「エコキュートが【おすすめしない】といわれる理由はなんだろう?」「エコキュートは本当に、おすすめできないものなの?」という不安を抱えている人がいるのではないでしょうか。
エコキュートには人によって気になるデメリットがあるため、おすすめできないといわれることがあります。しかし、デメリットが気にならなくなるメリットもあるため、エコキュートについて詳しく知ることが大切です。
今回の記事では、エコキュートが「おすすめしない」といわれている理由、メリット、導入ポイント、向いている人まで解説しています。本記事を読めばエコキュートの詳細がわかるため、導入しても大丈夫なのか判断できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
エコキュートが「おすすめしない」といわれる6つの理由
エコキュートが「おすすめしない」といわれている理由は6つあります。6つの理由について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
導入費用が高額になりがち
エコキュートの導入費用は、一般的な相場を見ると20〜70万円ほどと高額です。エコキュートは本体価格だけで、10〜50万円ほどの費用がかかります。また設置するための工事費は10〜20万円ほどです。
比較対象としてガス給湯器の費用相場を挙げてみます。ガス給湯器の費用相場は、工事費込みでも10〜30万円ほどです。価格差を見ると10〜40万円ほどなので、エコキュートのほうが高いことがわかります。
スペースが確保できなければ設置できない
エコキュートは設置できるだけのスペースがなければ導入できません。エコキュートはお湯や水を貯めておく貯湯タンクと、水を熱湯に変換するためのヒートポンプユニットで構成されています。
貯湯タンクは大型のものになると高さ2m、幅1m、奥行き50cmほどの大きさです。またヒートポンプユニットはエアコンの室外機ほどの大きさがあります。スリムなモデルもあるものの、これらの設備を設置するだけのスペースが必要です。
お湯切れになるリスクがある
エコキュートは使いすぎると、お湯切れになってしまうことがあります。翌日に使用する湯量を前日のうちに自動で沸き上げてくれるエコキュート。しかし、翌日にいつもよりも使用湯量が増えるようなことがあれば、お湯切れになって新たに沸き上げなければいけません。
お湯切れになってしまった場合、貯湯タンクを満タンにするには約7〜8時間ほどかかります。たとえ満タンにせずとも、お風呂に入れるだけの湯量100〜200Lほどを沸き上げようとすれば約1〜2時間は必要です。お湯切れになるリスクに加えて、お湯切れになったときに沸き上げるには相応の時間がかかってしまうのが気になる点といえます。
騒音で隣人とトラブルになる可能性あり
エコキュートは設置場所や稼働時間によっては、隣人と騒音トラブルに発展する可能性があります。エコキュートは運転時に、図書館の館内と同じくらいの「ブーン」というような小さな低周波音を発します。低周波音は昼間の音が多い時間帯であれば気にならないでしょう。
しかしエコキュートは主に静かな深夜のうちに沸き上げを行うため、小さな低周波音であっても騒音になってしまう可能性があります。またエコキュートは屋外に設置するため、隣家との距離が近ければ運転音が騒音と感じられてしまうと、トラブルに発展することも考えられるでしょう。
ガスよりも水圧が弱くなってしまう
エコキュートはガス給湯器よりも水圧が弱くなりやすいのが弱点です。一般的なガス給湯器に採用されている給湯方式は、水道水の圧力をそのまま使える「水道直圧式」です。水道直圧式は2か所で同時にお湯を使用しても、水圧が弱くなりにくい強みがあります。
一方でエコキュートの「貯湯式」は、耐圧性の低い貯湯タンクにお湯を貯めて使用するしくみです。貯湯式は水道水の圧力に耐えられないため、減圧弁によって圧力を下げて使用します。
水道直圧式の水圧は500kPaです。一般的なエコキュートで採用されている貯湯式は、180kPaほどに減圧されてしまいます。
使い方次第では電気代が高くなる
エコキュートは使い方次第で電気代が高くなってしまうことがあります。エコキュートで電気代が上がりやすいのは以下の状況です。
- 安い深夜電力を活用せずに昼間に沸き上げを行っている
- 深夜電力が安くなる電気料金プランがになっていない
- 深夜電力が安くなるプランに変更した後に日中に過ごす時間が増えた
- エコキュートの節約機能を活用しきれていない
- お湯が必要になる冬場に沸き上げ、沸き増しする回数が増える
これらのような状況が起こる可能性があるので、使い方や時期によっては電気代が普段よりも増えてしまうことがあるでしょう。
