ソーラーカーポートとは、太陽光発電設備が設置されているカーポートのことです。
近年では、環境省を中心に政府がソーラーカーポートの導入促進を行っており、一般家庭でも設置することでさまざまなメリットを得られます。
今回はそんなソーラーカーポートについて、以下の点を中心に詳しく解説します。
- そもそもソーラーカーポートとは
- ソーラーカーポートを導入するメリット
- ソーラーカーポートを導入するデメリット
- ソーラーカーポート導入がおすすめのご家庭
- 気になる固定資産税事情
- 利用できるお得な補助金
ソーラーカーポートの導入を検討されている方や、できるだけお得に設置したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
そもそもソーラーカーポートとは?
ソーラーカーポートとは「屋根と柱がある車庫の屋根部分」に太陽光パネルを設置して発電を行う装置のことです。
太陽光発電と聞くと、建物や大規模な工場の屋根に取り付けられているイメージもありますが、そういったものと比較しても簡単に利用できるのがソーラーカーポートの特徴になります。
【ソーラーカーポートのイメージ】
引用:ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例|環境省
近年では、屋根に取り付ける太陽光発電設備だけではなく、こういったソーラーカーポートのようなものも加速度的に導入が進んでいます。
実際に経済産業省や環境省も「再生エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備)の導入を行う事業」の公募を新たに開始。
今後再生可能エネルギーが発達していくと共に、ソーラーカーポートのような太陽光発電設備の導入も一般的になっていくであろうことが予想されています。
ソーラーカーポート3つの種類
ソーラーカーポートには
- オーダーメイド型
- 太陽光発電搭載型
- 太陽光発電一体型
上記3つの種類があります。それぞれどのような仕組みとなっているのか、以下で紹介していきます。
オーダーメイド型
オーダーメイド型のソーラーカーポートとは、購入する土地に合わせて設計を行い太陽光発電設備を設置するタイプのものです。
後から紹介するソーラーカーポートとは異なり、その土地に最適のサイズでソーラーカーポートを導入できるのがこのタイプの特徴になります。
しかしオーダーメイドで一から設計を行う必要があるため、他のものと比較すると若干費用がかさむのがデメリットです。
太陽光発電搭載型
太陽光発電搭載型のソーラーカーポートとは、一般的なカーポートの上に太陽光発電設備を設置するタイプのものです。
後から紹介する太陽光発電一体型との違いは、太陽光発電設備を外すことで、普通の駐車場と変わりない点が挙げられます。
太陽光発電設備導入を想定していないカーポートもあるため、後から設置しようとしても難しいケースがあるため注意が必要です。その場合、ソーラーカーポートにするための工事が必要となります。
太陽光発電一体型
太陽光発電一体型のソーラーカーポートとは、カーポートと太陽光パネルが一体となっているタイプのものです。
一般的なカーポートは、曲線型でアーチを描くように設計されています。しかしこのタイプのソーラーカーポートの場合、最初から太陽光発電設備を設置することが想定されているため、角張ったスタイリッシュなデザインが多いです。
屋根そのものが太陽光発電設備となっているため、無駄なスペースを取る事なく太陽光パネルが設置されているのもこのタイプの特徴となります。
ソーラーカーポートをご自宅に導入するメリット
引用:ソーラーカーポート|環境省資源エネルギー庁
実は環境省資源エネルギー庁を中心に、日本ではソーラーカーポートの普及が急速に進んでいます。政府が提唱している、ソーラーカーポートのメリットは次の6つです。
- 自宅のスペースを有効活用できる
- 蓄電池と併用でお得
- 屋根に設置できない人にもおすすめ
