄電池やV2Hなどの機器を揃えようとすれば、プラスで100〜200万円ほどの費用がかかると認識しておきましょう。このように初期費用は高いものの、補助金などでお得に導入できる可能性があります。
定期的なメンテナンスが必要になる
ソーラーカーポートを設置したあとは、太陽光発電や周辺機器(パワコンや蓄電池など)のメンテナンスや清掃、点検が必要です。例えば太陽光パネルは屋根に設置しているため、風や雨などの影響を受けるため汚れやゴミが溜まることが考えられます。そうなれば本来の発電効率が下がってしまう可能性があり、十分な恩恵を受けられなくなってしまうでしょう。また定期的なメンテナンスや点検を実施することで故障などのトラブルを防ぎやすくなるため、長期運用をする上では欠かせません。メーカーによってはメンテナンスや点検に費用が発生するため、事前に確認しておきましょう。
建築確認申請が必要になる場合がある
ソーラーカーポートは建築確認の申請が必要になる場合があります。ソーラーカーポートに限ったことではありませんが、建築する際には建築基準法に基づいた設計ができているかなど、細かいチェックが必要です。ここで重要なのは「床面積が10㎡あるのかないのか」という点です。床面積が10㎡を超える場合は建築確認が必要になる(※4)ため、申請をしなければいけません。1台分のソーラーカーポートであれば10㎡に満たない可能性があるものの、2台分以上であれば建築確認の申請が必要になります。申請は自身でもできますが、基本的には施工業者に任せておけば対応してくれます。
※4 参考:タウンファクトリー一級建築士事務所
固定資産税が発生する可能性がある
ソーラーカーポートは、以下の条件(※5)を全て満たす場合に固定資産税が発生します。
- 基礎が地面に固定されていること
- 屋根が設置されていること
- 居住、作業、貯蔵が可能であること
- 3方向以上に壁があること
また以下の条件の条件(※5)を満たしていても、固定資産税の対象になります。
- 一体型のソーラーカーポートであること
- 10kW以上の太陽光パネルを設置していること
一般的なソーラーカーポートは壁がないため、固定資産税の対象にはなりません。ただし一体型で10kW以上の太陽光パネルを設置すると固定資産税が発生することは、覚えておくといいでしょう。
※5 参考:イエカウカ
天候や環境の影響で発電効率が変化する
太陽光発電を行うソーラーカーポートは、悪天候や周辺環境による日照量の少なさ、汚れ、チリやゴミなどの影響で発電効率が落ちてしまいます。汚れやチリなどは定期的な清掃で改善しやすいですが、日照量の少なさは大きな問題です。例えば設置した当初は効率よく発電できていたものの、周辺に建物が建つことで影ができてしまうといったケースがあります。また雨や雪などが多い地域では、必然的に発電効率が落ちてしまうでしょう。このように天候や環境の影響に左右されるのは、仕方ないことだといえます。しかしソーラーカーポートに設置する太陽光パネルは、住宅用のものよりも発電効率が良いとされています。自宅がある地域の特性や周辺の環境を考慮した上で、カーポートの導入を検討しましょう。
豪雪地帯では設置できない可能性がある
豪雪地域は北海道全域や東北を中心とした、積雪量が多い地域のことです。従来のカーポートに太陽光パネルを設置する場合は、十分に耐えられる強度なのかを必ず確認する必要があります。積雪に対応している従来のカーポートであっても、太陽光パネルの重量までは計算された設計ではありません。耐荷重で問題があれば設置することは難しいでしょう。豪雪地域でソーラーカーポートを導入するなら、通常よりも強度や耐荷重性能(通常のカーポートより2〜3倍ほど)を高めた専用のものを選択することをおすすめします。
光害でトラブルになる可能性がある
ソーラーカーポートは自宅の屋根よりも低い位置に、太陽光パネルを設置することになります。太陽光パネルの表面はガラスで覆われているため光を反射しやすく、周辺の住宅の窓に光が入り込んでしまう「光害」が起きる可能性があります。トラブルになれば裁判にまで発展することもあり、最悪の場合は撤去せざる負えない状況になります。光害は設置業者でも予測が難しいものですが、それでも事前にしっかり調査してもらうことが大切です。
後付けは火災保険が適用されない場合がある