使用できない入浴剤がある
エコキュートのなかには入浴剤が推奨されていないタイプがあります。一般的に追い焚きが行えるフルオートタイプは、入浴剤の使用が推奨されていません。エコキュートの追い焚きは、浴槽のお湯を配管から貯湯タンクへ戻し、温め直して浴槽へ送ります。
エコキュートでフィルターの目詰まりや配管の劣化を招く原因は、非推奨のアルカリ・酸・硫黄・塩分などが含まれている入浴剤の使用です。さまざまな入浴剤を楽しみたい人には、非推奨の入浴剤があるのは気になるといえるでしょう。
エコキュートの「おすすめしない」を解消する7つのメリット
エコキュートには、「おすすめしない」といわれているデメリットが気にならなくなるメリットもあります。それぞれのメリットを解説するので確認してみましょう。
電気代の削減に期待できる
エコキュートを導入することで、電気代の削減に期待できるでしょう。エコキュートは大気中の熱を利用して、ヒートポンプユニットでお湯を作ります。このような仕組みを採用しているため、ガス給湯器や電気給湯器などよりも省エネ性能が高いのが強みといえるでしょう。
またエコキュートを導入する際は、深夜電力が安くなる専用の料金プランに変更することで電気代が安くなります。理由はエコキュートが稼働する主な時間帯が、電気代が安くなる深夜だからです。導入費用は高めではあるものの、ランニングコストはガス給湯器等と比べて安くなるため、長期運用を考えれば元は取れるといえるでしょう。
補助金で安く導入できる
エコキュートは国や地方自治体が実施している補助金の活用で、通常よりも安く導入できる場合があります。たとえば「給湯省エネ事業」は、エコキュートも対象になっている経済産業省が実施している補助金です。エコキュート1台あたりに5万円の補助金を交付しています。
また国土交通省が実施している「こどもエコすまい支援事業」で、交付されるエコキュートの補助金は1戸あたり2.7万円です。このように補助金を活用すれば、少しでも安くエコキュートが導入できます。補助金は金額や応募要件、申請期間などが異なるため、それぞれの公式サイトで確認しましょう。
※参考:経済産業省
※参考:国土交通省
太陽光発電との相性が良い
エコキュートの強みは太陽光発電との相性が良いことです。エコキュートは基本的に深夜に翌日分のお湯を沸き上げます。そのためエコキュートの導入後は、深夜電力が安くなるプランに切り替えることがほとんどです。
しかし深夜電力が安くなる一方で昼間の電気代が高くなります。エコキュートやほかの家電製品を昼間に使用すると、深夜電力に比べて電気代が2〜3倍ほど高くなってしまうでしょう。そこで太陽光発電の電力を昼間に活用すれば、高くなる電気代を抑えることができます。
災害・停電時に非常用水が利用できる
エコキュートは災害・停電時でも、水やお湯が非常用水として利用できるため安心です。エコキュートの貯湯タンクには、手動で水やお湯が取り出せる非常用水取出口が備わっています。貯湯タンク内に水やお湯が残っていれば、非常用水として取り出すことが可能です。
しかし基本的には飲料用としての目的では利用できません。飲用する場合は必ず煮沸(沸騰させる)させてから飲むようにと、各メーカーが推奨しています。このように災害・停電時に不足しがちな、非常用水が利用できるのはメリットといえるでしょう。
なお日立のエコキュートには飲用できるタイプがあるため、気になる人は以下の記事をチェックしてみてください。
日立製エコキュートのメリット・価格・導入ポイントを徹底解説
火災のリスクが減る
エコキュートは空気中の熱と電気を利用して稼働させるため、火災のリスクが少ないメリットがあります。ガスや灯油といった給湯器は可燃性の高い燃料を使用するため、事故が起きたときは火災のリスクが高くなるでしょう。
火災のリスクだけではなく、ガス漏れによる一酸化炭素中毒のリスクも減らすことが可能です。ガスや灯油特有の臭いも発生しないため、臭いに敏感な人にも最適だといえます。健康や安全の面で考えても、エコキュートはガスや灯油の給湯器よりもおすすめできるでしょう。
さまざまな便利機能が使える
エコキュートは各メーカーごとに、さまざまな便利機能が使えるのが強みです。たとえば以下のような機能があります。
- お湯に含まれる菌の繁殖を抑えてくれる機能
- 配管の掃除を手軽にしてくれ清潔に保つ自動洗浄
- 通常よりも水圧を強くしてくれる機能
- 人感センサーで人の入退室を感知する見守り機能
- 遠隔操作や湯量確認などができるアプリ機能
- シャワーの湯量を節約できる機能
- AIが学習して最適な沸き上げを行う機能 など
このようにエコキュートは安全性・利便性・省エネ性能をアップしてくれる機能が満載です。