- 電気自動車利用中の人にもおすすめ
- 災害時にも有効活用できるのが魅力
- 家計の味方になってくれる
以下でそれぞれのメリットについて解説します。
ご自宅のスペースを有効活用できる
ソーラーカーポートの最大の魅力は、ご自宅のスペースを有効活用できる点です。ご自宅の環境によっては、屋根に太陽光発電設備を設置できないケースがあります。
屋根に太陽光発電設備を設置できない場合、庭などに設備をおかなければなりません、しかし平置き・野立ての太陽光発電設備の場合、ご自宅のスペースを占有してしまいます。
【野立て男発電設備の例】
引用:ソーラーカーポート|環境省資源エネルギー庁
しかしソーラーカーポートであれば、駐車場の上部空間のみを利用するだけなので、駐車スペースを圧迫することなく太陽光発電が可能です。
蓄電池と併用でお得
勘違いされることもありますがソーラーカーポートで創られた電気は電気自動車を充電する以外にも作られた電気をご自宅の家電製品などにも有効活用できます。
そんなソーラーカーポートを、最大限有効活用するためにおすすめなのが「蓄電池」です。
蓄電池はソーラーカーポートで作られた電気を、一定量貯めておくことができます。また電気代の安い深夜の電気を貯めておき、電気代が高騰する昼間に深夜電気を使うことで節約することも可能です。
蓄電池を導入することで得られる他のメリットは、以下のとおりとなっています。
- 電気代を節約できる
- ピークシフトで活躍してくれる
- 太陽光発電設備との相性が良い
- 卒fit後のご家庭に最適
- 災害や停電の時でも電気が使えて安心
このように一般のご家庭でも、蓄電池を導入するメリットは大きいといえます。
【さらに蓄電池のメリットを知りたいという方はこちらの記事もおすすめ】
ご自宅の屋根に太陽光発電設備を設置できない場合におすすめ
ご自宅の環境によっては、屋根に太陽光発電設備を設置できないケースがあります。
【太陽光発電設備を設置できないケースの例】
- 耐震性に不安がある
- 屋根の面積が足りない
- 太陽光パネルの重さに屋根が耐えられない
特に都市部の戸建ての場合は地方部に比べて屋根が小さい家が多いです。
また太陽光発電は北面以外の設置を推奨しておりますので屋根の流れが北面を向いている場合は設置に向いてない家と言えます。
その他にも築年数が30年以上経過をしていたり、天窓があって載せれるパネル枚数が減ったりもしますのでこのような場合はソーラーカーポートが向いております。
屋根に太陽光発電設備を設置できない環境でも、ソーラーカーポートであれば太陽光発電を利用可能です。発電設備に必要なケーブルなども、柱の中に埋め込んだり、柱に沿わせたりすることも可能なため景観を損ないません。
電気自動車(EV)利用の方にもメリットあり
ソーラーカーポートには、電気自動車の利用に必要不可欠な急速充電器やEVコンセントを併設できます。
すでに電気自動車をご利用のご家庭の場合、ソーラーカーポートを利用すれば駐車しつつ充電も可能です。
近年では従来の化石燃料を利用した自動車ではなく、電気自動車の導入が世界的に見ても加速度的に進んでいます。日本でも2050年度の「カーボンニュートラルの実現」に向けて、電気自動車の利用を政府が推奨しているのはご存知でしょうか?
実際に東京都では、2030年の都内の乗用車新車販売に占めるゼロエミッションビークル(電気自動車など)の割合を、50%まで高めることが目標として掲げられています。
今後は電気自動車が一般的になる社会が想定されるため、早い段階で補助金などを利用しつつソーラーカーポートを導入すれば、他の人よりもお得に太陽光発電設備を設置可能です。
また電気自動車を検討されている、既に保有されているご家庭様の場合はV2Hを導入することをオススメいたします。電気自動車の電気をおうちで消費できるようにもなりますのでメリットは大きくソーラーカーポートとの相性もいいです。
現在は補助金も出ておりますのでソーラーカーポート、電気自動車、V2Hの導入を検討されている場合は閲覧をオススメします!