豪雪地域の部分でも少し触れましたが、本来は載せるはずがない太陽光パネルをカーポートの上に設置することは耐荷重オーバーなどのリスクがあります。メーカーにとっては想定外の設置になりますので、太陽光パネルを載せたことで何らかの不具合が起きても、火災保険の適用が難しくなる可能性を考慮しなければいけません。従来のカーポートに設置する場合は、施工業者に火災保険についても聞いてみるといいでしょう。
ソーラーカーポートがおすすめな人
ソーラーカーポートの導入がおすすめな人は以下のとおりです。
- 屋根に太陽光発電を設置できない・したくない人
- 電気自動車を所有している・購入予定の人
- FIT期間を延長したい人
それぞれ詳細に解説します。
屋根に太陽光発電を設置できない・したくない人
太陽光発電を導入したいと思っているものの、自宅の屋根に設置できない人にはソーラーカーポートがおすすめです。住宅用の太陽光発電よりも発電効率が高めなので、駐車場という立地を利用して自家消費や売電が行なえます。またソーラーカーポートは屋根よりも高さが低くフラットなため、屋根などの景観を気にする人にとってもおすすめといえます。
電気自動車を所有している・購入予定の人
電気自動車を所有している人や、今後、所有する可能性がある人におすすめです。ソーラーカーポートにV2Hなどの機器を導入すれば、電気自動車への充電を行えるようになります。自然エネルギーを活用するため、充電に対する電気代を節約することが可能です。車を日差しや雨などから守りつつ、お得に電気自動車を使用できます。
FIT期間を延長したい人
FIT制度の期間を延長したい人は、ソーラーカーポートの活用がおすすめです。屋根に10kW未満の太陽光発電を設置している人は、ソーラーカーポートを活用して10kW以上に増設すると10年から20年へと延長されます。ただし10kW以上になれば産業用として新たに認定を受けなければならず、当時の買取単価ではなく新たに認定を受けた際の買取単価になってしまうことは覚えておきましょう。
ソーラーカーポートの費用相場
ソーラーカーポートの費用相場は、設置する大きさで変化します。目安としての相場(※6)は以下のとおりです。
台数 | 発電量 | 費用 |
2台分 | 5kW前後 | 180~240万円 |
3台分 | 8kW前後 | 250~300万円 |
4台分 | 10kW前後 | 300~380万円 |
※6 参考:再生可能エネルギーに特化したメディア
上記のように対応する台数が増えるほど太陽光パネルが多く設置できるため、その分の費用が上がっています。一般的な家庭であれば2〜3台分のソーラーカーポートが設置できるため、費用相場は180~300万円ほどになるでしょう。
ソーラーカーポートの導入で後悔しないためのポイント
ソーラーカーポートの導入で後悔しないために、意識しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 設置する場所の日照量や光害などを考慮する
- 後付けする場合は保証や保険、重量を考慮する
- 両面発電可能なモデルを検討する
- 複数社から相見積もりを取る
- 補助金やソーラーローンを活用する
それぞれ詳細に解説します。
設置する場所の日照量や光害などを考慮する
ソーラーカーポートの発電量は天候や周辺環境に左右されるため、日照量が少ない地域では十分な発電効率が得られないかもしれません。日照量が少なくても効率よく発電できる太陽光パネルもあるため、設置業者に相談してみるといいでしょう。また光害に関しても、設置する前にしっかりと調査をしてもらうことでトラブルを回避しやすくなります。
後付けする場合は保証や保険、重量を考慮する
従来のカーポートに太陽光パネルを後付けする場合は、カーポートの保証や保険、耐荷重などを十分に確認しておくことが肝心です。太陽光パネルの設置を想定していないカーポートであれば、地震や強風、積雪などで故障や倒壊してしまう危険性があります。後付けする際は、必ず施工業者に保証や保険に影響があるのかや、光害などの調査をしっかりしてもらいましょう。
両面発電可能なモデルを検討する
ソーラーカーポートには、両面で発電可能な太陽光パネルがあります。地面からの反射光も活用して発電できるため、従来の太陽光パネルよりも5〜20%(※7)ほど発電効率が高くなるといわれています。積雪の多い地域に対応している両面の発電が可能な太陽光パネルもあるため、より高い発電効率を求めるなら検討してみましょう。
※7 参考:ニュースイッチ
複数社から相見積もりを取る
