- 蓄電池の導入を検討しているがどう選べばよいのかわからない
- 全負荷と特定負荷の違いがわからない
- 全負荷と特定負荷どちらを選べばよいのか知りたい
蓄電池には全負荷と特定負荷の2つの種類があります。それぞれ全く違った特徴を有しているため、購入する際には基本的な概要を知っていなければなりません。
何も知らずに適当な蓄電池を導入してしまうと、思ったものと違うものを購入してしまい後悔してしまう可能性もあります。
そこで今回の記事では、蓄電池の全負荷と特定負荷の違いについて解説。また「どちらがおすすめなのか」、「全負荷が向いているご家庭の例」についても分かりやすく説明していくので、蓄電池導入を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
蓄電池の全負荷と特定負荷の違いとは?
まずは蓄電池の全負荷と特定負荷はどのような違いがあるのかについてみていきましょう。
災害時でも安心!家中の電気を使える「全負荷」型
全負荷型の蓄電池最大の特徴は、停電時でも家中で電気を使うことができるという点です。
家中の電気をカバーすることができるため、台風や地震などで停電が起きた際にも日常生活と変わらず電気を使うことができます。
ただし家中の電気をカバーできるということは、その分消費電力が多くなりますので注意が必要です。
特定の部屋のみ利用で長持ち「特定負荷」型
特定負荷型の蓄電池は、特定の部屋や家電製品のみに電気を供給できます。
全負荷型とは異なり利用できる家電製品は限定されてしまいますが、そのぶん消費電力が減りますので長期間利用できるのが特定負荷型を設置するメリットです。
蓄電池は全負荷と特定負荷どちらがおすすめ?
蓄電池を導入する際に頭を悩ませる「全負荷と特定負荷」どちらを選べば良いのか問題。
どちらの蓄電池がどういったご家庭におすすめなのか、以下でみていきましょう。
全負荷は万が一の時の味方
全負荷型の蓄電池は、やはり家全体で電気を利用できるというのは魅力的な点です。
そのためオール電化のご家庭などには、全負荷の蓄電池が適していると言えるでしょう。その他にも、全負荷型の蓄電池がおすすめなご家庭の例は以下のとおりです。
【全負荷型の蓄電池がおすすめなご家庭の例】
- 二世帯家族
- 空調設備必須の動物がいる
- 小さいお子様がいる
- 停電時でもいつものように過ごしたい
- 太陽光発電設備を導入している
特定負荷は長く電気を使いたい人向け
全負荷型のように全ての部屋で使うというわけにはいきませんが、災害や台風などで停電が起きても長く電気を利用できるのが特定負荷型の蓄電池です。
そのため停電などが起きても長く電気を使い続けたいというご家庭は、特定負荷を選ぶと良いでしょう。その他にも、特定負荷型の蓄電池が適しているご家庭の例は以下のとおりです。
【特定負荷型の蓄電池がおすすめなご家庭の例】
- 1世帯家族・お住まいのご家族が少人数
- 空調などを気にしなければならない動物がいない
- 停電時でも最低限電気が使えれば良い
この他にもご家庭によって、重視するポイントというのは数多く存在するかと思います。蓄電池を選ぶ際には、業者の方にも積極的に質問をして、自分のご家庭に最適な型のものを導入しましょう。
蓄電池の全負荷型のメリット
全負荷型の蓄電池を導入する4つのメリットについて解説していきます。
200V対応で多くの家電に対応
全負荷型の蓄電池のほとんどは、家全体に電気を供給しなければならないため大容量のものが多いです。
基本的に容量が多いものの場合、電力を必要とするエアコンやヒーターなどに対応しているというメリットがあります。そのため停電時でも電力を必要とするこういった家電を利用したい場合は、全負荷型の蓄電池が適していると言えるでしょう。
災害・停電時でもほぼ変わらず電気が使える
災害や停電時でもほぼ変わらず使うことができるのも全負荷型蓄電池の魅力的なポイントです。
近年では台風や大雨にまたは事故などにより、短い期間だけではなく長期間電気が使えなくなる災害が多発しています。また大規模な震災が起きれば、計画停電などで被害がない地域でも一時的に電気が使えなくなる可能性も…。