災害時の非常用電源としても利用可能
ソーラーカーポートは、太陽光発電設備のため災害時の非常用電源としても利用可能です。
震災や台風の被害によっては、長期間電気が利用できない生活を強いられる可能性があります。実際に近年でも台風や大雨、地震による被害によって、1ヶ月近く電気を利用できない地域がありました。
特にインフラの復旧に時間がかかる山間部の場合、電気が利用できない生活は長引く可能性もあります。
ソーラーカーポートをご自宅に導入していれば、蓄電池などと併用することにより、災害後の停電下でも電気を利用可能です。
【災害時に命を助けてくれる蓄電池に関して知りたい方はこちらの記事をチェック】
家計の味方になってくれる
最近では、毎年のように電気代が値上がりして家計を逼迫していることが社会問題となっています。
例えば2021年4月と2022年4月を比較すると、1年間で電気代はおよそ約2400円値上がりしている計算です。^^
引用:日本のエネルギー2022年度版|経済産業省資源エネルギー庁
実はこの電気料金の値上がりは、東日本大震災が起きた年から続いています。さらに2022年にはロシアのウクライナ侵攻により、世界的に見ても燃料調達価格が爆上がりしています。
【最新の電気料金値上げに関する情報が知りたい方はこちらの記事をチェック】
今後電気代は毎年のように値上がりしていくことが予想されているため、節電だけではなくご自宅で電気を調達できる環境を整えることが重要です。
ソーラーカーポートを導入すれば、ご自宅で電気を発電して自家消費する環境を整えることができます。
ソーラーカーポートをご自宅に導入する3つのデメリット
様々なメリットがあるソーラーカーポートですが、導入する前に知っておきたいデメリットも存在します。
実際にソーラーカーポートをご自宅に導入する場合、どのようなデメリットがあるのかみていきましょう。
初期コストがかかる
ソーラーカーポート導入の際には、初期コストがかかることは避けられません。
ただしソーラーカーポートの導入には、国や自治体が提供している補助金を利用できるケースがあります。さらに導入後は、ご自宅で発電した電気を電力会社に売電したり、自家消費したりすることで節約可能です。
そのため長期的な目線で見ると、ソーラーカーポートの導入コストを回収できる可能性は十分あります。
発電量は環境や天気に左右される
太陽光発電は、年間の日射量によって発電量が左右されます。
事前に想定していた発電量よりも、その年の天気やご自宅の環境によって低くなる恐れがあるので注意が必要です。
ただし、日射量に関しては、過去20年のデータベースを利用することにより事前におおよその数字が分かります。年によって若干上下はありますが、大幅に日射量が少なくなることはほとんどないので安心してください。
参考:日射に関するデータベース|新エネルギー産業技術総合開発機構
建ぺい率に注意する必要がある
ソーラーカーポートを導入する場合、建築基準法に定められた建ぺい率に違反しないよう注意しなければなりません。
ちなみに建ぺい率とは、土地の面積に対する建設面積の割合であり、建物を上から見た際に、お家に対して建物が占める割合のことを指します。
建ぺい率の問題に関しては、専門家である業者に必ず問い合わせてください。
ソーラーカーポート導入がおすすめのご家庭
一般的な屋根につける太陽光発電設備ではなく、ソーラーカーポート導入がおすすめなのはどのようなご家庭なのでしょうか?
ここでは、ソーラーカーポート導入がおすすめのご家庭の例を紹介します。
屋根で発電をするのが難しいご家庭
ソーラーカーポート導入がもっともおすすめなのは、屋根に発電設備を設置するのが難しいご家庭です。
屋根の強度や耐震性に不安があるご家庭の場合、太陽光パネルの設置が難しいケースもあります。しかしソーラーカーポートの場合、強度は問題にならないので簡単に導入可能です。
ご自宅の景観を損ねたくないご家庭
ご自宅の景観を損ねたくないご家庭にも、ソーラーカーポートの導入はおすすめです。
太陽光パネルを屋根に設置する場合、独特の光沢や装置の大きさが気になる方もいます。ソーラーカーポートの場合、駐車場として違和感なく導入可能です。
まだスペースが空いているご家庭
まだ屋根付きのカーポートを設置できるご家庭には、ソーラーカーポートがおすすめです。
ソーラーカーポートは、基本的に駐車場以上のスペースは必要ありません。そのためスペースがなかったとしても、駐車場を改良することで設置できるケースもあります。
太陽光発電設備の導入を検討していたが、スペースがなく泣く泣く諦めたという方は、ソーラーカーポートを導入してみてはいかがでしょうか。
ソーラーカーポートは屋根に設置するのとどう違う?