容量や種類が豊富にある
エコキュートは各家庭の需要に合うように、さまざまな容量や種類が豊富です。貯湯タンクの容量は200L以下で1〜2人用のものがあれば、550Lの7〜8人用のものまであります。
種類を見れば追い焚き機能があるフルオートタイプから、必要最低限のシンプルな機能が備わっている給湯専用タイプまで、さまざまです。加えて機能や価格のラインナップも豊富なので、家庭に合うものが見つけやすいでしょう。
エコキュートを導入する際の7つのポイント
エコキュートを導入する際に意識しておくべきポイントは7つあります。ポイントを抑えておけばエコキュートの導入で後悔する可能性が少なくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
深夜電力が安いプランに変更する
エコキュートを導入した際は今までの料金プランではなく、深夜電力が安くなるプランへ変更しましょう。基本的にエコキュートは、翌日分に使用するお湯を深夜に沸き上げています。理由は貯湯タンク満タンにお湯を沸き上げるためには、7〜8時間ほどの時間が必要になるからです。
深夜電力が安くなるプランに変更しておけば、電気代を抑えたままお湯を満タンにできます。昼間にお湯切れになれば電気代が高くなってしまううえに、沸き上げるまでに時間がかかってしまうでしょう。エコキュートを導入した際は深夜電力が安いプランに変更して、お得に利用するのがおすすめです。
お湯の使用量に見合っている容量を選ぶ
お湯の使用量に見合う容量のエコキュートを導入しましょう。お湯の使用量は人数が増えるほど多くなるため、人数別に最適な容量を知っておくことをおすすめします。人数別の貯湯タンク容量の目安は以下のとおりです。
- 185L(1~2人用)
- 300L(2~4人用)
- 370L(3~5人用)
- 460L(4~7人用)
- 550L(6~8人用)
人数に見合わない容量のエコキュートを導入すると導入費用を回収しきれなかったり、お湯切れが頻繁に起こってしまう可能性があるでしょう。そのため人数に見合う最適な容量を選ぶことが大切です。
水圧が気になるなら強めのものを導入する
水圧を気にする場合は、エコキュートのなかでも水圧が強いタイプを導入しましょう。一般的なエコキュートの水圧は、ガス給湯器の1/3ほどしかありません。そのため同時使用の数や階数が上がるほど、水圧が弱くなってしまいます。
しかしエコキュートのなかには、水圧を強くしているタイプがあります。ガス給湯器ほどではないものの、2か所同時や2〜3階の使用でも快適に使えるでしょう。
隣家が近ければ設置場所を工夫する
隣家が近い場合は、エコキュートの設置場所を工夫するとトラブルになりにくいでしょう。エコキュートの騒音レベルは40db前後(図書館等)ほどなので、騒音トラブルになる可能性は低めです。
ただしエコキュートは、ヒートポンプユニットから出る「ブーン」というような低周波音を出します。主に稼働する静かな深夜では、隣家の寝室が近いなど場所によっては騒音と感じられる可能性があるでしょう。隣家との距離が近い場合は、できる限り遠ざけて設置するのが賢明といえます。
必要な機能が備わっているか確認する
エコキュートを導入する際は、求めている機能が備わっているかを確認してください。たとえば常に清潔なお風呂に入りたいのであれば、お湯の菌の繁殖を抑えてくれる機能がついているタイプを選びましょう。
配管洗浄が面倒であれば、栓を抜くだけで自動洗浄してくれる機能がついているタイプを選んでください。目的に合う機能がなければ、エコキュートを導入しても後悔する可能性がありますメーカーごとに、さまざまな便利機能が備わっているので、見比べて最適なエコキュートを導入しましょう。
事前にシミュレーションを行う
エコキュートを導入して後悔しないためには、事前にシミュレーションすることも大切です。基本的にガス給湯器からエコキュートに乗り換えた際の節約効果は約1/3です。しかし家族人数や地域、現在の給湯器によって節約できる金額が異なります。
そのため事前にエコキュートを導入して、どれだけ安くなるのかをシミュレーションしておくと後悔しにくくなるでしょう。三菱では、ガス給湯器からエコキュートへ乗り換えた際のシミュレーションが簡単に行えるサイトがあります。ぜひ活用してみてください。
補助金を活用する
エコキュートは国や地方自治体から補助金が交付されていることがあります。補助金額は5万円ほどが多いものの、補助金によって補助額は異なります。
また応募要件や申請期間なども異なるため、国や地方自治体の公式サイトでチェックしておくと良いでしょう。エコキュートは高額な設備なので、少しでも安く導入したい人は補助金を活用してみてください。