全負荷型の蓄電池であれば、突然災害が起きたとしてもほぼ変わらず電気が使えるので安心です。
太陽光発電との相性が良い
全負荷型の蓄電池は、太陽光発電との相性が良いというメリットもあります。
蓄電池の種類によっては、太陽光発電と併用することができない場合もあるのですが、全負荷型の蓄電池であればこういった心配はほとんど必要ありません。
基本的に太陽光発電と併用できるように設計されているものが多いので、後から蓄電池を導入する場合でも安心です。
商品を選びやすい
全負荷型の蓄電池は家全体で電気が使えるということもあり、様々なメーカーから色々な型のものが発売されています。
そのため商品を選びやすく各ご家庭に適したものを購入しやすい、というのも魅力的なポイントです。
蓄電池の全負荷型のデメリット
次に全負荷型蓄電池の3つのデメリットについて見てみましょう。
特定負荷型よりも価格が高い
全負荷型の蓄電池のほとんどが200Vに対応出来るようにする部品(トランスユニット)などが全負荷型にはありますので、その分金額も高くなり施工時にも必要な工数が増えます、ですので必然的に金額は高くなります。
できるだけ安く抑えたいと考えているのであれば、特定負荷型の蓄電池を選んだ方が良いでしょう。
電力消費量が激しい
電力消費量が激しいのも全負荷型のデメリットです。
やはり家全体に電気を供給するということもあり、特定負荷型のものよりも短い時間で電気を使ってしまいます、これは待機電力など、意図せずに消費する電化製品などもありますので知らず知らずのうちに蓄電池にある電気を消費してしまうことも一因してます。
スペースを取る
全負荷型の蓄電池は前述した通り特定負荷にはない機能が含まれているのが魅力ではありますが、特定負荷に比べて設置する部品が多い場合があります。場所によっては外見に影響をしたり、場合によっては設置が複雑になる可能性があります。
蓄電池の全負荷が向いているご家庭の例
実際に全負荷型の蓄電池が向いているのはどのようなご家庭なのでしょうか?
以下では、全負荷型の蓄電池が向いているご家庭の特徴について解説します。
災害・停電時に家全体で電気を利用したい
日本ではいつ大規模な災害によって停電が起きてもおかしくはありません。
万が一の時に家全体で電気を利用したいのであれば、全負荷型の蓄電池を選びましょう。
災害時にインフラの復旧に時間がかかる地域にお住まいのご家庭
災害が起きた場合、インフラの復旧に時間がかかる地域にお住まいのご家庭には全負荷型の蓄電池をおすすめします。
やはりインフラの復旧に時間がかかる地域にお住まいの場合、電気が使えないのが長期間にわたることを覚悟しなければなりません。
しかし全負荷型の蓄電池であれば、家中の電気をカバーできるため長期間の停電にも耐えれます。特定負荷の場合は一部のみになりますので電気の復旧に時間が掛かる場合などを想定するとストレスが少なく済むでしょう
なおこういったご家庭は、太陽光発電設備も同時に導入すると災害対策として有効です。
2世帯住宅のご家庭
家が大きい二世帯住宅のご家庭も、全負荷型の蓄電池が適しています。
やはり2世帯住宅だと、特定負荷のように一部分しか電気が使えないと不便を強いられる可能性が高いです。電気のある部屋に全員が密集してしまうことを避けるためにも、全負荷型を導入すべきでしょう。
また、家中の24時間換気や冷暖房を行う全館空調を導入しているご家庭でも停電時にカバーすることができる全負荷型をお勧めします。
オール電化・太陽光発電システムを導入しているご家庭
エコキュートは基本的に夜中の電気代が安い時間帯にお湯を沸かすことで電気代を削減することができます。
ただし日中の電気が高い時間帯にお湯切れなどを起こすと追加でお湯を沸かす必要があるため、かなり割高な料金になってしまいます。
太陽光と蓄電池を導入するとそのデメリットを打ち消すことができます。
また、停電時でも200V対応の蓄電池であればエコキュートを使用することができます。
蓄電池を導入する際に大事なこと
実際に蓄電池の導入を検討している方は「ご自宅に適している蓄電池はどれか」というのが1番気になっているのではないでしょうか?