太陽光発電設備をソーラーカーポートに設置する場合、屋根に設置する場合と比較して次のような違いがあります。
- 工事が簡単
- 導入費用の負担が屋根の場合よりも少ない
- デッドスペースを有効活用できる
- 電気自動車への充電が簡単になる
気になるソーラーカーポートの固定資産税事情
ソーラーカーポートには固定資産税がかかるケースもあります。固定資産税がかかる条件や計算方法について、以下でわかりやすく解説します。
固定資産税がかかるソーラーカーポートとその条件
次の4つの条件を満たしている場合、ソーラーカーポートに固定資産税が必要となる可能性があります。
- ソーラーカーポートの基礎が地面に固定されている
- 屋根がついている
- 3方が壁に囲われている
- 居住や作業、貯蔵などに利用できる状態
しかし、一般的なソーラーカーポートの場合、屋根はありますが壁で囲われているケースはほとんどありません。そのため固定資産税もかからない可能性が高いため、導入を検討されている方は安心してください。
固定資産税の計算方法
万が一固定資産税がかかる場合、どのように計算すれば良いのでしょうか。固定資産税の計算方法は、以下のとおりです。
【固定資産税の計算方法と注意点】
- 取得額(購入額)×(1―原価率)=評価額(価格)
- 評価額(課税標準額)が150万円以下の場合は課税されない
- 原価率は償却資産の耐用年数により定められる
- 太陽光発電の場合、耐用年数17年と法律で定められているため、原価率は0.127となる
- ただし、初年度のみ減価率は半分(0.064)
実際に固定資産税がかかるソーラーカーポートを導入した場合、どの程度の固定資産税が必要となるのか計算してみましょう。
【600万円の太陽光発電設備を導入した場合】
- 初年度の固定資産税
- 600万円×(1-0.064)=561万円(評価額)
- 561万円×1.4%=7万8,624円
- 2年目の固定資産税
- 561万円×(1-0.127)=525万円(評価額)
- 525万円×1.4%=7万3,500円
このように固定資産税がかかる太陽光発電設備を導入した場合には、毎年それなりの維持費が必要となります。しかしその場合でも、次のようなメリットがあるため導入する価値は高いと言えるでしょう。
- 発電量が多いため自家消費や売電効率が高くなる
- 10kW以上の太陽光発電設備の場合、固定価格買取制度の適用が20年間に延長される
市区町村の判断でも異なる?
固定資産税は法律によって定められているため、全国どこでも変わりません。そのため市区町村で、上記固定資産税が必要な条件が異なるということは考えにくいです。
しかしお住まいの地域や環境によっては、固定資産税がかからないようにソーラーカーポートを設置できます。
ソーラーカーポートの導入を検討されている方は、経験豊富な業者に依頼した方が固定資産税を浮かすことができてお得と言えるでしょう。
ソーラーカーポートの導入事例
実際に環境省が紹介しているソーラーカーポートの導入事例について見てみましょう。
引用:ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例|環境省
引用:ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例|環境省
引用:ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例|環境省
このように商業施設向けの大規模なソーラーカーポートから、一般的なご家庭でも利用可能なものまで多数納入例があることがわかります。
ご自宅でソーラーカーポートの導入を検討されている方は、ぜひ1度新日本エネックスへお問い合わせください。
ソーラーカーポート導入実績が豊富な新日本エネックスでは、お客様のご自宅環境に合わせて最適なものをご紹介いたします。
ソーラーカーポート導入で利用できる補助金
【ソーラーカーポート導入に利用できる補助金の例】
補助金名 | 令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 |
事業名 | 建物における太陽光発電の新たな設置手法を活用事業 |
事業内容 | 駐車場を活用した太陽光発電(ソーラーカーポート)についてコスト要件を満たす場合に設備の導入支援を行う |
補助対象事業者 | 民間事業者・団体など |
補助対象設備 | 駐車場型太陽光発電・ソーラーカーポート |
補助率 | ソーラーカーポート導入に必要な費用の1/3 |
公募期間 | 一次公募:令和4年3月18日(金)~令和4年4月28日(木)午後5時まで二次公募:令和4年5月9日(月)~令和4年5月31日(火)午後5時まで三次公募:令和4年6月6日(月)~令和4年6月30日(木)午後5時まで四次公募:令和4年7月6日(水)~令和4年7月29日(金)午後5時まで |
参考:令和3年度 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業に係る公募のお知らせ|一般社団法人環境技術普及促進協会
まとめ
ソーラーカーポートは、屋根に太陽光発電設備を設置できないご家庭でも利用可能です。
ただし設置の際には、建ぺい率や固定資産税を考慮しなければなりません。そのため信頼できる業者に依頼しなければ、建築基準法違反や固定資産税による無駄な維持費を支払う羽目になる可能性もあります。
- 信頼できる業者ソーラーカーポートの導入を任せたい
- ソーラーカーポートの導入を考えているがどの業者に任せればよいか分からない
- 口コミの評判がよく実績のある業者に導入を任せたい
このようにお考えの方は、ぜひ1度新日本エネックスへとご相談ください。太陽光発電やソーラーカーポートの導入支援実績が豊富な新日本エネックスでは、どのようなご家庭にもぴったりのソーラーカーポートが導入できるようにサポート致します。