ソーラーカーポートは、さまざまな業者が販売しています。業者によって販売価格や工事費などが異なるため、必ず複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。ソーラーカーポートの相場を知ることができるため、かけ離れた価格で導入してしまうリスクを減らせるでしょう。
補助金やソーラーローンを活用する
ソーラーカーポートは補助金やソーラーローンを活用することで、導入費用を抑えることが可能です。補助金に関しては、環境省が民間企業や法人を対象とした「再生可能エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備ソーラーカーポートの導入を行う事業)(※8)」といったものがあり、ソーラーカーポートや工事費用など補助対象経費の1/3(上限1億円)を負担してくれます。令和5年度も継続される可能性があるため、チェックしてみるといいでしょう。
また個人向けでは、地方自治体の補助金が活用できます。例えば東京都調布市では、太陽光発電設備の補助金として「太陽光発電設備等取付け等補助(※9)」があり、1kWあたり2.5万円に相当する額(1,000円未満切り捨て・上限10万円)といったものがあります。令和4年度は終了していますが、令和5年度も継続されるかもしれません。このように地方自治体によって部分的な補助金もあるため、いろいろ探してみてください。
補助金以外には太陽光発電に活用できる「ソーラーローン」もあります。ローンを組む金融機関(政策金融公庫・銀行・信販会社など)によって金利や返済期間(10~20年)、審査の通りやすさが違います。例えば信販会社であれば、金利は高くなるものの審査に通りやすいといった特徴があるため、気になる人はソーラーローンも検討してみましょう。
※8 参考:再生可能エネルギー事業者支援事業費
※9 参考:太陽光発電設備等取付け等補助
ソーラーカーポートを無料で設置する方法
ソーラーカーポートは、以下の場合に無料で設置できる可能性があります。
- PPAモデルを活用する
- 業者に屋根を貸す
それぞれ詳しく解説します。
PPAモデルを活用する
PPAとは(Power Purchase Agreement=電力販売契約)のことで、PPA業者が所有するソーラーカーポートを無料で設置できるサービスです。ソーラーカーポートで発電した電気は使用することが可能ですが、その分をPPA業者へ支払います。契約期間は10〜20年ほどと長めで売電することも原則できません。ただし電力会社から電気を買うとプラスで請求される再エネ賦課金や燃料費調整額は、ソーラーカーポート(太陽光発電)で得た電気を自家消費すれば請求されません。実質、再エネ賦課金や燃料費調整額を節約できることになります。さらに契約満了後は撤去か譲渡してもらえるため、状況に合わせた運用が可能です。
業者に屋根を貸す
従来のカーポートを利用して業者へ屋根を貸すことで、一定期間は毎月一定額の利用料を得られます。太陽光発電の電気の使用や売電はできませんが、導入費用をかけずに収入を得られるため電気代などの負担を減らすことが可能です。ただし10〜20年といった長期契約が一般的で、途中解約すると違約金などが発生する可能性があります。また自家消費や売電ができないことを考えると、補助金などを活用して自身で導入するほうが長期的に見てお得になることがあり、よく検討する必要があるでしょう。
まとめ
ソーラーカーポートは、駐車場を有効利用して太陽光発電が行なえます。住宅用の太陽光発電よりも発電効率が高めで、導入しやすいなどのメリットがあり、自家消費や売電に貢献してくれます。導入費用が高めなことや光害などの気になる点はありますが、本記事の内容を参考にして頂ければ、トラブルに発展する可能性を減らせるでしょう。また無料で設置する方法を2つご紹介しましたが、長期的な運用を考えれば、できる限り自身で導入して設置したほうが自家消費や売電ができるためお得になる場合があります。
導入費用は一般的な2台分のソーラーカーポートで200万円前後と高額ですが、国や地方自治体から補助金が出ていることがあるため、活用すれば負担を軽減できるでしょう。ソーラーローンという選択肢もあり、低金利で導入費用を借りれる可能性があります。現状よりも電気代の削減を求めている人や屋根に設置できない人、電気自動車をお得に乗りたい人、FIT制度の期間を延長したい人はソーラーカーポートの導入を検討してみてください。