蓄電池を導入する際は必ず長期間の利用を想定することが大切になります。また知識などが必要になります。
ご自身で判断をして導入をした場合は取り返しのつかないことになることもありますので
導入の際には専門企業による選定を強くオススメします。
そこでどの部分が蓄電池選定にあたり必要になってくるかを確認したうえで専門企業の話を聞いてみましょう
容量は使える電力と長さに影響する
蓄電池を選ぶ際に重要視すべきなのが「容量」です。
現在では一般のご家庭で使える蓄電池も「7〜10kWh(キロワットアワー)」と、大容量のものが増えつつあります。
容量が増えれば増えるほど使用できる電力、長さが増えますがその分蓄電池の金額も高くなります。
ご家庭様によっては1日の消費電力が少ないご家庭様もおられますので使用量を計算した上でえらぶことが大切です。
一概に容量が大きければ大きいほうがいいというのは間違えになります。
使える家電に関係する出力
定格出力とは、蓄電池に貯められた電気をどのくらいの出力で放出できるか表している数字です。
一般的に蓄電池を導入する際には、実際に停電や災害の際に使いたい家電製品を確認することも必要です。そのため実際に導入する蓄電池を検討する際は、災害時を想定して停電時でも必要になる家電製品を確認しましょう。
特にエアコンや冷蔵庫など、欠かすことのできない家電製品が使える蓄電池を選べば、災害や停電など万が一の時にも安心です。
ご自宅に置ける大きさか
蓄電池は製品によっては設置する際に大きなスペースが必要になることがあるため、設置するスペースもあらかじめ確認をする必要があります。
また設置スペースだけではなく、メーカーが定めている「メンテナンス可能な空間の確保」も行う必要があります。
蓄電池には屋外だけではなく屋内に置くことのできるものもあるので、ご自宅の環境によって設置する場所を選びましょう。注意しなければならないのは、海岸の近くで塩害地域に指定されている地域です。
塩害地域に指定されている場合、塩害対応のものか室内に設置する必要があります。なお蓄電池の騒音を気にする方も多いですが、ほとんど気にならないので安心してください。
太陽光発電設備と併用できる型のものか
太陽光発電設備を導入している、もしくはこれから設置する予定のご家庭の場合、太陽光発電設備と併用できる型の蓄電池か確認する必要があります。
蓄電池は種類によって太陽光発電設備と併用できないものもあるので注意が必要です。特にメーカーが違ったりすると、利用できないことや故障に繋がることも多いので必ず事前に確認しておきましょう。
太陽光発電設備を導入しているもしくは設置する予定のご家庭は、まず業者に設備と相性の良い蓄電池を聞いてから選ぶことをおすすめします。
【参考:太陽光発電は蓄電池との相性が最高!メリット・デメリットを解説】
補助金が利用できるか
蓄電池を購入する場合、補助金が利用できるかどうかというのも重要なポイントです。
国や自治体が提供している蓄電池を利用できれば、お得な価格で蓄電池を導入できる可能性もあります。
海外の蓄電池によっては、日本の蓄電池の規格と異なる製品であるため補助金が利用できない場合もあるので注意してください。特に最近人気のテスラ社が販売している蓄電池は、国や自治体が提供している蓄電池の対象外となっていることが多いです。
蓄電池を購入する業者に相談すれば、補助金の申請代行を対応してくれるケースも多いため積極的に聞いてみましょう。
また補助金の多くが予算が無くなり次第終了になることもありますので期間などにも気を付ける必要があります
【参考:【2023年最新】お得な蓄電池の補助金について解説!条件・金額に注意!】
保証は充実しているか
長期間利用することになる蓄電池は、定期的にメンテナンスや修理を行う必要があります。
メンテナンスや修理を怠ってしまうと、故障の原因となり蓄電池の寿命を削ってしまいかねません。
販売店によっては設置をしてサポートを終了する業者と、設置後のアフターフォローが充実している専門企業に別れてきます。
実際に各メーカーが定めている保証期間は、どれくらいなのか以下に表としてまとめました。
【国内主要メーカーの提供する蓄電池の保証期間】
メーカー名 | 保証期間 | 保証期間内の対応 |
パナソニック | ・蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年 | ・保証期間内に製造上の不具合、蓄電容量が規定値以下になった場合無料で修理対応 |
シャープ | ・蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年 | ・保証期間内に蓄電容量が規定を下回った場合は無料修理対応 |
ニチコン | ・蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年 | ・保証期間内に蓄電容量が規定を下回った場合は無料交換対応 |
オムロン | ・システム保証15年・蓄電池容量15年 | ・保証期間内に蓄電容量が規定を下回った場合は無料修理対応 |
(※なお製品ごとに保証期間やサービスは異なります。メーカーや機種ごとの保証対応について知りたい方は、ぜひ新日本エネックスへお問合せください)
蓄電池を購入する際は、必ず事前にメーカーごとの保証内容や販売店のアフターフォローをチェックして、サポート体制が充実しているものを選びましょう。
まとめ
全負荷型の蓄電池は、地震や台風などで停電が起きたとしても入れ全体に電気を行き渡らせることができます。
消費電力が多いというデメリットはありますが、太陽光発電設備と併用することによりカバーすることが可能です。
万が一の災害に備えていつでも電気を使える状態にしておきたいと考えている方は、全負荷型の蓄電池を導入してみてはいかがでしょうか?
新日本エネックスでは、様々なメーカーの全負荷型蓄電池を取り扱っています。各ご家庭に最適なものをご案内しているため、蓄電池に関してまだよく分からないという方でも安心してください。