エコキュートの導入で失敗しない業者の選び方
エコキュートの導入で失敗しないためには業者の選び方も重要です。各ポイントを確認して、最適な業者を選んでいきましょう。
相見積で相場とかけ離れた価格ではない
エコキュートを購入する場合は、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。相見積もりをする理由は、相場を見極めて高額な販売をしている悪質業者を避けるためです。
エコキュートの相場は消費者にはわかりにくいため、相場を知らない消費者を狙った悪質な業者がいます。エコキュートの工事費込の相場は20〜70万円ほどです。必ず複数社から相見積もりを取って、業者の価格が適正なのかを判断してみてください。
アフターフォローが充実している
業者のアフターフォローが充実しているかも重要です。エコキュートの寿命は10〜15年といわれています。エコキュートを導入後は業者との付き合いも長くなるため、アフターフォローが充実していると安心です。
基本的にメーカー保証があるものの、無料の保証は最長でも5年ほどです。またメーカーはエコキュートの本体を保証してくれるものの、工事に関しては基本的に保証してくれません。業者によっては本体だけではなく、工事に対する無料の長期保証があります。メーカーの保証だけでは不安な人は、業者の保証内容も確認して選んでみましょう。
口コミが良く知識・実績も豊富にある
優良な業者の条件として欠かせないのは、口コミの良さや豊富な施工実績です。口コミは良くも悪くもユーザーの意見を確認できるため、業者の評判がどうなのかを判断しやすいでしょう。感じ方は人それぞれではあるものの、できる限り良い口コミの業者を探してみてください。
また業者の施工実績や知識量も確認しましょう。多くの業者は公式サイトで施工実績の数や事例を載せています。施工実績が少ない業者よりは、経験値や技術力が高めだと判断できるでしょう。知識量は、気になることを質問をすることで確認できます。わかりやすく明確な回答をしてくれる業者を選んでください。
問い合わせや対面時の対応が良い
業者を選ぶ際は問い合わせや対面時の接客対応も見極めましょう。問い合わせるときは、メールではなく電話をかけて接客対応を確認してください。メールよりも電話のほうが、業者の声や口調、対応力などが確認しやすいためです。
自宅に来たときの接客対応も確認しておくべきでしょう。横暴な態度や口調であったり、押し売り要素が強かったり、消費者にとって不安材料でしかない業者とは契約すべきではありません。優良な業者を選ぶときには、問い合わせや対面時の接客対応も確認しておくと良いでしょう。
エコキュートがおすすめの人
エコキュートの導入がおすすめの人がいます。それぞれを紹介するので、当てはまるかを確認してみてください。
太陽光発電を導入している
太陽光発電を導入している人は、エコキュートの設置もおすすめです。太陽光発電の電力で自家消費している場合は、夜間以外の停電時でもエコキュートでお湯を沸き上げることができます。停電時でも安心して生活できるでしょう。
電気代を安くしたい
電気代を安くしたい人もエコキュートの導入がおすすめです。省エネ効果により電気温水器・ガス・灯油の給湯器よりもランニングコストが安くなります。そのほか深夜電力が安くなる料金プランへの変更、太陽光発電との連携により、さらに電気代を安くできるでしょう。
災害や停電時にお湯や水を使いたい
エコキュートは災害・停電時でも水やお湯が使いたい人におすすめです。エコキュートの貯湯タンクには非常用水取出口がついているため、電気が使用できなくても水やお湯を非常時に使用できます。災害・停電対策として活躍できるでしょう。
火災のリスクを抑えたい
火災のリスクを抑えたい人もエコキュートがおすすめです。エコキュートは空気中の熱と電気でお湯を温めるため、火災が発生しにくい仕組みといえます。少しでも安全性を高めたいのであれば、エコキュートを選択すると良いでしょう。
まとめ
人によっては「おすすめしない」といわれるエコキュート。しかし、現実的には大きな問題ではなかったりメリットで解決できる内容です。
長期的に見れば、エコキュートを導入することで得られる節約効果や快適性・安全性などのメリットのほうが大きいといえるでしょう。そのためエコキュートは、おすすめできる省エネ製品といえます。
そのほかエコキュートの導入で失敗しないためにも、導入ポイントや業者選び、向いているかどうかも当記事の内容を参考に確認しておくと良いでしょう。
エコキュートについて不安な点があれば、押し売りが一切ない新日本エネックスへお気軽にご相談ください。